表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
12/12

第十二話 日常

 そんな中、ぱかっという音がした。


(これは終わったの?)


 そんなことを考えていると、光が見えた。その目の前にいたのは、警察官の人だった。見ると、雄二が手錠をかけられていた。


「もう大丈夫だよ。もう、きみは自由だ」

「本当に?」


 目から涙が出てくる。


「ああ、本当だ。つらかったね」


 そうぃつて、女性の警察官が頭をなでてくれる。私はその場で大号泣した。

 その裏で隣のトランクからお姉ちゃんが解放された。お姉ちゃん死んだ目をしている。それを見ると私一人泣いているのが恥ずかしくなった。だけど、涙は止められなかった。


「お、ねえ、ちゃん。私たち助かったんだよ」

「……」


 お姉ちゃんは何も発さない。一言も。

 やっぱり自由になったからと言って、精神が回復するなんていうのは所詮ただの希望的観測だったのか。

 今すぐお姉ちゃんに抱き着きたい。だけど、私の体にまだまとわりついている拘束具がそれを許してはくれなかった。


 ……お姉ちゃん。私の大好きなお姉ちゃん。お姉ちゃんが本当の意味で自由になることはあるのだろうか。それどころか、私も本当の自由を得ることが出来るのだろうか……そう考えると不安になる。涙がさらに止まらなくなる。だけど、私は……私たちは……自由にならなきゃならない。


「優香。優香なの?」


 そこに一人の女性が入ってきた。まさしく私のお母さんそのものだ・


「優香!!!」


 とぎゅっと抱きしめられた・


「ずっと怖かった。優香が死んでたらどうしようって、私の責任かもしれないって。だから今優香に会えて本当にうれしい。……つらかったよね、優香」

「うん……つらかった」

「本当、本当、良かった」

「うん」


 そしてお腹が鳴ったので、おにぎりを食べさせてもらった。よく考えたら20時間くらいご飯を食べていなかった。


 そしてちらっとお姉ちゃんの方を見る。相変わらず目が死んでいた。お姉ちゃんのお母さんもいるようだけど、彼女はお姉ちゃんの変わり果てた姿に半分絶望しながらぎゅっと抱きしめていた。だが、お姉ちゃんはそれにも感情が動いてなかった。


「お姉ちゃん、笑っていいんだよ? もうあんな地獄じゃないんだからね」


 そう小さく呟いた。


 それからしばらくして手枷足枷が外されることになった。雄二のカバンから鍵が見つかったらしい。

 そのカギで手足の拘束がゆっくりと外される。

 そしてあっという間に私の手足に絡みついていた拘束具が外され、私の手足は自由になった。

 腕はまだ自由という感触に慣れ切れていないのだろうか、あまり動かせない。

 だけど、軽く手を前にしたりなどは出来る。


 そしてすぐにそうだ! と思い向こうを見る。もちろんお姉ちゃんの方だ。そこを見ると、お姉ちゃんが拘束具を外されていた。お姉ちゃんは自分の手を見て、感慨深そうにしていたが、それだけだった。

 それから、二週間ほどの休みがあり、その後学校へと向かった。


 そう言えばお姉ちゃんが言ってたな、学校のヒーローになれるかもしれないって。

 ちなみにお姉ちゃんとはメール交換しただけであれから連絡は取れていない。どうやら引きこもりになったらしい。


「あ、優香ちゃん!!!」


 すぐに私の友達が声をかけてきた。名前は清水明日香と言って会うのは実に二か月ぶりとなる。


「優香ちゃん大丈夫だった?」

「大丈夫ではなかったよ。怖かったよ」

「そう、でもよかった。無事でいてくれて」

「うん!」


 そして私は監禁生活の話をした。周りの子(男女問わず)が興味ぶかい感じで聞いてて本当に気持ちがいい。

 こうして日常に戻るんだろうな、と思った。


お姉ちゃんが日常に戻れてないこと以外はほとんど解決しましたね。

今のところこれで終わりですが、恐らく続編出すと思うので楽しみにしてください。(このままだとお姉ちゃんが救われないので)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