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毒の魔法で華麗な日常を!!  作者: うなぎ大どじょう
第一章 死を育む樹海の中で
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10 少女の殴り合い計画

 ザァーーッ、ザァーーーッ。


 一夜が経ち、日を(また)いでも、雨はまだ止む気配を見せない。

 しかし今日の少女は、昨日とは違ってとっても上機嫌。なぜなら、今日は少女の武器を作る日だからだ。






 昨日の百足によるゴーレム演舞の演目の中で、少女の心に一番残ったのは、多数のゴーレムたちによる大乱闘だった。

 狩りでは遠距離・中距離からの魔法攻撃を主体にして闘っている少女の目には、生の近接戦闘は新鮮に映ったのだろう。


 そこで、少女はこんなことを言い出した。


「わたしも殴りあいしたい!」


 こんなふうに目新しいものに強く興味をひかれるあたり、少女にも、年相応に子供らしい一面は確かに存在しているのだと感じさせられる。

 狩りではいつも冷静沈着に毒を獲物に撃ち込んでいる彼女も、たまにはこうしてわがままを言うのだ。


 まあ、今回のは十代の少女から出ているとは思えない物騒な発言だが、これを聞いた百足が、


「ウジョウジョジョ!」


と、とても乗り気になってしまった。


 ……その心は。

 自分の作った武器を、少女に使ってほしいだけである。






 そんなこんなで、どうせ雨ですることもないからと、今日一日を少女の武器づくりに費やすことが決まった。


 作る武器の種類はというと……。


 ずばり、戦杖(せんじょう)である。

 そう、まさかの(つえ)。近接戦闘に杖を持ち出してくる者はあまり見ない気がするが……。


 これを提案した百足によれば、少女に戦杖がマッチしている理由は二つあるらしい。


 一つ、魔獣の()()で作った杖は、魔法の出力を底上げしてくれるから。


 そもそも、なぜ魔術師は杖を携帯しているのか。それは、杖に組み込まれた魔獣の素材や魔石――つまり触媒が魔法の発動を補助し、さらにその出力を補強してくれるからだ。

 ブランチホーンディアの双角のようなものである。


 そうつまり、魔法を得意とする少女と、魔法の底上げができる杖との相性はばっちりなのだ。


 人間には、魔法と剣術を織り交ぜて闘う魔法剣士なる者たちがいるそうだが、少女の戦闘スタイルはそれに近いものになるだろう。

 近接戦闘に魔法を持ち込むことは、単純に手数が増えることに繋がるので、結果非常に有利にはたらく。






 そしてもう一つの理由。

 その杖にぴったりな素材がちょうど手元にあるから。

第十話目というこの節目に、あらためて読者のみなさんに感謝です〜。三日坊主回避を成し遂げることができました!!

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