第九話 管理者はかく語りけり
貴方には大変な迷惑を掛けてしまいました。
前任者達の不始末を押しつけたようなものです。
彼等はもうこの世界の管理を任されることはないでしょう。
多くの力を宿しすぎて、本来もつべき種の期限よりも早く、生命が尽きてしまったようです。
判っていたから、急がせたのでしょうね。
結果として、少しだけ世界の因果の関係が修復されました。
ただ、別の懸念が発生もしています。
本来は何事も見届けるべきこと。多少の調整は必要ですが、今回のようなことは一歩間違えれば調整どころか修復が不可能な領域に達してもおかしくはないことだったのです。
創造、破壊、再生、本来ならば循環すべきところを各々が、その場を取り繕うために、好き勝手に手を施したからおかしくなったと気付きそうなものなのですが、まったく……
さて、魂の輪廻に加われば生き物として永い時間を過ごさなければいけませんが、今回は今一度、貴方に生を授けましょう。
そして、管理不十分のお詫びとして、この魂も共に連れて行って下さい。此度は長く供にいられるように。
では、お行きなさい。再び、辛くも、短い命の、長い生を全うできるように、管理者としてささやかな加護を授けましょう!
あ、あれ、変な力が一杯ついた。ちょっと待って……




