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毒の魔法で華麗な日常を!!  作者: うなぎ大どじょう
第一章 死を育む樹海の中で
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44 剣を抜け、拳を握れ

「いいぜ! 戦おう!」


「ちょっとヒッタイトさん何言ってるんですか!?」


 蟲たちの決闘の誘いに、なんとヒッタイトは間髪入れずに即答した。

 彼女はニッコニコの笑顔である。きっと、樹海に入ってから一度も戦えていなかったために、少なからず欲求不満(フラストレーション)だったのだろう。


 そして、ここぞとばかりに降りかかってきた決闘の申し出である。

 申し出てきたのは相手の方なので、『樹海(もり)の主』との友好とか何やらかんやらを気にする必要もない。


 存分に戦えるというわけだ。


 いつの時代でも、生物の最終手段は暴力(ぶんなぐり)

 それと同時に、最良の相互理解(あくしゅ)はいつも拳のその先にあるモノなのである。


 ……一応断っておくが、これはヒッタイトたち脳筋の思考である。決してこの世界が世紀末の渦中にあるわけではない。……決して。


「ただ、一対一かつ、対戦の組み合わせはこちらで指定させてくれないか?」


「勿論。好きにしてもらって構わないよ」


 そして、そうと決まれば後は早い。あれよあれよと細部の擦り合わせが終わり……。


「……じゃ、この組み合わせでいいか?」


 あっという間に決闘の準備が整ってしまった。


「コマチはまだB(ランク)なりたて、ソバはそもそも索敵役で戦闘には向いてないからな。あたしと笠松、そして茶太郎が出る」


 と、いうことで決定した決闘の組み合わせはこうだ。


 『無双の女傑・ヒッタイト』対『傀儡(ゴーレム)使いの百足』。


 『無言の剣士・笠松』対『全属性(にじいろ)魔法使い・蜘蛛』。


 『二尾の妖狐・茶太郎』対『白鱗(びゃくりん)の蛇』。


 至ってシンプル。百鬼夜行(ゴーストパーティー)の最高戦力三人をぶつけるというわけだ。


「……私の(つるぎ)の抜きどころか」


「ふん、中々に面白そうな余興じゃな」


 そして案外、笠松と茶太郎もこの決闘に乗り気のようである。ヒッタイトと旅路を共にしている時点で薄々察してはいたが、やはり彼らにも脳筋の()があるのだろうか。


「ウジョォ〜、一丁(いっちょ)やるか!」


「新しい魔法を試すいい機会だね」


「ふふふ、私の(むち)は痛いわよ?」


 そして、それぞれ魔力をたぎらせる蟲たち。


 わりと世界を揺るがしかねない世紀の対決が、世界の片隅、この死の樹海にて始まろうとしていた。

うわぁ〜脳筋だぁ〜。


コマチはまだB級に上がりたてです。それでもすごいんですけどね。

冒険者の(ランク)は『D→C→B→A→S』というふうに昇格していきます。実は、大体がC級で打ち止めという厳しい世界なのです。

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