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世界情勢エッセイ

欧州議会選挙では“自国第一主義”が躍進! EUの変化が日本にもたらす影響とは?

作者: 中将

筆者:

 本日は当エッセイを選んでいただき誠に光栄です。


 今回は欧州議会選挙の結果とその影響について個人的な考察を行っていこうと思います。



質問者:

 そもそも欧州議会って各国の議会とどう違いがあるんですか?



◇EUの大きな方針を決める欧州議会



筆者:

 欧州議会においては欧州委員会(各国の政府が選出)が提出した共通の法案に対して議決をすることが出来る機関です。


 ただの指針というものもありますが、EUに所属しているすべての国に対して拘束力がある「規則」と呼ばれるものを制定することが出来るために影響力があります。


「規則」として有名なところでは「一般政府の財政赤字を対GDP比3%以内、債務残高を対GDP比60%以内とすること」を定めた経済収斂基準があることです。


(ちなみに、これのせいで日本も財政健全化しろという財政規律の圧力があるがEUはユーロと言う単一通貨の維持のための施策です。日本は独自の通貨発行権があり年100%のハイパーインフレもないために問題は無いです)



質問者:

 なるほど、国家を超える共通の規則を制定できるならEUに大きな権限がある機関なんですね……。


 どのように選出されるんですか?



筆者:

 人口によって議席が割り振られており、各国の有権者がそれぞれその議席に応じた人数を投票によって選ぶことが可能です。現在の定数は720、任期は5年です。

 人口と経済力のあるドイツやフランスの影響力は大きい状況になっています。


 母数が非常に大きいことや、色々な国の思惑があるために中程度の派閥が乱立しており、多数決に関しては“大連立”と言った形をとることが多いようです。



◇何が変わって何が変わらないか



質問者:

 選挙結果としてはどのような感じになったんですか?



筆者:

 いわゆる新聞などのメディアでは「極右」と言う勢力が大きく伸ばしたものの

 ウクライナ支援などを行う「中道勢力」も過半数を維持できたという状況のようです。


 ウクライナ支援に関してはアメリカが支援を辞めるまで続ける方向性は変わらないでしょう。



質問者:

 「極右」ってよくテレビなどでは言われていますけど一体どんな人たちなんですか……?



筆者:

 主に「自国第一主義」を掲げている政党です。

 移民政策や環境対策に対して疑問を呈している政党が多いですね。


 ただ、これはかなり偏見に満ちている「表現方法」だと思うんですよね。

 

 各国の「極右」と言われている政党の得票率なのですが、


 イタリアのメロー二政権の中核をなす「イタリアの同胞」得票率は29%で国内トップ(全体では前回より議席4増加の73議席)


 ドイツの「ドイツのための選択肢(AfD)」は国内得票率15.9%で今回国内第2位(15議席)。


 フランスの「国民連合(RN)」などが所属する「アイデンティティと民主主義(ID)」はフランスで第1位に初めてなりました。(全体では9議席増の58議席、マクロン氏の欧州刷新フランス国内では15%、全体では23減の79議席)


 オランダの自由党は国内得票率25.7%で僅差ではあるものの国内1位でした。


 これだけ存在感があるにもかかわらず「極右」と「極端な異常な思考の持ち主」と思われるような表現は非常に問題であると僕は思いますね。


 欧州で「極右」というと「ナチスの残党」みたいな意味合いもあるので非常に問題だと思うのですが、そのような発想の政党は少ないと僕は分析しています。

(せいぜいafdぐらいでしょう。便宜上とりあえずは「極右」と書いておきますが)

 


質問者:

 こんなにEUの主要国で力を持ち始めているのに「極端な考え」っていうのはちょっと偏向報道のような気がしますね……。



筆者:

 今回の欧州議会選挙前から欧州各地で頻発した生産者によるデモを受けて、共通農業政策における環境要件の緩和措置が導入されるなど、環境規制でブレーキが踏まれる格好となっています。


 移民問題に関しても自分が納めた税金を他国の人に使ってほしくない(しかも治安を悪化、文化の破壊)、という事から反発が強く共通の要綱は変わっていないものの、


 フランスでは国籍取得要件を厳しくし、ドイツやイタリア、スウェーデンでは強制送還をしやすくする法案が成立するなど各国で対策が強化されています。


 「極右」の皆さんの頑張りがEUの政策に変化を生じさせるだけの力があると言えると思います。


  

質問者:

 なるほど、選挙前からそういった方針転換が見られるというのは良いことですね。



筆者:

 中道の主流派が一定の妥協をしたためか、事前の世論調査よりは議席数が減らなかったという要素もあるかもしれませんね。


 代わりに「左派」と呼ばれる環境対策強化、移民を比較的容認する勢力は削られましたから民意が反映されていると言えると思います。



◇日本にどのような影響を与えるのか



質問者:

 この欧州議会選挙は日本にどのような影響があるのでしょうか?



