表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
168/227

といっても、やる事は何時もと何ら変わらないんだけどね


 「……はっ!」



 そういえば帰宅途中であった。



 「ったく、こんな道端で呼び出すなよってな」



 といっても、実際に俺が意識を落としていたのは、ほんの僅かな時間である。



ーーーにしても、やる事が多すぎるんだよな〜



 魔術大会、その後の戦争参加、魔王就任、そして魔界の平和を守る。



 「戦争はクレルの暇つぶしなんだよな……」



 何かしらの意図はありそうなものの、“戦争”というワードが、これまで平和な時代に暮らしていた俺にとって、魔界を守るとかよりも、ある意味一番恐ろしい。



 「がん宣告される時もこんな感じなのかなぁ」



 死にに行くというイメージが強く、今ですら想像しただけで冷や汗が止まらない。



ーーー魔界守んのも戦争参加じゃんそういえば



 「キツイなぁ」



 しかし、まるで夏休み終盤に差し掛かったのにも関わらず、宿題に一切手を付けずにゲームをしていた中学時代のような、謎の余裕がある。



 「取り敢えず鍛錬すっかー」



 いつも通りのカスラ式メニューをこなすべく、いつもの場所へ行く。



 「涼し〜」



 人の群れで蒸し暑い大会会場と比べると、此処は木陰やそよ風かとても心地よい。



ーーーんじゃやっかー



 どっかりと腰を下ろし、胡座をかく。



 「すぅ……ふぅ……」



 ゆっくり深呼吸をして、未だ残る余計な緊張を取る。



 「はぁ……」



 この時間が大好きだ。おかしな例えだが、熱い風呂に入り、身体の芯まで解されているような感覚に思わず「ふぃ〜」と声を漏らす時と同じ気持ち。



 「うっし」



 気合を入れ、本日のメニューに移る。



 ▽


 「ほっ、とぉ」



 魔力を液状化させ、両手一杯にすくうように出し、それを一滴も零さないよう、魔力を上手く操作させる。



 「むむむ……」



 形が掴みずらいため、苦労したが、今はどうて事ない。



 「ほぉわぁぁぁ……」



 なので、個人的なアレンジとして、薄い膜で風船のような形に魔力を変形させ、その中に液状魔力を入れる。これで魔力水風船

の完成……の筈だが



 「ふんぬぅ……!」  



 これがまた難しい。先ず風船作るのが一つの壁だ。すぐ割れる。だが、これはシャボン玉を作るように、優しく息を吐きながらやったら克服できた。



 で問題が、その中に液状魔力を入れるという所。

 ただでさえ脆いのに、その中へ負担をかけているものだから、割れない方がおかしい。



 「ほいちょぁあ」



 思いついた対策として、一滴一滴慎重に入れつつ、その度に破損しそうな箇所を修復していく。強度を高める作戦もやってみたのだが、そうすると何故か球体が作れなくなる。



 「はぁぁぁ……あっ」



 割れた。



ーーーこれが出来たら更に魔力水風船をぷかぷか浮かせようってんだから気が狂うよね



 そして極めつけは、自分でも何故そんな事をやっているのか分からない。



  「ほんとお先真っ暗だぜぇ」



ーーー帰って本読も



 ここで言う本は、カスラから頂いた無属性魔術とか結構役立つ情報が載ってある本。分厚い。


 正直、今の実力の五割はこの本を穴が空くほど読んでいたからであろう。もう五割は色々(適当)。



 さあ、帰ろう……そんな俺の目の前に



 「ギャイギャイ!」



 ゴブリン が あらわれた!



 



いつも読んでいただきありがとうございます!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