妖精の加護？
深い深い眠りにに入った私。
ふわふわっとした感覚の中、急に辺りが明るくなる感覚がする。
でも何も見えない。
そこへ綺麗な声が聞こえてくる。
「ユーリ、目覚めなさい。」
そう言われて初めて自分の目が閉じていた事に気が付く。
私はゆっくり目を開ける。
目の前には白いドレスを着た金髪の美少女がいる。
でも人間では無いみたい。
何故そう思ったかと言えば、彼女の耳が尖っているのと、彼女の背中にはキラキラ光る羽があるから。
「綺麗…」
思わず口から出る。
「ありがとう。
ユーリ、あなたをこの世界によんだのは私です。」
「えっ？貴女が？何故？」
もしかしたら全てがわかる？
胸がドキンと跳ねるのを感じる。
「それがね…召喚魔法の練習中にどうやら貴女の願いが反応して召喚してしまったみたいなの。」
綺麗な顔を赤くさせながら言う。
「えっ？それってどう言う事？」
私の頭の中はパニックです。
「貴女は変わりたいと願っていたのではないですか？新しいチャンスを与える為の召喚でした。
ですが、私も初の召喚魔法だったので途中で見失ってしまい…今更出て行けずに夢で会う事にしました。」
「ん？なんだかうまくまとめられたけど…練習に巻き込まれた末の異世界？え～と、そもそも貴女はだあれ？」
「私はエルフの妖精のフィーリーと言います。貴女にはエルフの加護が授けられます。」
エルフ？エルフって耳が特徴的って言うもんね。
よく小説とかに出てくる妖精だったような…
自然派だっけ？
「えっと、私帰れるのかしら？」
問題はそこよね。帰れるならいいけど…
「申し訳ございませんが、帰る事は出来ないと思われます。ですから今から加護を受け取っていただきます。」
なんだか強引ね。ん～なんか帰れない予感はしてたけど…はっきりするのも結構ダメージね。
「じゃあ、私はこの世界で生活していかなければならないのね。その加護ってなあに？」
少しだけ『妖精の加護』期待しちゃう私。だってマイナススタートだもんね。少しは特別な何かが無いとやっていけないじゃない？
「貴女は元々自然との相性が良いのよね。自然を使っての治癒能力強化でヒーラーになりなさい。」
そう言ってフィーリーは私に手を向けると…光が私に向かってくる。そしてその光に身体が包まれる。
そうして私は余りの眩しさに目をつぶる。
意識はまた深いところへ沈んでいく。
その途中、フィーリーの声が聞こえる。
「ユーリ、また会いましょう。」
なんて無責任な…文句も言えずブラックアウトする私…
朝までグッスリ眠ったのでした。
