表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
236/418

232 神の行方 その2

ご閲覧ありがとうございます。

楽しんで頂けたら、幸いです。

 一瞬で反フィアーナ派の多数を消し飛ばす。それは、他の神々を驚愕させた。特に、僅かに生き延びた反フィアーナ派は、大きなショックを受けていた。


 この時の為に、念入りに準備を重ねて来た。その為に、混沌勢を使い女神フィアーナの力を削いだ。女神ミュールの力を奪う為に、ドラグスメリア大陸に残る邪神ロメリアの残滓を利用した。

 しかし、たった一柱の神によって、ここまでの企みが全て水泡に帰した。


「まだ生き残ってる奴が居たか。まぁ、ミュールの力を盗んだなら、その位は出来るか」


 不敵に笑うアルキエル。まるで煽るかの様に、アルキエルは言葉を続けた。


「お前らも全力で来いよ! わかってんだろうけどなぁ。ロイスマリアと切り離された今、原初の奴らと違って、てめぇらにはもう蘇る条件なんてねぇんだからよぉ」

「アルキエル、貴様!」

「生死を賭けた真剣勝負だぜ。俺たち神には死の概念がねぇ。だが、今回は違うんだぁ! 俺もてめぇらもここで消滅すれば、二度と戻って来れねぇ。楽しいだろ! なぁ!」


 ロイスマリアと切り離された。地上の生物が神の恩恵を受けられない。裏返せば、神も地上の生物から信仰を受ける事が出来ない。

 地上の生物が文化を育んだ事で誕生した新たな神は、地上と完全に切り離されては存在する定義を失う。

 それは、消滅しても再び蘇る保証を失う事である。

 

 恰好の処刑場に成り代わった神の世界は、反フィアーナ派にとって脅威の空間である。しかし原初の神とて、地上と切り離された神の世界は、諸刃の剣となる。


 そもそも、大地の無い場所で大地を司る神が、どうやって復活を遂げるのだ。深い傷を負えば勿論の事、神格を失う事があれば、再び地上を繋がらない限り蘇る保証は少ない。

 何せ、生者からの信仰は途切れていおり、力の供給は行われないのだから。


 互いに罰を受けるべき。

 その言葉通り、女神フィアーナは意図して、この状況を作り出した。


 そして存在の消滅。この状況を待ち焦がれていた存在はいた。

 戦いの神アルキエル。それは、二度に渡る生死を賭けた戦いを経て、強さを増した存在。大地母神の力を掠め取り、強力になった反フィアーナ派を、一方的に蹂躙出来る程の存在である。


 神々は、容易に動けなかった。

 たかが戦いの神と侮ってはいけない。先の出来事が、それを証明していた。


 しかし、原初の神々にもプライドが有る。たかだか、戦いを司る一柱の神に、遅れを取る事など有り得ない。


「風の、一気に片づけるぞ」

「応よ、雨の。おめえらも手を貸せ! 奴は戦だ。長く続けば力の差が逆転しちまうぞ」


 ラフィスフィア大陸を拠点にする風と雨の神が、他の原初の神々を煽動する。そして多くの神々が神気を高める。

 爆発するような神気が、アルキエルの神気とぶつかり合う。広大で揺るぐ事が無い強固な神の世界が、ぐらぐらと揺れた。


「待ちなさい!」


 女神フィアーナの言葉は虚しく響き、戦いは始まる。

 一瞬で姿を消し、原初の神々がアルキエルを囲む。そして放たれた膨大な神気は巨大な爆発を起こし、衝撃が波の様に空間を歪ませる。

 しかし、爆発が治まった時、片腕を無くしても笑っているアルキエルの姿があった。予想外の展開に、幾つもの神が驚きを露わにする。


「嘘・・・、だろ・・・」


 立っていられるはずがない、それだけの差が有ったはずだ。

 原初の神々は、唖然とし立ち尽くした。


「逃げなさい!」


 女神フィアーナの言葉は、届く事が無かった。

 片腕を無くしたアルキエルが、一瞬で風の神との間合いを詰めて拳を振るう。

 

「風の!」


 風の神は一撃で、消滅する。

 振り返りざまに、アルキエルは蹴りを放つ。そして雨の神も、一撃で消滅した。

 ラフィスフィア大陸でも、特に戦闘に長けた二柱の神が倒された。それも一瞬で。


 神々にどよめきが走る。

 当然であろう。数十の神が放つ攻撃を受け切った上、原初の神を二柱も倒したのだ。

 

