ep51 さらなる変化
祝福で身体の変化を感じたエクス。
部屋に戻り一人考える
寮の部屋でエクスは考えていた。
子供の体でどれだけ鍛えてもそこまでの力が出る筈はない。
もし、普通と違うとすれば考えていた魔力細胞であろう。
今までエクスの中で魔力に浸かった細胞が変化し、
バグっていたと思われる。
その魔力細胞が今回の祝福で更に変化して
人の細胞と同じように測れるようになったと考えるのが辻褄が合う。
神様がバグを直した。ではしっくりこない。
鐘の音で体に変化が有ったのだから、細胞の進化の方が納得できる。
魔力循環をしなくてもそのレベルまで力を出せるようになった事は、
咄嗟の事態に対応出来ると言う事で、
恩恵は多岐に渡るであろう。
では魔力循環をするとどうなるのか?
エクスは魔力循環をしてステータスを確認する。
跳ね上がるステータスに愕然としながらも予想の範囲内でもある。
幸いステータスの偽造は
バグがあった時に創った魔法で対処出来る為、
誤魔化し続ける事は簡単であろう。
そこでエクスは気が付いた。
「あれ?シロガネは?
シロガネのステータスはどうなったんだ?」
失念である。
実質3歳からの4年間悩み続けていた事ではあるが、
大事な友を気にかける事が無かったのである。
「ごめん!シロガネ!」
エクスはシロガネを抱きしめた。
『ニャ?!どうしたニャ?!何がごめんニャ?!』
突然のエクスの行動に慌てるシロガネ。
「僕、自分の事ばっかりで、
シロガネもステータスがおかしくなっていたのに気にしていなかった。」
『別にシロガネはステータスなんかどうでも良いニャ。
エクスがいればそれで良いニャ。』
「でも、やっぱりシロガネの事考えなかったのには変わりないよ。
本当にごめんね。」
『分かったニャ。気持ちはもらったニャ。』
「うん。、、、。
シロガネのステータス見てもいい?」
『いつでも良いニャ。』
エクスは申し訳無さそうにステータス魔法を発動する。
シロガネのステータスもエクスと同じく
バグの部分が数字へと変わっていた
「シロガネも僕と同じようにバグの部分が数字に変わってるよ。」
『なんか力も湧いてるし、やっぱりだニャ。
エクスと一緒だニャ〜。』
「ふふっ。そうだね。一緒だね。
僕もシロガネと一緒だから良いか。」
まるで小さな事を気にしていたかのような感覚になり、
心を納得させられたエクスであった。
その晩心的疲労のためか、早い時間に睡魔に襲われる。
「今日はもう寝るかな、、。」
ベットに入り込むエクス。
その隣に潜り込むシロガネ。
「おやすみシロガネ。」
「ナーオ。」
1分とかからず深い眠りについたエクスとシロガネ。
夜は更けてエクスは違和感に目を覚ます。
「何か、、、重い?」
ライトの魔法を発動し、シロガネの方を確認する。
!!
巨大化したシロガネがヘソ天しながらエクスに寄っかかっていたのだ。
「シ、シロガネ?シロガネだよね?」
『なんニャ?エクス。何を騒いでるニャ?』
もそっと起き上がるシロガネ。
「シロガネ!体!体が大きくなってる!」
『ニャ〜?、、、ニャ!
なんニャ?体がでかくなってるニャ!
何でニャ?何でニャ?』
「分からないよ!こっちが聞きたいぐらいだよ!」
その姿は少し凛々しく虎に近づいてはいるが、
シロガネと分かる容姿であり、虎か?と言うと巨大な猫である。
「ステータスが正常になったから体もあるべき姿になったんじゃないかな?」
『嫌ニャ!エクスに乗れないニャ!』
「嫌と言われても大っきくなっちゃったんだからしょうがないよ。」
『嫌ニャ!乗ってみるニャ!』
「流石に潰れちゃうよ!」
『ニャ〜、、、』
寂しそうな顔をするシロガネ。
「じゃあ僕がシロガネに乗ろうか?」
『仕方ないニャ、、。
それで我慢するニャ、、、。』
大きさで言えば大人でも乗れるほどである。
乗れるかもと思うと少しワクワクしてしまうエクスであった。
シロガネを抱きしめ、喉元を撫でてあげる。
ゴロゴロと喉を鳴らしエクスにスリスリするのだった。
『ニャ?!ニャんか、、』
「どうしたの?」
『ちっちゃくなれる気がするニャ!』
シロガネは意識を集中させる。
するとみるみる体が縮んでいくのであった。
どんどん小さくなるシロガネ。
『ここまでニャ。これ以上は無理ニャ。』
何時ものシロガネの大きさまで小さくなれたのであった。
どうやら白虎自体、体の大きさを変える能力があるらしい。
シロガネはその力を取り戻したようであった。
「ね、ねぇ。さっきの大きさにもなれるって事?」
『多分出来るニャ。更に大きくもなれる筈ニャ!』
「凄いね!シロガネ!
ドラゴンなんかのデカい奴と戦う時も体格で負けないね!」
『ニャ〜!任せるニャ〜!
エクスはシロガネが守るニャ!』
「シロガネは僕が守るからね。」
『エクスとシロガネで最強ニャ!』
「うん。最強だね!」
その後
シロガネに大きくなってもらい、抱きついて眠るエクスであった。
「もふもふ最高〜!」
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