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再び始まる世界破壊  作者: Yuya.n./Naokira
第一章 再び始まる学園生活
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第一章8『思いがけない告白』

少し時間できたので書きました。

設定とか少し変えたいと思っているのでご了承ください

「あらハルトくん、今日はなんだか吹っ切れたって感じね、何かあったのかしら?」


蒼い瞳が美しく潤っており、その瞳を際立たせるような美貌を持つ少女が俺の支度を邪魔しにやってきた。しかし、今日はいつもと違った姿だった。


「レクハお嬢様でしたか、私に何かご用でしょうか?」


なぜ俺がこんなにかしこまった言い方をするのかというと、あの入学式の後シャナに名家に対してタメ口は禁止と散々こっ酷く説教されたからだ。シャナが俺の母のように怒ってくるのがどうしても嫌でこのような口調になってしまっている。人目のないところではタメ口を使っているが、そのことは黙っておこう。


「言ってることはかしこまっているのだけど顔がそれを拒絶しているわよ」


俺の命令とは反して顔は拒絶反応を示していたらしい。顔をパンっと両手で叩いて見せてからレクハに顔を見せる。それにレクハはクスッと笑って言う。


「ハルトくんが笑っているところ初めて見たかも、本当に何があったのかしら」


「俺そんなに笑っていませんか?」


「いつでもどこでも、なんか別のこと考えているように見えていたわ」


なんにも考えてないんだけどなぁ、とは言えない。それに朝からあった出来事を話す必要もないと思った。


「どうせライトくんになにかされたんでしょうね」


「僕がどうしたのかな?レクハさん」


彼女の背後から突如としてライトが現れた。銀髪で金に輝く瞳は人々の目を奪う。


「あらら、これはこれはライトくんではございませんか。今、あなたの英雄譚を話していたのよ


「僕にそんな洒落たものがあったのかな?」


両者顔は共に笑ってはいるが、心の中では何を考えているか全く察せない。お互い牽制し合う中一人残された感に浸る俺がいた。これも、俺の中では当たり前になりつつある。学年首席と、次席が共演しているところを見るとなんとも言えない劣等感が舞い上がってくる。しかし、それは一般的な話であって、この俺は違う。俺はレクハと同じ首位を惜しくも逃した次席であるのだ。トップ三人が集まると周りの目線が気になって仕方がない。俺の輝かしい学園生活がこんなことになるとは思ってもいなかった。


「あっそう言えば、あなた方は剣術大会に出場するのですよね?」


「そうですが、なぜそのようなことを?」


突然の問いかけにも動じず極力丁寧な物言いで答える。それを見ていたライトは隣でヘラヘラと笑っている。俺はそれにはもう慣れていてなんとも思わなくなった。


「申し上げにくいのですが、そうですね何か嫌な予感?みたいなものがするんです。今年の剣術大会は特に」


「嫌な予感ですか」


「奇遇だね〜、僕もそんな気がしていたんだ」


二人が感じる『嫌な予感』とはどのようなものかわからないが、能力と実力に長けた彼らが言うことだ。何かきっと深い意味があるに違いない。俺は今ある知識の中から思い当たるものを探り出そうとする。ふっとライトの方に目をやると彼はこちらの顔を窺っていた。今のライトからはいつものような笑顔が見られない。彼の意外な表情に関心を向けているとある一つの記憶が頭をよぎった。それは確か今朝の出来事。吸血鬼の襲来か?いや、それはない。彼は大勢の人前に出てくるような生物ではない。じゃ、残るは一つしかなかった。


「ま、まさか...」


「あら、どうかしたのかしらハルトくん。何か思い当たる節でもありましたの?」


レクハの俺に興味を向ける目は二回目だ。彼女の葵い瞳は本物の水なのではないかと思ってしまうくらい麗しいものだった。


「い、いえ。そうではないのですが。」


「そう、ならいいわ。」


レクハはライトの方に向き直って少しどころではない違和感を覚える笑みを浮かべた。ライトもそれに対して苦笑いをする。俺は今更ながらに彼らの仲には少し溝があることを知った。


