第一発 〔動き出す両者>
できましたね。
ちなみにですがISDO(International special defense organization)
は国際特殊防衛組織を英語単語に直して頭文字をとって並べただけですね。
DSS(deadly sin spokesperson)は大罪の代弁者です。
DSRからDSSに変更しました。
俺は、ある会社のビルの前に来ていた。
入り口の前に立った途端に(一般人ではわからないくらいの)10ぐらいの視線が俺に集まる。
俺は右手を下げたまま軽く手を二回振る。
すぐに視線は霧散し俺はやっと中に入れる。
いつやっても面倒なんだよな・・・これ。
一般人でも警戒しているISDOは合図なりなんなりして警戒を解かなければ安全に中に入れない。
それだけ危険と隣り合わせなのだ。
今現在ISDOは”世界の”と言っていいほどの犯罪者、犯罪者グループ、組織から狙われている。ただISDOに対抗できるのはDSSくらいなのだ。今のところは・・・。
俺はロビーに入り受付(50位以上のISDOのメンバー)にISDOメンバーの証である拳銃を見せる。
受付の人の目が射抜くような目に変わったがすぐに霧散し目を伏せた。
これで通っていいことの許可になる。
俺は関係者以外立ち入り禁止の扉に入っていき壁の指紋認証、虹彩認証、静脈認証、顔認証といった非常にめんどくさいものを経てやっと本部に入れる。
扉が開くとエレベーターになっており上にはいかずすべて地下になっている。
俺は地下七階まで下り迷路のような通路を進んでいき一番奥の扉の前に立ち話しかける。
「六川ー開けてくれー稲崎れいい・・・」
自分の名前を言い切る前にウィーンと五重の壁になっていた壁が開いた。
「・・・・”六川”じゃなくて”柴桜”名前で呼んでっていつも言ってる」
なぜか柴桜は俺に好意を持っているらしく、今までに告られた回数5回ほどだ。
柴桜は髪が長く、昔、よほどの恐怖にあったのか色素が抜け落ち綺麗な白銀色の髪をしている。身長は俺より頭が二つ分小さく中学生と間違えそうな身長で体型も・・・っと寒気がしたのでよそう・・・。ほとんど外に出ないので肌は病的に白い。
そして柴桜は順位六位、普通は戦闘力で順位が決まるのだが情報・・・ハッキング、クラッキング、コンピューターやネットワーク上の情報隠蔽、そこから飛び出し銃火器の改造製造ができることに加えそのスピードが尋常じゃないほどに早い。
その代り格闘術ができず動き回る体力がほとんどない。当たり前だほとんど動かずにできることなんだからな・・・。
「・・・・今日はこれでしょ?」
そうやって見せてきたのが俺が預けて整備を頼んでおいた俺の拳銃FNブローニング・ワイパーだ。
使える弾は9x19mmパラベラム弾。
装弾数は標準弾倉で13発、延長弾倉で20発。
作動方法はシングルアクション・・・ハンマー(など)を手動で起こし発砲準備位置まで移動させトリガー(引き金)を引き発砲する方法と
ショートリコイル・・・弾丸を撃った反動(作用・反作用の法則)でスライドが後退し再びハンマーが起き撃てるようになるというもの。
俺は銃を受け取ろうと銃に手を伸ばすが俺の銃を持っている柴桜の手が引っ込んでしまった。
「どうした?」
柴桜は少し不満げな顔をしていた・・・。
「・・・・お礼もかねて何かやりたいことは?」
言いたいことじゃないのか・・・。
俺は手を柴桜の頭に乗せ撫でる。
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
すっごく不満げで嬉しそうな顔をしていた。
「もういいか?」
「・・・・何か違うけど・・・ホントは・・・まぁ、いい。はい、どうぞ」
俺は拳銃を受け取り腰のホルスターに突っ込む。
やっぱり腰に相棒がいると落ち着くな。
今まで家にあった予備を使ってたからな・・・。
「でも、柴桜はなんで82位の俺の銃をメンテしてくれるんだ?」
「・・・・それは零一だからってのもあるけど一応ほんとの順位はないでしょ?零一は順位なしの零番なんだから」
俺は苦笑いをして「そうだな」と返しておく。
ISDOは100から1番まであるその中で1番より上、0番が3人いるのだがその中の一人が俺だ。
0番はISDO全員の指揮が取れる事実上のトップだ。
「そういえばキーホルダー式の発信器って作ってたよな?」
「・・・・うん作ってあるけど?カメラが付いてるけどいるの?」
それなら好都合だ。
「少し心配な奴がいてな、ISDOが隠蔽した情報にまでたどり着いていたから心配でな」
すると柴桜は目を鋭くして見透かされているような感じに襲われる。
「女絡み?私というものがありながら?しかも覗くつもり?」
黒い・・・どす黒いオーラが出てる出てる。こわっ!