「こんなもんだったか原初の神はよぅ。だから、セリュシュオネとやりたかったんだ。これじゃあ冬也が来るまでの暇つぶしにもならねぇ」

「あんたの相手は、私がしてあげるよ。私の身内に手を出した責任は、死をもって償いなさい!」

「てめぇじゃ役不足だ、ミュールぅ。てめぇにどれ程の力が残ってるって思うんだ、あぁ?」

「そうよ、ミュール。あんたは下がってなさい。こいつは、私が殺すって言ったでしょ!」

「フィアーナ、あんた!」

「てめぇら二柱でかかって来いよ。そうじゃなきゃあ、また一瞬で終わっちまう。いやここに居る奴ら、全員じゃなきゃ駄目かもな」


 女神ミュールと女神フィアーナを相手に、アルキエルは自信満々に答える。

 片腕を失っても尚、アルキエルの神気は少しも失われていない。アルキエルの存在は、神々にとって既に脅威になっていた。


 しかし、女神フィアーナの闘志を受けて、彼女に賛同してきた神々がアルキエルを囲む。そして、視線が火花を散らす様にぶつかる。

 無暗に突っ込んでは、簡単に倒されてお終いだ。攻撃のタイミングを計る様に、神々は呼吸を整える。


 一方で女神ラアルフィーネは、残った反フィアーナ派に近づいていた。

 当の反フィアーナ派達は、片隅で震える様に固まっている。そんな彼らを見て、女神ラアルフィーネは、顔を顰めて不快感を露わにした。


「見なさい! これがあなた達が起こした結末なのよ!」

「違う! 我々はこんな結末を望んだ訳ではない!」

「それなら、何を望んだっていうのよ! フィアーナは対話を望んでいた。実力行使をしたのは、あなた達なのよ!」

「しかし!」

「しかし? しかし何? ふざけんじゃないわよ! それで、どれだけの犠牲を出したっていうの! 守りたいものが有ったんでしょ? あなた達は、それを自分達で壊したのよ! それでどんな言い訳をするの? 冗談じゃないわよ!」


 女神ラアルフィーネは、声を荒げた。女神フィアーナとて、彼女が声を荒げる所を見た事が無い。

 

「消滅したくなければ、協力なさい! アルキエルを止めるのよ!」

「あんな化け物を止められるはずがない!」

「馬鹿な事を言わないで従え!」


 及び腰の反フィアーナ派を見て、女神ラアルフィーネに怒りが込み上げていた。

 彼らの憤りは、理解が出来る。だから、アンドロケイン大陸で生まれた、自分の部下とも言える新たな神々が、反フィアーナ派に加わっても、何も処罰をしなかった。

 女神フィアーナや女神ミュールに対しても、肝心な事については曖昧な態度を取った。


 仲間の多くと原初の神が瞬殺された事で、連中は怯えている。そんな覚悟で、混乱を起こしたのか。これだけの混乱を起こして、責任も取れない様な奴には、何も言う資格は無い。

 反フィアーナ派の態度が、女神ラアルフィーネを激怒させた。

 

 怯えた反フィアーナ派は、女神ラアルフィーネに逆らう力を持たなかった。

 震えながら戦いを強制され、アルキエルを囲む輪に加わる。そして、アルキエルはその様子を見て、笑みを深めた。


「ようやく、全員そろったな。さて全ての神と俺。どっちが生き残るか、試そうぜ!」


 アルキエルの神気が膨れ上がる。アルキエルを囲む神々の神気が膨れ上がる。

 神気がぶつかり合う。全ての神が力を籠めても、アルキエルの神気を圧倒出来ない。

 

 大地母神の三柱を始め、多くの神が更に力を高める。神の世界は、地鳴りの様に音を立て、ぐらぐらと揺れる。

 それでも互角とは言えない。


 そして、アルキエルの神気に呑み込まれ、力の弱い土地神から姿を消していく。

 神々は、徐々に数を減らす。対して、アルキエルは眉を動かす事もない。


 神々の中に絶望が過る。戦いを強制された反フィアーナ派は特に。

 反フィアーナ派は、逃げ出そうとする。しかし、閉鎖された空間で、何処に逃げようというのか。アルキエルの神気は、反フィアーナ派を躊躇なく襲う。

 小賢しい企みで、女神フィアーナと女神ミュールの二柱から、大きく力を奪った反フィアーナ派は、ここに全て消滅した。

 

 数を減らしても、果敢に立ち向かう神々は残っている。しかし、力の差は圧倒的だった。

 閉ざされた神の世界。消滅していく神々。世界の消滅は、こうして始まった。

最近、近所のトラブルに巻き込まれそうな珠です。


何て言うか、何処にでもいるでしょ?

探偵気取りの、自称物知りおばさん。

有る事無い事、色んな人に吹き回って、ヒーローを気取ってる、迷惑な人って奴です。


ただその方は、おばさんって言うか、おばあちゃんに近い歳です

口で言うだけで、ネットの書き込みはしてないでしょう。


あそこの家のババア、ボケ出してワロタ。

もし、そんな書き込みをしていたら、ぶっ飛ばします。

ネットで晒すとか、姑息な反撃じゃなくて、物理的に泣かします。


ただ、そうならない様に、平和的解決方法を模索するのが大人の対応でしょうね。

怒る事すら面倒なので、はい。


噂話をするとか、陰口を叩く事を止めはしないです。

でも、その人の耳に届かない様にしないと、いずれ諍いになりますよ。

まぁ、人の口に戸は立てられないんですし、いずれはその人の耳に入るでしょう。


たまに、陰口を叩いた事の告げ口をする人もいますよね。

因みに私の場合は、どっちも馬鹿にします。


次回もお楽しみに。

2019.10.22校正。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