「あ、そうそう。ハルトくん、今朝言っていた剣術部の見学の話なんだけどね。許可もらったから放課後行ってきなよ。」


今朝話していたことを彼はちゃんと覚えていてくれていた。彼との仲は徐々にではあるが良くなってきている。


「お、ありがとうじゃなくて、ありがとうございます」


もっとフレンドリーに接したいのだが、俺らのことを見ているシャナの視線が気になる。他の女子と話しているのにも関わらず視線をちょくちょく送ってくる。


「でも、ハルトくんって案外人見知りしたりするタイプだよね〜」


「ふぇっ?」


突然何を言いだすかと思えば、人が一番が気にしているコンプレックスではないか。言った当の本人はニヤニヤといやらしそうにしている。


「ライトくんの言う通りですよね。だって、ハルトくんは私とライトくん、シャナさんとしか話してるところ見たことないですし。」


「そ、そのようなことはないですよ。俺だって他の、人と、しゃべ、って?」


あ、そういえば俺こいつらとシャナとしか話した記憶しかないぞ。それでも諦めきれない俺は必死に思い出そうとする。しかし、その願いは叶うはずもなかった。学園生活を謳歌させると入学式の日に誓ったのになんだこの有様はどうしてこうなったんだ。


「つまり、あれだね!陰キャってやつではないかな?」


「いやいや、ライトくん。ハルトくんは陰キャではないでしょう。随分目立っているようですし_」

いやいや、あんた達に周りの目線が向いているんですけど。俺ではなくあんた達にね⁉︎と思うが声に出すことは出来なかった。最終下校の予鈴が鳴ったからである。それを聞いた生徒たちは帰宅の準備へと取りかかる。


「学校も終わりか〜、じゃあまた後でねハルトくん」


「お前はどうせだろ」


不意に背筋が凍るほどの寒気が俺を襲う。今更ながらに先程の俺の発言が誤りであったことに気づいたがもう遅かった。


「ハルトくん?一体、何回言わせたらわかるのかしら?」


言葉自体は一見優しく思えるが、目の奥から満ち溢れている怒りが俺の危機を知らしている。亜麻色のツインテールの少女が俺のすぐ後ろに立っていた。一見、誰がどう見ても笑っているような顔にしか見えないが、心の奥底から怒りがのぼってきている顔だ。幼馴染の俺にはわかる。彼女が俺に怒鳴りつけていたときはいつもあの顔をしていた。あまりの恐怖のあまり俺は椅子から転げ落ちる。


「な、なんなんだよ。シャナ。」


俺は手汗握りながら質問をする。しかし、参ったな流石に皆の前で怒鳴られると恥ずかしい。


「タメ口は使わないでと言ったよね?」


あー今コイツ微笑んでるけど絶対怒ってるよ。ね、そうだよねシャナさん?っと心の奥底で思うだけに留めておく。


「シャナさん、別にいいんだよ?友達なら友達らしくタメ口で。友達で敬語とか面白くないじゃん?まぁ、確かにハルトくんは少しも抵抗なくタメ口を使っているけどね」


おいおい、ライト様。フォローしてくれんじゃないんですか?と言いたい気持ちを心の中に押し殺す。


「し、しかしライト様に向かってタメ口というはしたない行為などライト様がお許しになったとしましても他の生徒が黙っていません」


これにライトは考えるように首を傾けて腕を組む。しかし、それも一瞬の出来事だった。何か良い案が浮かんだようだ。向き直ったライトの顔から察せることが俺にはできた。これでシャナもライトの餌食になるのだろうと思うと居ても立っても居られない。


