表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
毒の魔法で華麗な日常を!!  作者: うなぎ大どじょう
第一章 死を育む樹海の中で
11/160

11 乙女と下着と鉄拳制裁

「ウジョウジョ」


「あ、これって……」


 蜘蛛が持ち出してきた、杖にぴったりな素材。それは少女の腕ほどの長さをした、立派な二本の角だった。

 そう、これは少女が昨日(さくじつ)仕留めたブランチホーンディアの双角である。


 以前、仕留めたバーバリアルボアを、少女が肉のみならず、骨まで平らげてしまったのを見た。獲物は骨の髄まで余さず活用するという、少女たちの考えが表れた行動だった。


 少女の手元にディアの角が残っているのも同じ理屈。

 少女の魔法によってディアの身体の大半は消し飛んでしまったが、頭部は無事に残っていた。そのため、使い道が見いだされるその時まで、少女たちが保管していたのだ。


 そして時はきた。これからこの角は、少女の戦杖へと生まれ変わる。

 自分を討ちとった強者(しかも可愛い少女である)の武器になれるのだ。天国のディア君も、きっとにっこり笑顔だろう。






 少女の戦杖へと生まれ変わる、名誉な素材たちを紹介しよう。


 その一、主役となるブランチホーンディアの角!

 その二、魔法の触媒である魔石!

 その三、白蛇の脱け殻!


 以上三つである。


 ちなみに魔石というのは、魔獣の体内で結晶化した魔力の塊のこと。体内に魔力が飽和したときに生まれるらしい。

 そのため、大量の魔力を扱える強い魔獣からよく発見される。






 そして、百足が素材の紹介を終えたその時――


「シャァァー!!」


 ドガァッッ!!


「ウジョォァ!!」


 なんと、百足に向かって蛇が()()かかったのだ!


 百足に向かって振り下ろされる、魔法で生み出された光の拳。さらに蛇自身も肉弾戦を仕掛け、尻尾をつかった往復ビンタを繰り出している。


 その様子にあっけにとられる少女と蜘蛛。


「なにあれ」


「カキュ……」


 どうやら蛇は『どうしてわたしの脱け殻を使おうとしてるんだ!』と怒っているらしい。

 それもそのはず、彼女たちにとって脱け殻というのは、使い古して捨てた下着のようなものなのだから。


 百足が彼女の脱け殻を使おうとしているのは、白蛇のそれには触媒としての高い価値があるからなのだが……。

 さすがに、本人に断らずに使ってしまうのはいただけない。


 鉄拳制裁やむなしである。

もしこの小説をおもしろいと感じていただけましたら、作者への餌やりのような感覚で、ポイントを入れていってくださると嬉しいです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