テンプレチートを読む危険性 脳が破壊されるリスク。
まず私は脳科学者でも医者でもありません、あくまで素人が色々な組織や大学の発表を読んで感じた内容を纏めた物であると先に宣言させていただきます。
さて最近話題になったハーバード大学の発表、ポルノを見過ぎると脳が壊れてしまう、あれは結構昔から言われてたことだったりします。
ドイツのマックス・プランク人間発達研究所というところが2014年にとある雑誌の取材に対して答えた内容を簡単にまとめると以下のようになります。
① ポルノを見ると脳が頻繁に活発化される。
② ①によって性の喜びに関わる部分が過剰に使用され、損耗して刺激を受けにくくなる。
③ 刺激を受けづらくなった脳は縮小して、受容体の数を減らしより刺激を受けやすくする。
④ これはより多くのポルノを見ている人に顕著に見られる現象である。
簡単にまとめるとこんな感じ、そしてより強い性的な刺激や暴力表現を求める層というのが同様の脳の縮小を起こしているとの関連も見られているということです。
これ以外にも極端に過激な嗜好や共感力の低下なども起こるという学説も有り、ある意味で脳内物質による薬物中毒されています。
この内容を読んだのは、丁度ここに来る原因になったなろうテンプレチートハーレム大好き君と出会った少し後の事でした。
その時に受けた攻撃性の過剰さや自身が正しいという感情の爆発的な行動、これってなろうのテンプレハーレムも該当するんじゃないか?と、彼の言動が発表された内容と異様にマッチしていたのを今でも覚えています。
まるで日常のちょっとした買い物の様にヒロインが主人公に与えられ、ヒロインは何の迷いもなく主人公を全肯定して身体を許してセックスし、時に主人公は大した信念も理由も容赦も無く残酷に敵対者を殺して、過剰とも言える大きな力を持っているにもかかわらず、更に何の苦労もなく大きな力やご褒美を手に入れる。
これが何度も何度も繰り返されるのがなろうのテンプレチートものであり、その内容は欲望や射幸心を煽る內容が多く、ある意味で文章ポルノではないか?そう私は考えたからです。
ですがドイツのデータは余り長期の追跡をしていないデータでしたので、その部分に一定の曖昧な要素も有り、同時に安易にそう言うべきではないかもしれないと考えても居ました。
ですがつい最近、アメリカのハーバード大学のマウスを使った研究でとても興味深い脳科学の発表がありました。
これは非常に大きな話題となりましたので、皆さんもネットニュース等でご覧になったかもしれませんが、おさらい程度に軽く流してみましょう。
実験の内容は以下のとおりです。
① オスのマウスにメスをあてがいセックスさせる。
② セックスが終わると、オスはメスに興味を失くすので新しいメスを宛がう。
③ オスが興味を無くす度、新しいメスを宛てがい続ける。
④ その作業を続けると結果、オスは死ぬまでセックスを続ける。
このような結果になったそうで、これはクーリッジ効果という生物学と心理学でいう哺乳類のオス(限定的にメスの場合もあるとされています)が、新しい受容可能な性的パートナーと出会うと性的欲求を回復させる現象を証明する実験であり、内容自体はそう新しいものはないのですがこれを世界的な権威のある大学の教授が発表し、その内容に興味を向ける人が増えた事に私は興味を覚えました。
この発表ではクーリッジ効果の実験結果は人のポルノ視聴と同じだと考え、同種類の刺激をポルノによって受けた男性は脳に異常が出てしまうとの結論になっており、ポルノの様な同種類の刺激ばかりを受けると人間の脳は薬物中毒の様な症状が起こり、ドーパミンの過剰によって脳が萎縮して凶暴性や共感力の低下を引き起こす、と考えておりこの点はドイツの研究と重なる部分であり、私としては非常に納得出来る内容となりました。
こうした結果を見て、ハーレムを作り主人公の思い通りなるテンプレチートばかりを読み続けるとポルノと同様に脳の萎縮を起こすのではないか、思考や行動が極端になり共感力の低下により、他者への攻撃性が増すのではないかという推論にも多少の信憑性があるかも知れないと私は思います。
皆様に多種多様な小説を楽しみたい、楽しみませんかと訴えてきた私への攻撃の一部は、もしかするとなろうテンプレという麻薬によって、脳を破壊されてしまったテンプレ中毒の被害者たちなのではないか?何て事をつい考えてしまいます。
今回の内容は、断片的な情報を積み重ねた主観のからくるノイズの多い推論で、この意見を実証するような設備も資金も能力も私にない以上、この推論は何時までたっても推論の域です。
なので酒飲も話で誰かこれを研究してくれないかなと、正月に我が家に遊びに来てくれた友人とぼやいたんですが、友人も理解を示してくれたので、他の方はどうだろうと興味を持ってこの文章を書いてみました。
今回の発表や他の発表でも語られる脳の活性化は感動のバリエーションを持つべきだという意見は、私にとってもなろうで訴えたいテーマの一つです。
性の喜びや安易で代わり映えのしないテンプレ的な喜びだけでなく、ショックを受けるような話や驚くような話、感動するような話、悲しくも美しい話、そのような多様性のある刺激が貴方の脳を活性化させて、より幸せな人生を導き出す助けになると言いたいのです。
テンプレ好きの読者の皆様、今年はテンプレだけではなくより沢山の話を見ませんか?貴方の脳を護るのは自分自身の思考と行動だと感じます。
安易な快楽ばかりを求め、自身の可能性をテンプレだけを読んで脳を萎縮させて失うのは、貴方の持つ大切な個性や未来に暗く重い影を落とすかも知れません。
射幸心を煽るような作品やインスタントに沢山の女性を出すテンプレは確かにウケもいいのかも知れませんが、それが読者への毒となり、楽しむための物語が麻薬のように誰かの脳にダメージを与える、このような結果は非常に勿体なくて悲しいと私は思います。
なろうで安易にポルノ的内容で人気者になりたい書籍化したいと考える前に、もう一度それが本当に描きたかった貴方自身の世界なのか、楽しむための物語が毒となるのではないかとしっかりと考える切っ掛けにしてくださると嬉しいなと思います。
これを読んで今日から脱テンプレチートを考える、今年はそんな年にしてくださる方が増えるのを私は密かに願っています。
感想にてご指摘頂いた私の思い込みの間違った内容を修正、ご指摘感謝いたします。