第一弾 〔調査と資料>
夏かぜは治りが遅くて困りますね。今でも咳とかが出て少し辛いです。
もうすぐ僕の通ってる高校の学園祭があるんですよねぇ。
準備頑張らなくては。では、楽しんでくれれば幸いです
「柴桜少し調べてもらいたいことがある」
「何を?」
ISDO順位制度第六位・六川柴桜
銃や拳、警棒、ナイフを使った格闘術の戦闘力はないが、そのずば抜けた情報収集能力とそのデータを解析、予測し敵の現在位置を特定させる能力。そして予測して外れた場所は一割にも満たない。
「俺の通っている高校のを真ん中に置いた範囲で銃を撃った犯人を調べてくれ。小さい噂になっているらしい。面倒事は少し避けたい」
「ん、分かった。ちょっと待ってて・・・・・・・・・・・ん?なにこれ」
少し驚いた声が聞こえた。
俺は第六位の柴桜が驚いたことに少し警戒する。
「どうした」
「その情報があるにはあるんだけど・・・逆にありすぎる。それもどれもこの町の至る所で目撃情報がある。そのほとんどが嘘であるとしか言えない。何かを隠すために混乱させている。でも、零一の通っている学校に犯人はいるのは分かった。嘘には少しの真実が入っているものだけどそれを集めると本当に朧気ながら見えてきた。これ以上は分からない」
その情報を確定できる力にはさすがとしか言えない。
だがこの荒っぽい情報隠蔽は何だ?完全に消してしまっても怪しいが多すぎても調べてくれと言っているようにしか思えない。
ISDOの情報を盗もうとウイルスやハッキングをかけるため?無理だ。柴桜がいる限り絶対にありえない。
「・・・・俺の高校にいるのがわかれば十分だ」
「でも、私の方でも調べておく」
「大丈夫なのか?」
「ん、零一のお願いなら」
「・・・・・じゃぁ、頼む。それじゃぁな」
「ん」
俺はふぅと一つ息を吐きベットに横たわり睡魔に身を任せた。
俺はいつも通りに家を出る。
八月よりかは暑くはないが少し気温が高い。
腰にはしっかりとホルスターに拳銃が入っている。
俺は電車に乗りいつも通りに遅刻五分前に教室に着く。
ホームルームが終わり授業が始まるまで寝る奴や大声で話している奴がほとんどだが俺はじっと時計を眺め、早く学校が終わらないかと期待する。
ちょっとしてからいつも通りに授業が始まり四時間目が終わると昼休みになる。
俺は購買まで行き適当にパンと炭酸飲料を買い教室に戻る。
「零一。飯食おうぜ」
雄介が笑いながら弁当を持ってきた。
「おう」
しばらく雑談してから雄介はまた例の発砲事件のことを喋りだした。こいつにはとても興味があることなんだろう。
「でさ、発砲された場所はこの辺の裏路地があるだろ?そこなんだってよ。今日行ってみないか?」
「いや、俺はいい。やることがあるからな」
こっちとしてもその発砲事件について調べなきゃならない。
場所がわかっただけ運がいい。
自分の平和ボケ対策にはいいだろう。
俺は一人でその発砲事件の起きた場所に来ていた。
雄介に言われるまで詳しい場所は分かっていなかった。
そこを一つ一つ慎重に見渡していく。
ちょうど裏路地の突当り、そこには一発の弾痕がありその淵の方に空薬莢が落ちていた。
そう言えば撃たれた奴は誰なのだろうか。
発砲事件があったのにもかかわらずテレビにもなっていない、新聞にも書かれていない、警察に誰か被害届を出したとも聞いていない。
ふと薄暗い路地裏に携帯の音が鳴り響く。
もちろん俺の携帯だ。そして仕事用ではなくプライベート用。いつもの癖でワンコールが鳴り終わる前に出てしまう。
「はい」
「おー零一。出るの早すぎだろ。で、そんなことよりもテレビ見てるか?」
「いや今外にいてな。見れない」
「そうか、なら!教えてやるよ。今日お前に話してた発砲事件の被害者が警察に保護してもらったんだとよ!今ニュースでやってる。やっぱりうちの学校の生徒で三年だったらしい」
雄介は少し興奮しながらしゃべるので耳元が少し痛い。
そのニュースが発表されたのなら柴桜も独自に調べるだろう。
あとで警察の事情聴取の資料もISDOに渡されればこっちにも情報は入る。
「そうか・・・」
「反応薄いなぁ。悪い。外にいるってことは何かやってたんだろ?邪魔したな。また明日」
「あぁ」
俺も携帯を切りポケットにしまう。
ここで分かることも少ない。
一応、警察が来ることを予想し現場の写真をさっきしまったばかりの携帯を取り出し撮影し、弾痕と周囲を見て突き当りまで追い詰められ被害者の横を威嚇射撃の要領で撃って逃亡したのだろう。
犯人の目的が全くと言っていいほど分からない。
少しその場で思考に耽っているとコツッとローファーの音が聞こえ、すぐに走る足音とローファーの音が響く。
この裏路地は少し入り組んでおり走る音を響かせながら大通りの人ごみに逃げ込んで見失った。
本当に平和ボケしてきたとつくづく思い知らされた。
それでも足音の癖や歩幅、体重が零一にはわかっていた。
俺は渋々探すのを諦め家へ帰った。
しばらくこっちも発砲事件には調べたが、手掛かりは掴めず。
外は暗くなっており少し肌寒い。
ふとインターホンのピーン、ポーンとゆう音が部屋に響く。
俺が扉の前に立つと俺のよく知るリズムで扉がノックされる。
俺は扉を開けるとそこには体格のいい大男が真っ黒のスーツをきっちりと着て立っていた。
「No.6より第四機密文書をお届けに参りました」
第〇機密文書。
それは第五から第零からあり、第五から数字が減るほど機密度が上がっており第零機密文書になると世界機密レベルにもなる。
第四機密文書ってことは一般人が必死に調べればたどり着くレベルだ。
「ありがとう」
「では」
黒服は一礼してから立ち去った。
俺は自分の部屋に戻り文書を読みだした。
次の更新はやっぱり遅くなってしまうなぁ。やっぱり亀が歩く方が早いのでは・・・。