めいれい
リリィが目を覚まし、俺がどういう事か聞き出した。
「どういう事かって、お主が我に結婚しようなどというからじゃぞ!」
「いや、いってねぇよ! ただ好きだと言ったんだ!」
ーーーリリィめ、なかなか大袈裟に捉えすぎだろ……
「じ、じゃあ我と契を結びたくないのか?」
と、上目遣いで言ってくる。
「そ、そういう事じゃねぇよ」
「ならどういう事なのじゃ」
「いきなり結婚とか言われてもこっちが困るってこと」
「じゃ、じゃあ我はどうすれば良かったのじゃ!?」
プンスカと怒って聞いてくるリリィ。
「だから、いきなり結婚とかじゃなく……」
「とかじゃなく?」
「その、あの……」
「なんじゃ! ハッキリせんか!」
「う、うるせぇ! お前だってさっきまで同じような感じだったろ!」
「い、いいから続きを話すのじゃ!」
先程のことは棚に上げているようだ。
「だから、あれだよあれ」
「あれ?」
「あーもう! お付き合いから始めるってことだよ!!」
「な、なるほど……///」
聞いておいたリリィ本人が恥ずかしくなって手をもじもじさせていた。
「言わせといて照れるなよ」
「うるさいのじゃ! ………じゃ、じゃあそう言えば良かったんじゃな?」
「いや、まぁいきなり結婚してくださいよりはいいけど」
「では今から言うぞ」
「はぁ!? また告白すんのかよ!」
「こく、告白などでは無いわ!!」
「じゃあなんなんだよ」
「これは、あの、えーと……あっ、命令なのじゃ!」
「おいおい……」
ーーーそんなんでいいのかよ魔王様
「よし、言うぞ」
「はぁ」
そしてリリィの告白が始まった。
「あ、アカネよ! 我と付き合え! これは命令だ!!」
「ごめんなさい」
俺が即答する。
「そんなぁぁぁぁぁあ!!」
まるでこの世界の終わりが来たかのような叫びであった。
「うそうそ、分かったって。こちらこそよろしお願いします。リリィ様」
「ほ、本当か!?」
パァっと嬉しそうな笑顔になった。
「嘘」
「え……」
今度は表情が消え、目から光を失った。
「本当」
「むぅ、どっちなのじゃ!?」
「ブフッ、ごめんごめん、本当だって」
コロコロ変わるリリィの表情が面白くてつい遊んでしまった。
「なら良いのじゃ!」
ニッコリ笑顔のリリィ。
すると
「ま、待ってください! 魔王様がいきなり、それも人間界の者との交際などあって宜しいのですか!?」
これまで黙っていたアルバートが言う。
ーーーま、確かにそうなるわな
「ふん、それがどうしたというのじゃ。我は魔王じゃぞ。魔王が良いと言ったなら良いのじゃ! 寧ろそうではないと困るのじゃあ!」
親に駄々をこねる子供の様であった。
「そうですか……」
ワナワナと震えるアルバート。
ーーーや、やばいんじゃないかなリリィ……
「流石は我が魔王。その傲慢さに恐れ入ります。改めてこのアルバート、魔王リリィ・サタン様に仕える事に喜びを感じております」
ーーーなんでやねん
「うむ、こちらこそいつもお前には助けて貰っている。すまんな急にこんな事を申して」
「もったいなきお言葉です。それとツダアカネ、魔王様をよろしく頼むぞ」
「え? あ、はい」
ーーーいいのかよアルバートさん! リリィのわがままを通して! ……まぁ、そっちの方がありがたいんだけどな
それからは意外といつも通りだった。
▽
翌日
「おはよー」
「おはよーなのじゃ!」
俺とリリィは挨拶を交わす。
「今日も朝食を作ってやったぞ!」
「おっ、まじか!?」
「うむ、これから毎日作ってやるぞ!」
「それはめちゃくちゃ嬉しいけどよ、大変じゃないのか?」
「何を言っておる、こ、恋人に料理を作るのは当たり前じゃろう……///」
ーーーうむ、可愛くてよろしい
相変わらず美味い朝食を食べた後、俺は学院へ行くため準備をして、扉の前に立っていた。
「それじゃあ、いってきます」
「いってらっしゃい。って、ちょっと待って!」
と、言ってリリィがこっちへ向かってきた。
「どうした?」
すると、そのまま……
チュッ
リリィが突然柔らかい唇で俺の頬に押し付けた。
「いってらっしゃい、アカネ」
頬を朱に染めながら、優しくリリィが微笑んで言った。
「あ、ああ。いってきます」
ーーーヤバイ、可愛すぎるんですけど
それからしばらくの間、俺の鼓動は、ドッキドキ。
ぬわああああ!! チュッってなんだよ!
初めて書いたからちょっと恥ずかしかったです……
いつも読んでいただきありがとうございます!




