ep64 サイクロプスの瞳
無事サイクロプスを倒したエクス。
「カミ、、ナリ、、?!」
スカイはチカチカする目を抑える。
騎士団長も目を抑えながら呟いた。
「魔法?なのか?」
これは雷を魔法で発生させる者が居なかった為の疑問であった。
魔法で完結するこの世界では電気の概念はない。
魔力を使い雷を発生させた者が居たとしても
避雷針となった自分が感電し絶命してきた為
世に知れ渡る事も無かったのである。
『ニャ~。バリバリは嫌いニャ〜。』
逆立った毛を必死にグルーミングするシロガネ。
「ゴメン。シロガネ。
帯電まで考えていなかったよ。」
エクスはシロガネに溜まった静電気を空中に飛散させた。
『ニャ?ザワザワが消えたニャ?
ありがとニャ。』
「僕の魔法でなったんだから当たり前だよ。
それよりサイクロプスに弾かれたの大丈夫だった?」
体の大きさを戻したシロガネはエクスに飛び乗った。
『本当は痛かったニャ
でも頑張ったニャ。
撫でてほしいニャ。』
シロガネはエクスの頬に顔を当てた。
エクスは小さな手をいっぱいに広げ
頑張ったシロガネを包み込むように撫でる。
「ゴロゴロ、、」
シロガネは嬉しそうに喉を鳴らした。
『まだまだ行けるニャ。先に進むかニャ?』
「う〜ん。僕達が良くても皆んなは限界だからね。
今日はここ迄かな。」
『ニャ〜残念だニャ〜。』
残念がるシロガネ。
「エクス殿。先程の雷は魔法なのですか?
そんな属性は聞いたことが無いのだが、、。」
騎士団長は困惑していた。
「先程の雷は魔法ですよ。
属性は、、強いて言うなら電気?
ん〜雷で良いのかな?」
地球での記憶が有るエクスにとって
電気属性の命名は「何か違う」と思い
ちょっとカッコいい雷属性としたのであった。
「雷属性か!何かカッコいいな!」
「うん!凄く光ったし、音も凄かった!」
ルードやスカイは目を輝かせてはしゃいだ。
実際は光や音は戦闘の中では無い方が良いのだが、
雷の特性上仕方がなく派手な魔法として納得するエクスであった。
ドロップアイテムを確認しエクス達は
ダンジョンを出る事にした。
光る岩を触り、ダンジョンの入口へと跳ぶ。
閉鎖されたダンジョンから見慣れた森の景色を確認したスカイは
安堵の表情を浮かべる。
「戻ってこれた〜。」
へたり込むスカイ。
それを見た騎士団長やルードも顔が緩んだ。
「団長!」
警備をする騎士団員が駆け寄ってくる。
「ご無事でしたか。
子供達と4人でダンジョンに入ったと聞いた団員達が
代わる代わる様子を見に来ていたんですよ。」
「すまない。心配をかけたな。」
「いえ。しかし流石は団長。
子供達を守ってご帰還されるとは。
3層位迄は行かれたのですか?」
「ハァ〜。」
騎士団長は深くため息をついた。
「10階層まで行ってきた。
それにどちらかと言えば、
守られていたのは私の方だ。」
「10階層!
、、、え?守られて?
あぁ成る程。団長は神に守られておりますから。
でもあのデスカマドを倒されたのですか?!信じられない!」
「ハァ〜。」
もう1度深いため息をつく。
「スカイ殿とルード殿。
5階層迄は2人が戦い、デスカマドとも途中まで善戦していた。
ヤツが危険な行動をとりそうになり
エクス殿がとどめを刺したのだ。
そこから9層までは私も戦闘に参加したが、
敵の強さに精も魂も尽き、
10階層はボスも含めてエクス殿とシロガネ譲が倒したのだ。
私はエクス殿とシロガネ譲に、守られて生還したのだよ。」
「団長がこの子と猫に守られたとか、冗談が過ぎますよ。
ボスもスライムとかゴブリン位だったとか。
そんなオチなんじゃないんですか?」
「エクス殿。ドロップアイテムで何か証明出来る物は有りませんか?」
「・・・分かりました。
これでどうでしょう?」
エクスはアイテムバックからオークキングの大剣と
サイクロプスの瞳と言うアイテムを取り出した。
「何ですか?このデカい大剣とお面みたいなモノは、、、。」
「この大剣はボスのオークキングからドロップした大剣だ。
そしてこのお面の様なモノは、、」
エクスは鑑定で見た内容を説明する。
「サイクロプスの瞳と言うアイテムです。
サイクロプスの瞳から作られたお面で、
これを着けると視野が300度に広がり、
遠くの物が見えたり温度の違いを見る事ができます。」
「オークキング?サイクロプス?
何を言っているんですか?
伝説や空想の魔物ですよ?!」
「でしたら団員さんにサイクロプスの瞳を体験してもらいましょう。」
「そうだな。それが手っ取り早いか。」
団員はエクスと騎士団長を交互に見る。
意を決した団員はサイクロプスの瞳を装備した。
「うわっ!!」
よろめく団員。
「何だコレは!後ろの方が見える!
気持ち悪い!酔いそうになる!」
「温度を見ようとして下さい。」
「温度?・・・温度、、温度。
!!!
いろんな色が見える!」
「生き物は熱を発しますから、隠れた生物の存在を発見出来るはずです。」
「?!あの木の上に、、、
山リスか?確かに存在が分かる。」
「遠くを見る事も出来ると思います。
組み合わせれば可能性は広がるでしょう。」
「おお!向こうの丘にホーンラビットが居るぞ!
これは凄い!」
「これがサイクロプスの視界です。
信じて貰えますでしょうか?」
「信じ、、るしかないな。
国宝レベルだぞ、これは。」
「納得して貰った所でそれを渡してもらおうか?」
「あっ!騎士団長お面を使ってみたいんでしょ!
じゃぁ俺はその次ね!」
「あ!ルード酷い!僕も使ってみたい!」
3人は代わる代わるサイクロプスの瞳を堪能するのであった。
「う!よ、酔った、、」
「!ルード!汚い!我慢して!
あ゛〜〜〜!」
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