プロローグ 管理者はかく語る
プロローグ「管理者はかく語る」
ようやく目が覚めたようだね。まあ、驚かずに聞いてくれ。とはいっても、驚かずにはいられないか。生まれて初めての事態だろうからね。
まあ、死なないことには、経験できないことだから、嫌でも初めてになるかもしれないね。
実は、君に、一つお願いがあってここへ呼び寄せた。断ることは出来ないから、強制と言っても差し支えが無いかもしれない。
僕が管理する世界で、少し困った事態が発生している。おっと、勘違いをしないでくれ、原因は僕のせいではない。他にいる同僚達の失敗が原因だ。決して、僕の失敗ではない。
まあ、色々訳あって世界が滅亡の危機に瀕している。直ぐにと言う訳ではないが、今、あることが因果関係を持って滅亡に至ることは、おおよそ間違いないと思われる。
世界の管理を司る僕達にとって、あまり好ましい事態とは言えない。失敗はつきものだけど、出来れば知られたくはない。
叱責ものだからね。
そこで、現状を打破するには、劇的な変化が望ましいと僕は考えた。生態系の変貌、又は文明の再構築と技術の革新。
結果的に良い変化が起これば、世界が救われる可能性は高いと思われる。
まあ、同僚の尻拭いをさせるようなことになるけど、諦めてもらいたい。キミと言う存在が、世界を救う要因になる可能性があると思えば、誇らしいことだろう?
おっと、タダでとは言わない。今、君にはない様々な能力を管理者の加護として授けようじゃないか。同僚達からも了承を得ている。その証拠に、この場にはいない、彼らからも加護を預かっている。
――――――!
さあ、加護は授けた。キミは僕達の世界にはいない、特異な存在として転生をすることになる。僕達、管理者のために、精々役に立ってくれ。
創造と破壊と再生の管理者の加護を授かったものとして、世界を滅亡の路から救ってやってくれ。--じゃあ、頼んだよ。