筆者:

 まず、ここまでで考慮されていないことについてですが、

「極右」と言われている勢力も一枚岩では無いのです。


 欧州議会の派閥である「アイデンティティと民主主義」から「ドイツのための選択肢」はナチス親衛隊を擁護したとされて追放されたこともありました。


 またその他にも「新規無所属」とされているどこの派閥にも属さない「極右」と思われる政党が合計で40議席ほどもあるのです。


 このように、個々の国の「自国第一主義」のために一つにまとまらないと言った性質が今後も強まることが予想されます。

 政策が一致するところで共闘すると言った形になるでしょう。



質問者:

 確かに個人主義的な人は個性が強すぎる印象がありますからね……。国でも同様という事ですか……。



筆者;

 今後もEUにいるためにEUの規則には縛られつつも(EUの権益を受け取りたいために)、一方で独自戦略を取る国と言うのは増えていくことが予想されます。


 良いところをなるべく残し、悪いところを軽減するといった戦略でしょうね。



質問者:

 上のような状況を踏まえるといったいどういう事が日本に影響があるのでしょうか?



筆者:

 ”自国第一主義”は世界に広がっていると言えます。

 「アルゼンチンのトランプ」と呼ばれるミレイ大統領が誕生したりしています。


 また、中国やロシアと言う国はそもそも国の体制が違いますが「自国第一主義」だと思いますので、こういった「世界と強調するより自国優先」と言う国は増えるでしょう。


 一方で日本においては今のところアメリカか中国のどちらかに隷属、又はどちらにもに隷属しているようにしか見えない政治家ばかりが蔓延っているように思えるんですね。


 中国に関しては太陽光パネルや尖閣問題に強く言えないこと。

 アメリカに関してはLGBT法案や農業を保護しない政策などです。



質問者:

 ホント、どこ向いて政策決めているんだという感じがしますね……。



筆者:

 長年の付き合いや安全保障上の観点から完全に外交上の断絶はできないと思うのですが、いくら何でもバランス感覚が無さすぎ、譲歩しすぎのように思えます。



質問者:

 世界の各国が自分の利益を最大化しようとしている中で日本だけが譲歩しっぱなし、お金あげっぱなしと言う感じは確かにしますね……。



筆者:

 自国民のために他国民を犠牲にしてもよいという考え方は問題だと思いますけど、

 他国のために自国民を犠牲にする日本はもっと酷い話だと思うんですよね。


 日本も日本国民の経済や国民の心がどうやったら豊かになるかについて真摯に政治家の方々は考えて欲しいと思います。

 今の日本の政治家は海外の「草刈り場」にさせているだけに思えてしまいますね。



質問者:

 今も日本は先進国から転落しつつあると思うんですけど、いよいよ「後進国」になるまで「他国にお金を上げる状態」は終わらないのかもしれませんね……。



筆者:

 そうですね。GDPランクも100位とかになり、日本から吸い上げる権益も何もかも無くなって「真の焼け野原」になるまでこれが続くかもしれません。


 何とかそれを避ける又は軽減するためにこれからも日本人が声を上げ続けることが大事だという事を発信をしていこうと思います。


 主に外交面においては国連での旧敵国条項の削除、

 国内内政においては逆進性のある消費税、社会保険料の削減と是正、農業生産力、資源生産能力の向上ですね。


 という事でここまでご覧いただきありがとうございました。


 今回は欧州議会選挙で各国がいわゆる「極右」と呼ばれる自国第一主義が勢力を伸ばし、これは世界中に広がっているという事。

 日本は自国第一主義の「草刈り場」となってしまう可能性が高く、日本人が声を上げ続けて政治家を目覚めさせることが重要だという事をお伝えさせていただきました。


 今後もこのような政治経済、マスコミの問題について個人的な解説を行っていきますのでどうぞご覧ください。

 フランスでは欧州議会選挙での大敗を受けて残り任期2年を残した“奇襲解散”に踏み切りました。

 「民意を問う」とのことのようですが他の政党が選挙の用意が出来ていない状況であることも確かなようで、一定の数・力は保持できると言われています。


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