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魂Xの理  作者: to-er
58/67

ep57 親父と父上

叙爵を機に大人ぶり始めるルードであった




「エクスおはよう」


「・・・・。」


「エクス?」


「!や、やぁスカイ。おはよう。」


「どうしたの?考え込んじゃって。」


「ん?あ〜ステータスの魔法を創ろうと思って考えていたんだよ。」


「ステータス鏡があるし、そもそもステータス魔法持っているよね?」


「あ〜あれはステータスの一部だけしか分からないからね。」


「一部?他に何か有るの?」


エクスはミリーの事は伏せて話し始める。


「知り合いの子が祝福で何も貰えなかったらしいんだけど、

祝福後に姉弟で喧嘩した時いつもより痛くなかったらしいんだ。

もしかしたら物理防御とか魔法防御とか在るんじゃないかと思ってね。」


「なるほど。面白そうだね。」


「うん。色々ステータスとして上がりそうなモノを考えているんだ。」


「エクス、スカイ、おはよう」


「おはようルード。」


「おはよう。眠そうだね。」


「あれからこの4日間親父に連れ回されてさぁ

ウチの息子がウチの息子がって紹介して回るんだよ。」


叙爵の時を思い出しエクスはバクロする。

「アハハ、叙爵の時涙ぐんでたからね〜。」


「え?本当かよ!見たかったなぁ」


「ルードとスカイは王様の前だったからね。

後ろに居た僕しか見れないよ。」


不思議そうな顔でスカイは問い掛ける。


「あれ?ルードって親父呼びしてたっけ?

僕と一緒でお父様って呼んでたよね?」


「準男爵になったし、俺4男だろ?

そろそろ先の事考えて呼び方変えたんだ。」


エクスが突っ込む。

「僕から俺になってるし。」


「準男爵だからな!」


「いやいや貴族で一人称が俺はないだろ。」


「え〜!格好良くない?」


「いやいや、(わたし)が普通で上の人には(わたくし)だろ?普通。

まぁ僕達の中だったら俺で良いけどさ。

ボロが出ないように気をつけなよ。

貴族の中だと粗雑な人に見られるからさ。」


「そう言われて見ればそうかも知れないな。

、、、うん。

気をつけるから俺でいくよ!」


少し悩んでいたスカイが喋り出す。


「僕もお父様は止めようかな、、。」


「スカイも親父呼び仲間だな!」


「スカイだったら父上か父様じゃない?」


「エクスは何て呼んでたの?」


「ウチは平民だから父さんだね。」


「う〜ん、、。

ちょっと堅苦しいかもだけど、父上にしよっと。」


「え〜堅苦しいなぁ。親父でいいじゃん。」


「いや、スカイには合ってると思うよ。」


「そうだよね、父上、父上。

うん。そうしよう。」


「ちぇ、つまんないの。」


どうしても親父を流行らせたいルードだった。


「そう言えばさっきステータスがどうのこうのって言ってたな。」


「ステータスの魔法ってもっと細かいのが有ると思ってね、

創れないか考えていたんだ。」


「面白そうだな。

魔素研究の一環として組織でやってみるか?」


「いや、これは体内に魔素を取り込んだ後だから魔力になるし、

体の細胞とかの話にもなるから畑違いになるかな?」


「そっか〜面白そうだと思ったんだけどな〜。」


「まぁ僕の方で考えてみるよ。」


「出来たら教えてな!」


「あぁ。2人には真っ先に教えてあげるよ。」


「約束だぞ?

そう言えばさっきの魔素研究の組織で何かないかな?」


スカイもそれに続く。


「魔素の研究って何をすれば良いのか良く分からないよね。」


「じゃぁさ、ダンジョンに行ってみない?」


「立ち入り禁止になってるダンジョンの事?」


「そう。森とかと違って倒すと直ぐに霧散するし、

ドロップアイテムを落とすし、何か発見出来るかもしれないよ。

研究機関としてなら入れるんじゃないかな?」


エクスはあれ以来入る事が出来ないダンジョンに入りたかったのだ。

騎士団の捜索が思うように進まず

5階のボス、デスカマドを倒せない騎士団は、

ダンジョンを立ち入り禁止にしたままなのであった。


「でも僕達だけで大丈夫かな?」


「大丈夫だよ。2人はもう魔法を使えるようになったんだし、

僕とシロガネがいれば5階までの敵は楽勝だし

道も分かってるから迷う事もないよ」


「良いじゃんそれ!流石はエクス!

なぁスカイ、行こうぜ!」


「、、、分かったよ。

お父さ、、父上に聞いてみるよ。

それよりダンジョンに入って良いか分からないんだからね?

暴走しないでよ!」


「そうそう。研究の一環なんだから遊びに行くわけじゃないからね。」


「わっ分かってるよ!

お菓子は3袋迄ならいいかな?」


「「分かってないじゃないか!」」


「冗談冗談。

伝説の勇者様の「おやつは金貨3枚まで」よりは良いだろ?」


昔、勇者が気分転換でハイキングに行く時に言った言葉で、

パーティーメンバーがそれぞれ金貨3枚分(約30万円分)のお茶会用のお菓子を買っていき、

数日間勇者は食事がお菓子だった笑い話があり、

何処かへ行く時に冗談で言う言葉の定番となっていた。


「何で勇者様はそんな事言ったんだろうね?」


「お菓子大好きだったんじゃない?」


「多分銭貨3枚(約300円)と金貨を間違えたんでしょ。」


「銭貨じゃ殆ど買えないよ?」


「甘いの嫌いだったのかな?

買って来るなよ!的な。」


「多分そんな所じゃないかな。」


多分勇者は日本人であったのだろう。

大人が盛り上がるテッパンネタは異世界では意味が通じなかったようだ。

冗談のつもりだったのだろうが、

魔獣のいる異世界で幼少期に遠足が在るわけでなし、

通じる筈も無いのである。

後に前世の記憶を持った転生者がこれを聞き、

哀れに思われてる事を知ったら

勇者の魂は恥ずかしさに悶えるのだろう。


そんなヘマはしないと固く誓うエクスであった。





読んで頂きありがとうございます。

また来てもらえると嬉しいです。

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