ダンジョン攻略(二)
すいません、どうしても短くなってしまいます……
「睡眠」
ダンジョン攻略を始めて一時間、俺は睡眠と、隠密のみを使って魔物を退けていた。
そんな俺にクレルが質問した。
ーーー《マスター、宜しいでしょうか》
ーーーん? どうした?
ーーー《何故マスターは他の魔術もお使いにならないのですか?》
ーーーだって情けないけど俺、元々地球に居たから生き物を傷つけるのって少し抵抗があるんだよ……
俺はそれほど、グロに体制を持っていない。
ーーー《何を仰っているのです。ここは地球ではありませんよ》
ーーーいやでも……
ーーー《いいですか? この世界で命は軽い存在なのです。特にダンジョンなどの危険な場所では、そんな甘えた考えは捨てた方が良いでしょう。……そんな事では死にますよ。必ず》
ーーーでも……
それでも渋る俺に、
ーーー《それに、そんな考えが出来るほどマスターはお強いのですか? 何かを傷つけたくない、守りたいという考えは強者のみ許されることです。それ以外のものは、必ず何かを犠牲にして生きているのです》
厳しい言葉を突きつける。
「………」
その時俺はクレルに反論出来なかった。何故なら、クレルが正しかったから。甘すぎた考えを持つ俺よりもずっと……
ーーー《しかも、貴方は生きてここを出なくてはならないのです。あの魔王との約束があるのでしょう?》
ーーー………そうか、そうだったな。俺は何としてでもここを攻略しなきゃいけないんだったな……すまねぇクレル、気合い入ったわ!
ーーー《それは何よりです》
俺は気合いを入れ直し、再び攻略に向かった。
▽
それから五時間、俺は魔術を強化するため、いろんな魔術を使った。そこで魔術の組み合わせも出来た。
そして、淡々と魔物を殺していった。
例えば、探知で敵を見つけ、隠密で相手に近づき、睡眠で相手を眠らせ、毒でとどめを刺す――(中)になる前は物理的に――。といった感じだ。相手がもし空中にいた時は、身体強化を使って飛び上がり、相手を射程距離に捉えた時、魔術を放った。
又、移動の時は効果が切れるまでできるだけ身体強化を使って走って移動した。
「ふぅ〜」
ーーークレル、俺の魔術ってどれ位強化されたんだ?
ーーー《只今表情します》
と言って送られてきた情報は
ーー睡眠〔大〕
ーー探知〔半径五十メートル以内〕
ーー毒〔中〕
ーー身体強化〔大〕
ーー隠密〔中〕
ーーー大分強化されたな。それにしても、身体強化と睡眠だけやけに高いな……
ーーー《それはマスターが盗賊や魔物から逃げる時に沢山使用したからでしょう。又、身体強化は常に発動していたからでしょう》
ーーーそう言えばそうだったな
ーーー《はい! ではこの調子でどんどん強化していきましょう!》
ーーーお、おぉう……
急にテンションを上げたクレルに若干戸惑いながらも、俺は攻略を進めていった。
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次回は明日更新です