装填 〔消え始める日常>
改めてこの話を読んでくださる勇者様にはお礼申し上げます。
九年前、世界中で起きた同時多発テロは国々のお偉いさん方に危機感を持たせるのに十分な出来事だった。
テロ団体のリーダーの組織であるDSSは自分たちの都合や利益のためにしか動かない国々のリーダーに対してこの世界で苦しみを覚える人たちの声を代弁しこの腐りきった世界状況やリーダーたちを一掃し革命を行うことだった。
「我々、DSSの請求は各国々の先進国たちのリーダーお前たちの命だ。お前たちの自分勝手な行動でこの世界は腐りきった。お前たちはやりすぎたんだ」
この演説が終わった瞬間に先進国のリーダーたちが死んだ。
だがこのテロの影響で巻き込まれた人々の大半は死んでしまった。
その中に世界中を転々とする職業についていた俺の両親はテロの巻き込まれ死んだ。
俺はその当時、涙が出なくなるまで泣いたし怒り狂った。
だから、ISDOに入隊するための手紙が届いたときには歓喜した。
これで復讐ができると・・・。
だが、今思うと俺はただの駒でしかない。両親が死に祖父や祖母はもうすでにいない。親戚は厄介払い。
俺がいなくなったとしても誰も悲しまない。だから俺にISDOからの入隊の手紙が届いたのだろう。
ISDOはこのテロ騒ぎで国々が同盟を組み、テロ防止という名目がが世間に発表されている。だが実際は世界の国々の不利益になるようなものがいた場合そいつらを殺す役割がある。
ISDOの構成員はまず国籍が剥奪され代わりにどこにでも行くことができ住むこともできる。
次に発砲の許可。九年前のテロ騒ぎで多くの規制はかかっているが銃が出回っていたりする。そのためISDOは自分の身を守ることが証明できるのなら発砲してもよい。普通の民間は弾は入っていれど撃つことが少ない。なぜなら多くの規制の中にも入っているのもあるが、せいぜい持って安心するみたいな一種の麻薬や威嚇の目的でもある。
ほかにも交通機関、電車、タクシー、飛行機、リニモのすべてが無料で使えたり、必要なものがあれば経費で落とせる。
こういった金に関することも免除される。
さすが世界の国々で構成された機関だろうと言える。
ただメンバーはISDO順位制度上位の者しか知ることはできない。
何故か。
ISDOの順位はISDO内でどれだけ腕が立ち、機密保持ができるかどうかで決まってくる。
メンバーはあらゆるテロ組織の敵であるため万が一結託し潰しに来たらやられてしまう。
だから上位のメンバーしか知ることが出来ないのである。
そして召集、任務の時以外は一般人に紛れて身を隠せ、即ち一般人として生活することを義務づけられている
だから俺は今、行きたくもない学校に向かっているのである。
「最近、任務無いから平和ボケしなければいいがなぁ」
俺は学校を歩きながら眺めそんなことを思った。
夏に入りかけたこの季節は緑が徐々に春にもまして増え始め気温もだんだんと高くなっているため心地よい温かな風が吹く。
俺は正門から学校に入り朝の挨拶をしている先生方に会釈しながら教室に向かう。
俺は教室に入るととりあえず自分の席に向かう。
「久しぶりだな。二学期もよろしく零一」
話しかけてきたこいつは南本 雄介。
かなりのオタクで趣味が広すぎて俺には理解しがたい奴だ。
結構鍛えておりがっしりとしている。夏とかは暑苦しくて仕方ないんだがな。
「雄介か。朝一番に話しかけてきたのがむっさ苦しい男で残念だよ」
「そうか、それは残念だったな。んで零一」
「なんだよ」
「この辺にちょっとやばい奴が出たらしい」
こいつが真面目な顔をして話しかけてくることは滅多にない。
「銃の規制を破って発砲して幸いけがだけで済んだらしいんだが」
「それで?俺たちに何か関係があるのかよ」
「ここからだって。その撃った奴がこの学校の生徒らしい」
銃の規制を破った生徒・・・ねぇ。
今の時代ISDO以外にかけられる銃の規制は法で裁かれると軽くて死刑。ほかの処罰は用意されず無期懲役も何もない。たとえ精神が壊れていようが死刑になる。
この件は多少ながら国に影響を与えるだろう。
だから俺達ISDOが動くかもしれない。
「俺達にはどうすることもできんだろ。おとなしく銃の規制を破った奴に目をつけられるようなことをせず普通に学校ライフをエンジョイすればいいだろ」
「この件はまだ明るみに出てないあくまで噂とネットの情報からだよ」
「おい!一気に信憑性が減ったぞ!」
最後は明るい感じで打ち切った。
聞きたくもない誰に対してもはた迷惑な学校のお偉いさん(校長)の言葉を聞き、始業式が午前中で終わる。
教室に戻りHRが終わると男どもはゲーセンやカラオケに走り、女はショッピングや甘いもの巡りにでも行ったんだろう・・・あくまで推測だが。
俺と雄介は雄介が本屋でラノベを買いたいと言い出したので渋々付き合いそのあと俺は自宅に帰った。
俺の自宅は学校から四つほど離れた場所の駅の近くにある。
俺は家に着くとしんとした家にただいまと呟いてから洗面所に行き制服を脱ぎシャワーを浴び普段着に着替える。
自室のベットに腰を掛け雄介が言っていたことについて考える。
銃の規制を破った高校生。
脅されたか、何か危ないバイトにでも手を出したか、ただ目立ちたかっただけか。
どれも馬鹿すぎる。
でも俺が一番馬鹿だ。突拍子もないことを考える。
DSSが動いたか。
そんなことを考えた。
しかも長年姿を隠していたあいつらが表だって出てくるとは思わない。
そんな保証はどこにもないこれはただの推測でしかない。
俺はいつも肌身離さず持ち歩いている仕事用の携帯電話を取り出し電話をかける。
ぷるるる・
「・・・・はい。零一どうしたの?」
ワンコールもしないうちにISDO順位第六位、六川 柴桜は応じてくれた。
たぶん・・・というより絶対に亀のように遅い投稿をしますのでなっっっっがい目で見てください。