若干冷や汗をかき背筋に冷たいものが走っている。
「ち、違うって。見張るのは柴桜だ。俺は情報がもらえればいい。襲われていたら連絡してくれ奴ら・・・DSSも嗅ぎまわれていることが知られたら面白くないだろうしな」
すっと黒いオーラは引っ込んだ。あー心臓に悪い・・・。
「・・・・じゃぁ、防犯もかねてカメラ、録音、録画、電話機能付きの発信器にしとくね」
「なんでそんなに高性能なんだよ・・・」
「・・・・暇な時に作ってたらこうなった」
「・・・ん?なんか本音混ざんなかったか?」
大丈夫、大丈夫だ。俺は聞こえてないぞ!
若干危機感は感じているが気のせいだ!
「・・・・ちゃんと渡してね。ついでに泊まってっても・・・」
「・・・いや、俺は帰るよ。何かあったらまた連絡する。じゃぁな」
柴桜は軽く手を振ってパソコンに向き直って仕事をやり始めた。
俺は扉を出てきた道を戻り時間はもうすでに9時を回っている。
俺は帰宅時間がかなり遅くなることがわかるとため息を一つついた。
▼ ▼
俺はいつもの朝・・・・を迎えれてなかった。
「はいどうぞ稲崎君」
なぜか・・・赤瀬がいるのだ。
―一時間半前―
ピーンポーン
と俺の家のチャイムが押されたのだ。
時間を見ると俺が起きる時間8:00の一時間前7:00に鳴ったのだ。
俺は週に2回は遅刻する決まり(俺が決めた)なので今日がその二回目の日にしようと決め、このチャイムを無視しようとこの二つを決めた瞬間にまたチャイムが鳴らされた。
この調子だと何回も押される感じがするので寝ぼけた頭でインターホンに出て確認もせず扉から出ると・・・・赤瀬がいた。おかげで眠気が吹っ飛んだよ。
そして今に至る。
「なんで俺の家知ってんだ?」
口に入れたものを飲み込んでから質問する。
リビングで成り行きで赤瀬が朝飯を作ってくれてそれを今食っている。
「あぁ、それはですね。稲崎君と別れた後尾行してたんですよ」
とにこにこと当たり前と言って答えるので何も言えない・・・。
「尾行した後は?」
「家がわかったのですぐに家に帰りましたよ」
これで少し肩の荷が下りたな・・・。ISDOの本部が知られてたら(まずありえないのだが)最悪殺さなくてはならなかった。
「で?訪ねてた理由は?」
「え?なんとなく?」
にこにこと笑ってるが何を考えているかさっぱりだ。あいにく俺は読心術はできない。
「赤瀬、学校はどうした?」
「休んだ。稲崎君が行くなら行くよ?」
「だめだ。それなら今日はいけないじゃねーか。少なくとも同じ時間に登校したり少し時間ずらしても変に勘のいい奴だと勘違いして変な噂流されかねないしな」
何故か赤瀬はキョトンとして急に笑い出した。
「あはははははは、考えすぎだと思うよ?」
「職ぎょ・・・そのぐらいでちょうどいいんだよ」
職業柄って言ってたら問い詰められてたな。しかもあの情報収集能力だ気づかれる恐れがある。
「もういいだろ。ごちそうさん。用が済んだら帰ってくれ。やることがあるからなっとその前に」
俺は柴桜からもらったキーホルダー(発信器)を渡す。
「これは?」
「あぁ、姉貴がな外国から送ってきたんだが俺にこんな女子向けのものを送ってきやがってな。捨てるのもなんだからやるよ」
「ありがとう。ケータイのストラップだし付けとくね。じゃぁ、また逢いましょう」
そう言って出て行った。
俺は食ったもんを台所に持っていき皿洗い。それが終わったら洗濯と家事をこなし寝た。
▼ ▼
俺は起きると夜の7時あたりだった。
