ep58 ステータス魔法
ステータス魔法は神の魔法?
エクスはステータス魔法で悩み続けていた。
地球での記憶があるエクスはステータスを並べてみる。
名前、年齢、レベル、経験値、職業、職業レベル、属性、状態、HP、MP、腕力、脚力、SP、攻撃力、魔法攻撃力、防御力、魔法防御力、素早さ、器用さ、運、装備品補正、スキル一覧、魔法一覧、従魔、加護。
ステータス鏡で見れるHPMP腕力脚力は問題ないのだが、
ステータス魔法としてその他を全て知るためには魔力使用量が多すぎる。
エクスは考え続け1つの結論に達した。
極小のものが集まり大きなものへと形作る。これは物質世界の理である。
つまり人を素粒子と仮定すれば、
星は原子核や細胞に仮定できる。
それらは互いに強くリンクされており、
リンクの維持の為に互いの情報を共有する。
魔獣が形成される設計図が星の記憶に在るならば、
リンクされた個々の生体情報が存在しているはずである。
それは全ての生体情報であり、
個別に採取するより効率的な情報源となる。
その人をステータス魔法で見る際に
体の記憶を読み取り個人の記憶情報を取得し、
リンクされた星の記憶から身体的な情報を取得するのだ。
大雑把な説明だが、
体の記憶のキャッシュ部分、培って来た経験をその分野ごとに数値化し
その情報を元に各数値化した生体情報に掛ける
その値に装備品や体の状態を加減することで出たものがステータス値となるのだ。
試行錯誤をする中で1つ分かった事は、
星の記憶も人の体の記憶と同じと言うことであった。
シロガネのように体の記憶の無い存在ではなく、
人のように物質世界の星そのものの記憶が在るのだ。
そして星には魂の記憶は無く、
魂の器=生命体が生きる為に存在する物質なのであった。
星の記憶が存在する理由は1つの細胞の理として
進化、分裂していく為なのである。
考えてみれば当たり前で、だからこそ宇宙と言う細胞は分裂し
新たな細胞を創り出していくのだ。
地球の人間の思考で言うならパラレルワールドが拡がっていくのに等しい。
そしてその理から外れるシロガネは
他の細胞には存在しないのである。
更に付け加えると、パラレルワールドに存在するエクスは
魂Xとする魂では無く、同じ格をもつ別の魂なのである。
肉体(器)のみ同じ個体の、
別の人間なのだ。
話は逸れたが、
最後に残ったのは職業レベル、SP、運、加護である。
職業レベルはその全ての内容を熟知してないと分からないので作成不可。
SP=スキルポイントはゲームではないので存在しない。
運や加護は神様でないと分からない。
エクスはこれでステータス魔法の完成としたのであった。
因みに昔悩んだレベルについては、
各パラメーターが分かった事から重要度で%化し、
その値を足した数値から設定した。
おおよその目安としてのレベルである。
「出来た〜。これで色々判断出来るようになったな。
あ、
でもこれじゃあルード達に教えられないか。
記憶とのリンクは次元を知ってる僕しか出来ないからなぁ、、、。
今度簡易版でも作ってみるか。」
エクスはようやく出来たステータス魔法完全版に満足し、
ニヤニヤと顔を緩めるのであった。
ルードがエクスに駆け寄ってくる。
「エクスエクス!スカイと王様に会ってきたんだけどさ、
ダンジョンに入る許可がでたぞ!」
「本当?!」
喜ぶエクス。
目を丸くしてキラキラさせるシロガネ。
「ナ〜!グルナ!アウニャウ〜ナ〜!」
「シロガネは何て言ってるの?」
「早く行きたいって。でも虫はもういい!
ボス部屋の先に行きたいだって。」
「そっか。シロガネはお転婆娘なんだな。」
『お転婆娘じゃないニャ!
シロガネは淑女ニャ!
エクスを守るニャ!』
「おお!久しぶりにシロガネの思考伝達を聞いた!」
「フーーツ!」『シロガネは淑女ニャ!エクスを守るニャ!』
「ごめんごめん。エクスを守る為にも行きたいんだね。
狩りをしたい訳じゃないんだよね。」
「、、ナーオ」『狩りはするニャ』
「おかしいなぁ。淑女なら狩りをしなくても、、、」
シロガネを覗き込むルード。
『五月蝿いニャ!』
ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!ペシッ!
高速の白虎パンチ連打をルードに浴びせるシロガネ。
驚きのけ反るルード。
「あの〜。僕の頭越しにじゃれ合うのは止めて。」
困惑顔のエクス。
『しょうがないニャ。エクスに免じて勘弁してやるニャ。』
「アハハ。」
頭を描きながらからかい過ぎたと反省するルードであった。
しばらくしてスカイが合流する。
「エクス、ルードに聞いた?
ダンジョンに入れるって!」
「今聞いたところだよ。
伯爵様は何て言ってた?」
「お父様は、、父上は許可してくれたよ。
エクスに宜しくだってさ。」
エクスは暫く考える。
「、、、分かった。
じゃぁ土曜の朝からダンジョンに行こうか。」
「?金曜じゃないのか?」
首を傾げるルード。
休みの初日から行きたいのであろう。
「ちょっと用事があるからごめんね。」
「そっか。残念。」
「それまでに2人は風系の魔法を直ぐ出せるように練習しといてね。」
「風系?」
「5階までは虫系の魔物ばかりなんだ。
虫系は斬系の魔法が良く効くからね。
斬系の魔法が多い風魔法が有利なんだよ。」
「そっか。分かった。
なぁスカイ。後で練習しておこうぜ。」
「うん。エクスに頼らなくても自分で出来るようにしないとね。」
「だな!」
スカイとルードは顔を向き合わせ
やる気に満ちた笑顔を浮かべるのであった。
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