14 土下座をしたのか
本日二話目の投稿です。
それからも百足による戦杖作りは続いた。
一つ工程を経るごとに、まとう雰囲気を増していく戦杖。これは間違いなく相当の業物に仕上がる、そう肌で感じられる。
百足も少女も、内心ずっとワクワクが止まらなかった。
蜘蛛が採ってきてくれた果物をかじって昼食を取ったのち、ついに最後の工程、戦杖の柄の作成に入る。
柄は武器の使用者が握り込む部分。大切な部位だ。
そして、滑り止めも兼ねてこの柄に巻きつけるのが……。
そう、白蛇の脱け殻である。
実はあの後、百足が百足流の土下座を披露して、なんとか蛇に使用の許可を貰っていたのだ。
ぐるぐると角に脱け殻を巻き付け、そして柄の先端に魔石をはめ込めば……。
ついに、少女の戦杖の完成である。
「おお~、できた!」
少女はできあがったばかりの戦杖を握って目をキラキラさせている。嬉しそうだ。百足も誇らしげである。
「ウジョウジョ!」
「え? 名前?」
百足は、戦杖に名前をつけてはどうかと言っているようだ。そう、業物には往々にして偉大な名がつけられているものである。
「名前かぁ……」
迷う少女。これから長い年月をともに闘う、この世に一つしかない大切な戦杖だ。迷って当然である。
「シュ~!」
「カキュカキュ」
「ウジョウジョ!」
迷いに迷う少女を見かねて、蜘蛛、百足、蛇も命名会議に加わってきた。
「カキュ」
「それかっこいいかも」
「ウジョ!」
「シュ〜」
「なるほど、それもありかも」
はたして、一体どのような名前が戦杖につけられるのだろうか。
期待して待とう。
この小説を面白いと感じていただけたら、ポイントを入れていってくださると嬉しいです。
未だに思いつかない、戦杖の名前を考えるための糧になります。よろしくおねがいします。