「シャナさん、一つきいていいかな?」


「ライト様のためならなんでもお聞きしてください。」


ライトはどうこの状況を打破するというのか。シャナに聞くことって何か気になる。


「でわ、シャナさんは僕の命令なら、できる範囲であればなんでも従う?」


俺はこの質問でライトがこれからしようとしていることがあらかた分かってしまった。これでも俺は理解力はある方だ。ここでシャナが返してくる応えで全てが決まることも。


「私にできる範囲であれば従います」


笑いたい俺を誰か止めてくれ。腹がクスクスと動き痛くてもう限界だ。普段からこういうのには引っかからなそうなやりとりだが実際にはそうはいかないのだ。


「うん、そう言ってくれて嬉しいよ」


俺も嬉しいに越したことがないと彼と共感した。ふと、黙っていたレクハを見ると笑顔で口パクで


『さ・い・て・い』


こ、怖!そんな表情で言う言葉じゃねぇだろ。レクハは同じ女子として今の行為をよく思っていないようだ。しかし、その、なんというか、笑顔で訴えられても本当の気持ちかどうかの信憑性に欠ける。


「じゃあ、早速だけど僕の彼女になってよ」


「ふぇ?」


理解しているつもりになっていた俺はその一言に驚きを隠せずにいた。そこにいた一同が石像になったかのように静まり返る。うん、あ、そうこれは普通の告白、何も変じゃない取り敢えずシャナおめでとう...


「ってな訳あるか!」


思い返った俺はあまりの出来事に叫ばずにはいられなかった。言われた当の本人は顔が真っ赤になっている。


「シャ、シャナさん大丈夫?私の声聞こえる?」


レクハがそれに対応している。ライトに近づき本心かどうか聞き出す男子生徒が数人で盛り上がっている。女子生徒達は気が抜け身体だけがそこにあるオブジェクト同然の状態になっていた。彼の一言がこの教室の雰囲気を変えてしまった。バタフライ効果の恐ろしさを俺はここで知ることになるとは思ってもいなかった。


「これはしばらく返事は聞けないね」


男子の囲まれいたはずのライトが話しかけてきた。


「お前どうやってあの中からかえ潜ってきた?」


「能力を使わせてもらっただけだよ。」


「お前そういう能力もつかえるのか、一体いくつ能力持ってんだよ。」


俺の持っている特殊能力は認知能力、テレパシー能力、加速能力、飛躍能力、読心能力の五つだ。普段から使うことのない能力ばかりで俺自身扱いに慣れていない。


「ん〜数えたことないな〜。でも十はあるね〜」


「十以上あるってもうそれ人間じゃないだろ。」


「はは、そうかもね〜」


俺の肩を叩きながら調子良く言うライト。まさか、シャナに気があったとは。そもそもこいつの考えていることが俺にわかるはずがない。


「まぁ、彼女も天使保持者と睨んでいるんだけどねぇ〜」


「はぁ?シャナも天使保持者なのか?」


天使。それは、神の使者又はこの世界に天災を与える制裁者。今朝、ライトに俺の全てを話した際に教えてくれたことだ。ライトの目的は天災を招く天使の管理だと言うが、それが本当のことなのかは未だ分からない。信頼度は上がったのだが、やはりどこか気が引けない。


「まだ、憶測にしか過ぎないけどね。」


「じゃあ、決定的なものになってからでも良かったんじゃないのか?」


「それじゃあ、少し遅いんだよ」


まだ全てを知らない俺はライトが何を焦っているのか分からない有様である。その笑顔の奥底に隠れている感情は何なのだろうか。


「まぁ、取り敢えず僕は生徒会に行くよ。ハルトくんはちゃんと体験入部してくるんだよ。」


「わかってるって。」


ニコニコと笑い手を振りながら教室を出て行くライトを見送った後、俺も素早く支度をし教室を後にした。


「あの馬鹿二人はこの状況を放置してどこへ行ったのかしら」


やれやれと、シャナの介抱をしながら微かな笑みを浮かべたレクハが呟く。

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