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ダンジョン攻略

どうしよう……このダンジョン編、じっくりにするか、さっくり終わらせるか迷ってます

  「此処がお前の挑むダンジョンだ」


  翌日、俺がアルバートに連れてこられた場所は、如何にもな洞窟であった。


  「此処が……ダンジョン」

  「そうだ。もしお前がこのダンジョンを攻略したのなら、攻略した証を持ってこの玉を割れ。王室へ直接繋がっている」


  そう言われ俺が渡されたのは、小さな透明の水晶の様な玉だった。


  「それをこの袋に入れておけ。うっかり割ってしまうのを防ぐためだ」


  俺は皮袋にその玉を入れた。


  「もしもの話ですが、俺が何も持ってこないで転移したら……」

  「その時は勿論死刑だ」


ーーーはぁ、やっぱりかぁ………まぁ、ちゃんと攻略して来るって約束したから絶対に戻らないけどね


  「じゃあ、行ってきます」

  「あぁ、魔王様の為にも無事に帰ってこい」

  「勿論、そのつもりですよ」

  「そうか、では行ってこい」

  「はい! あっ、後、遅れましたが俺が迷い込んできた時、怪我を治療してくれて有難う御座いました」

  「大したことではない。そんな事より、とっとと行って早く戻ってこい」

  「はい! ではまた」


  そう言って俺は、ダンジョンへの一歩を踏み出した。



  ▽


  ダンジョン内部


ーーー結構歩いたな……


  歩いて十分、未だに魔物は現れない。


ーーーそもそも魔物は出るのか?


  俺はダンジョンは危険だと聞いたが、魔物は出るとは聞いていなかった。



  すると、


ーーーやっぱりいたか


  俺の目の前に兎がいた。しかしその兎は、赤い目をして普通の兎よりも大分デカかった。


  魔物だ。


ーーーでも俺の魔法はアイツに聞くのか?


  俺は魔界に迷い込む前に魔物に遭遇した。そこで俺は魔法を放ったが、その魔物はピンピンしていたのだ。


ーーー試してみるか


  俺は兎の魔物から少し離れてから岩陰に隠れて、魔法を放った。


  「睡眠スリープ


  するとその魔物は


  「ピッ? ピギィ……」


  何かされたことに気づいたが、直ぐに眠ってしまった。


ーーーよし! 効いたのか!?


  俺はそれを確認しようと近づいた。


  バキッ


ーーーしまった!


  近づこうとした時、俺はうっかり木の枝を踏んでしまった。


ーーーチィ、俺の魔法は効果が薄いのに……


  俺の魔法には〔小〕という表記が付いていた。なのでその効果は思った以上に薄い。


  だが……


ーーーお、起きない?


  その魔物は起きることは無かった。


ーーーどうなってんだ?


  俺は自分の魔法を確認した。

 

  ーー睡眠スリープ〔中〕

  ーー探知サーチ〔半径二十メートル以内)〕

  ーーポイズン「小」

  ーー身体強化エンチャント〔小〕

  ーー隠密ステルス 〔小〕


ーーー〔中〕になってる……


  今まで睡眠スリープの表記は〔小)〕だったが、それが変わり〔中〕になっていた。


ーーー効果が上がった……何時だ? 何か条件が有るのか?


  そう思っていると、


ーーー《魔術は、同じ魔術を一定数使用するとその効果や威力が上昇します》


  と、俺の頭に何かが喋りかけてきた。


ーーーな、何だ!?


ーーー《何だとは何ですか?マスター》


ーーー誰か話しかけてきている!?


ーーー《っ! 一体誰です!?》


ーーーいや、お前だよ!! 誰なんだお前は!?


 びしっ、とキレの良いツッコミをした俺に、


ーーー《誰とは失礼な、私はずっとあなたと共におりましたよ》


 よく分からないことを言ってくる声。


ーーー………一体どういうことなんだ?


ーーー《そのままの意味ですよ》


ーーーそのままの意味? ………はっ! そうか、お前が俺に魔法の情報を流していたんだな!?


 ピキーン! と思い出した俺に、


ーーー《はい。因みに正確には魔法では無く、魔術とこの世界では呼びます》


 肯定した。ついでに、そんなことも言った。


ーーー魔術? 魔法と何が違うんだ?


ーーー《似たような言葉ですが、実は結構意味が異なり、魔法は原理がはっきり分からないもの……奇跡のようなもので、魔術はそれがはっきりしているもの……技術のようなもの。という意味です》


 説明はわかりやすく、簡単だった。


ーーーへぇ、初耳。でも、俺の元いた地球じゃどっちも奇跡なんだけどな……


ーーー《しかしこの世界には魔力があります。人々はそれを操り魔術を行使しているのです》


ーーーなるほどな……でもなんで俺が地球から来たってこと知ってんだ?


ーーー《それは私がマスターを転移させた神の使いだからですよ》


ーーーなに!? 俺が神に転移させられただと!?


 俺は突然の新事実に驚く。


ーーー《はい》


ーーー何でだ?


ーーー《マスターは自分がコケていつの間にか転移していた。と認識しているのですね》


ーーーああ


ーーー《それは違います。マスターはコケたのではなく通り魔に背後から刺され、その拍子に倒れたのです》


ーーー俺が……刺された?……


 またしても新事実だ。


ーーー《はい》


ーーーじゃ何で俺が転移したんだ!? 普通おかしいだろ!?


ーーー《そうです。普通はありえません》


ーーーならどうして!?


ーーー《それは我が神のミスです》


ーーー神のミス?


ーーー《そうです。マスターは本当はまだ死ぬときではなかった。しかし、我が神のみっともないミスで、マスターは命の危機に瀕した。なので仕方なく我が神はこの星、エルドラドにマスターを転移させたということです。しかしその影響でマスターの記憶が曖昧になってしまいましたが……》


 

  その時、俺を激しい頭痛が襲う。


  「うぐぅ、あぁ……」


ーーーそうだ、思い出した。俺はあの時コケたんじゃない。学校帰りに誰かが後ろから俺を刺したんだ


ーーー《思い出したようですね。転移すると欠損した部位などが新しく構築されるので、人間に干渉できない我が神にはこの方法しかなかったのです》


ーーーなるほど……でも、俺が勇者として召喚されたって言うのは?


ーーー《それは偶然です》


ーーー偶然?


ーーー《はい、転移される星は、マスターが生きることの出来る環境という以外ランダムですから……神なのに》


ーーーじゃあ、その偶然で俺は勇者として召喚されたってわけか?


ーーー《はい、その通りです》


ーーーやっぱりついてねぇ……でもお前は神の使いだろ、ちょっとひどい言い方だったが良いのか?


 ボロクソ言われた神様に、少し同情した。


ーーー《えぇ、我が神はその事を包み隠さずマスターに伝えて欲しいとおっしゃっていましたから。……それに神がこのようなミスをするなどあってはならない事なのです!》


ーーーお、おう……んでよ、お前の名前ってあんのか?


ーーー《いえ、私に名などありません。お好きにお呼びください》


ーーーん〜………じゃあ、クレルな。これからお前をクレルって呼ぶから


ーーー《分かりました。では改めまして、私はマスターのアシストを務めるクレルと申します。どうぞよろしくお願いします》


ーーーああ、こちらこそ改めまして、俺は津田朱音、よろしくな


  こうして俺は新しく(っていっても本人は初めからいたらしいが……)仲間が出来た。

いつも読んでいただきありがとうございます!

2件目のブックマーク、ありがとうございます!

次回は明日更新です

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