ちょうちょむすび
きれいに結ぶの苦手。
ひろい背翅と長い尾翅を
おおきく綺麗にむすべたら
リボンや靴紐のちょうちょは
喜んでくれるだろうか
せっかくむすんだ おおきく綺麗な翅で
空を気ままに飛んでみたいと いくら望んだって
それは叶わぬ願い
ちょうちょむすびがその翅を得るときは
どこかに縛られてしまっているときだから
むすびめをといて
自由になろうと思いたったはいいが
縛りをほどくとともに
せっかくの翅をも失ってしまうのだよ
あぁ なんて残酷なはなしだ
いくらおおきく綺麗な翅をむすんでも
どこへも飛んでゆけはしないちょうちょむすび
ひとつむすぶたびに またひとつ
かなしい宿命を背負った
ちょうちょがうまれるのだと思うと
むすびめをつくる指のなんと罪深いことだろう
ねじれちゃう。