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魂Xの理  作者: to-er
60/67

ep59 保護者?同伴

魔素研究所の仕事としてダンジョンに向かう。





土曜日の明け方。


外壁門の前にスカイとルードはいた。


ワクワクする2人はエクスの到着を首を長くして待っていた。


「エクス遅いなあ。日が登り始めちゃうぜ。」


「エクスが門の前で待ち合わせって言ってたよね?」


「ああ。何でわざわざ門の前で待ち合わせなんだろうな?

寮から一緒で良いと思うんだが。」


そわそわし始める2人の後ろから声が聴こえる。


「おまたせ〜。」


「エクス遅いぞ!」


振り向く2人は一瞬固まった。


「同行させてもらうウィルネスティ・ダイスローブだ。

遅くなってすまんな。今日は宜しくたのむよ。」


「「き、騎士団長?!」」


エクスは騎士団長を連れて来ていたのだ。


呆然とする2人はエクスを見る。


「昨日国王陛下と話しをして来たんだけど、

魔素理論を研究する組織として

当然大人を組織員として入れる事になるでしょ?!

国防の観点からも騎士団との連携は必須事項となるだろうし、

信頼できる騎士団の上の人に

魔素研究の組織の幹部として入ってもらう事で

物事を円滑に進められるって話になったんだ。

そこで陛下が信用されている騎士団長に白羽の矢が立ったわけ。

で、昨日1日かけて魔素理論の説明とか素粒子の存在を知ってもらって、

魔素理論の凄さを知ってもらう為に今日は同伴してもらったんだよ。」


「じゃぁエクスが金曜用事が有るって言ったのは、、、。」


「こうする為だよ。

騎士団もデスカマドの討伐に苦しんでるみたいだったからね。」


「どんだけエクスは先を見てるんだよ

てか言えよ〜。」


「ごめんごめん。

確定事項じゃ無かったし、他言無用って言われてたでしょ?

陛下の御心次第では更に大部隊になるかも知れなかったから

やる気に水を差したくなかったんだ。」


「僕はエクスがダンジョンに行けるのが分かった時に

少し考えてた時点で何かあるって思ったけどね。」


「あ〜あの時か〜。

俺も引っ掛かったんだけど、深く考えなかったなぁ。

何かスカイに負けた気がするよ。」


「まぁまぁ。今日は基本2人に頑張ってもらって、

騎士団長には見ててもらうつもりだからさ。

あまり気にしないで行こう。」


エクス達はダンジョンに向かい、気温が上がり始める頃に辿り着いた。


入口には騎士団員が常駐しており、

ダンジョン周りは綺麗に整地されている。


「ウィルネスティ騎士団長お疲れ様です。」 


「おお、お疲れ様。

連絡が有ったと思うが魔素研究所のメンバーだ。入るぞ。」


「え?団長?団長を合わせて4人ですか?他の護衛は?!

20名以上の騎士団捜索で死傷者が出たじゃないですか!

それを子供3人なんて死にに行くつもりですか?!」


どうやら死者まで出ていたらしい。

20名以上もいたらダンジョンでは隊列が伸びるし

剣を振り回す事も出来ない。

いくら魔道具が有っても隊列の前後数人しか使えず、

味方に当たらぬように縮こまるだけの隊員も居ただろう。


魔法が使えるか使えないかでも雲泥の差が有るのは分かっていたが、

死者まで出るとは想像もしていなかったエクスであった。


「索敵の魔道具は使っていたんですよね?」

エクスは団長に訪ねた。


「ああ。しかし索敵範囲に感知した魔物は

準備する間もなく距離を詰めて来るからな。

身構える前に1人、また1人とやられてしまったのだ。」


納得である。

魔道具は索敵範囲が狭く、しかも常時展開が出来ない。

逃げ場のないダンジョン内では、その遅れが生死に関わるのだ。


「団長!止めたほうが良いですよ!」


騎士団長は団員の肩を叩く。


「この子はエクス・ヴァールハイト男爵殿だ。

このダンジョンを発見し、

1人と従魔一匹でデスカマドをも攻略しているお方だ。

死にに行く訳では無いから安心しろ。」


「え?この子、、御方があの?

しかし屈強なる従魔のお陰で生還出来たと聞いております

その猫では、、、」


「男爵に対し無礼だぞ!

誰だ?そんなデマを吹聴する奴は。

エクス・ヴァールハイト男爵は1人で70ものゴブリンを瞬殺したのだぞ?」


「そうですよ。襲われた私の目の前で

ゴブリンをあっと言う間に倒したのです。

スカイジーネ・ブルーフォレスの名の下に保証します。」


「あ、、、は、はっ!申し訳御座いません。

ご無礼な物言いお許し下さい!」


「謝罪を受け入れます。頭を上げて下さい。

今の話で問題点が分かりました。

魔素研究所で対策は取らせていただきます。

今後は死傷者の数も減る事でしょう」


「エクス殿、何かいい案が?」


「ええ。とりあえず狭いダンジョンで大人数の移動は致命的です。

多くても8名以下でないと剣も振るえません。

索敵に関しては、

常時広範囲索敵を魔道具に落とし込めると思います。

それが出来れば騎士団なら対応出来るでしょう。」


「なるほど。王都近辺にダンジョンが無かった為、

大部隊にしたのが敗因でしたか。

負傷者が多かった為に増員し続けたのも原因の1つなのでしょう。

それと常時広範囲索敵ですか?!それは凄い!

それならば少人数でも余裕をもって探索出来そうです。

是非実現出来るようご助力お願い致します。」


「はい。頑張ります。

で、そろそろ入りませんか?」


「ああ、そうだな。

そう言う訳だ。ダンジョンに入らせてもらうぞ。」


「は!お気をつけて。

ご無事をお祈りしております。」



エクス達はダンジョンの入口、

漆黒の闇の中へと進むのであった。







読んで頂きありがとうございます。

また来てもらえると嬉しいです。

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