昼飯を抜いたので冷蔵庫を見ると空。冷凍庫も空。野菜室も空。何も入ってない。
「コンビに行くか・・・」
俺は家を出て暗い道を歩いているとかろうじてだが赤瀬が走っているのを見た。
その瞬間俺の携帯が鳴りだした。
『零一!彼女が襲われてる!今通りすぎたの見えなかった!?一回撃たれたけど弾は当たってない、けど冷静さが無くなってきているみたい』
俺は襲われているあたりから走っていた。
結構足が速いのかなかなか追いつけない。
柴桜にナビゲートしてもらいながらやっと追いついた。
「ひっ・・・」
かなりおびえている。
「大丈夫か赤瀬。しっかりしろ」
「あぁ、に、にげ・・・あいつが・・・きちゃ・・うから」
「落ち着け!」
銃を持ってても一般人はどうしてもこうなってしまうことが多い。
ふと微かに濁ったような発砲音が聞こえると
「いづ!?」
赤瀬は胸を押さえ蹲ってしまい呼吸が荒くなる。肋骨は絶対に折れているだろう。
気絶しなかったからよかった。
「誰だ?」
俺は腰にさしてあるFNブローニング・ワイパーを抜き、発砲した主の方向にすぐさま撃つ。
「ほう、私の場所がわかるとはな。貴様はISDOの一人か?」
「それならお前はDSRか?」
「いかにも。そこの小娘は私たちDSSをこそこそと嗅ぎまわってたからな」
くそ・・・だから注意したんだ。
「まぁ、私たちのことを調べるだけの能力があるのでなスカウトの名目があるのだがね」
なるほどね。確かに俺達、ISDOが隠蔽した事件を調べられれるだけの力を持っていたら欲しいよな。
「確かに欲しい人材ではあるな。で?お前はどうする?逃げるのか?」
奴は俺に銃を向け返答の代わりに発砲してきた。
俺はそれを見て弾丸を躱す。
この場の空気が微かにだが変わった。
二回の発砲音が鳴り響く。
また躱す。
「まさか、お前は弾丸が見えているのか」
「どうだろうな」
銃がだめならと考えたのだろうこちらに向かってきた。俺も奴に向かって走っていき奴は右手で俺を殴ろうとし俺は右手で受け止める。
俺はすぐさま俺は右に回り左の肘で奴の顔を殴る。
奴はよろめいたものの右拳が開かれつつ手首が捻られ俺の手首を掴まれ壁に向けて投げ飛ばされる。
「・・・・お前の順位は何だ」
「ゲホッ・・・順位制度を知っていたか。どこから漏れたんだ?」
こりゃ誰か洗い出さないとな。
「今、手を抜いてるから82位だよ」
「何位まであるのか知らないが・・・お前には瀕死にしてでも連れて行かなくてはな」
「ありがたくねー・・な!」
俺は飛び出し左拳が俺の顔に飛んできたことを見てしゃがんで躱す。そして右拳で奴の顎を打ち上げるようにして放つ俺は一歩引き今度は側頭部に蹴りを入れる。
俺は奴に向けて五発発砲防弾服を着ているはずだから死んではいないはず。
俺は念のため脈を測る。
「・・・・死んでるな。殺すほどの一撃は放ってないはずだけどな」
俺は柴桜に電話をかける。
『・・・・もしもし。零一?終わったの?』
「あぁ、死体が一つあるから処理の要請と一人被害者がいるから保護するわ」
「・・・・了解。何かお礼してね」
「わかったよ」
こんな状況なのになっと苦笑いをしながら返す。
俺は電話を切ると赤瀬に向き直る。
「だから言っただろ。調べるなって」
今にも意識を失いそうだな。
「あ・・・あぅ」
やっぱり何も言えない・・・か。
俺は赤瀬を適当な場所に運び救急車を呼んだ。
テスト週間に入りますので更新はテストが終わって一週間以内です。
どうもすみません。感想、評価お待ちしております。では。