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魂Xの理  作者: to-er
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ep49 海苔と雑草

エクスが悩むアレを解決する。





今、王宮内で流行っているものが有る。


使者が毎月エクスから買取っていく為、

生産を必ずしておかないといけなくなった

海苔である。


王宮での食事利用だけならまだしも、

騎士団の短期遠征等ではおにぎりが当たり前となっていたのだ。


食文化の発展を考えたエクスは海苔の作り方を開放する事に決め、

(たんに毎月造るのが面倒なだけ)

今日は新たに誕生した海苔業者からの初出荷の日となった。


魔道具業者に作ってもらった鑑定の魔道具で、

全ての商品の品質は確認が取れている。


納品先は王宮や騎士団宿舎で、

生産量が増えれば平民地区への出荷を開始する手筈になっているのであった。


海苔業者は王都名物として売り出すとの事で、

しばらくすればジーポング全域で販売されるだろう。


「お〜い、エクス。

次の出荷から平民地区への出荷が出来そうなんだが

アテが有るって言ってたよな?」


海苔業者を始めたバーンさんが話かけてきた。

もちろん準男爵となった事は言わずにいる。

その事が広がり、

貴族様の子息に思い付きの仕事をやらされてると思われると、

平民は買う気が失せてしまうと考えたからだ。


「うん。実はギルドに話しを通してあるんだ。

依頼を受けてその場でお昼のお弁当を買えるようにね。」


「そいつは有り難い。

しかしいくら海苔を巻いていても容れ物代で高くなったら

売れないんじゃないか?」


「それなら大丈夫。これを見て。」


エクスはインベントリからおにぎりを取り出した。

普段はそのままインベントリに入れているのだが、

それはギルドにプレゼンした時の笹の葉に巻いたものであった。


「これは、、、。笹の葉っぱかい?」


「うん。笹の葉にくるむと食べ物が悪くなり難いんだよ。

その辺にいっぱいあるし、その場で捨てても大丈夫なんだ。

しかも笹の葉の香りがふんわりして、凄く美味しいんだよ。」


「へえ。笹の葉にそんな効果が有るのかい。初めて知ったよ。」


笹の葉の抗菌作用はこの世界では知られていなかったらしく、

弁当と言えばパンか干し肉ぐらいしか無かったのであった。

後はその場で狩った魔獣を焼くぐらいだ。


「これ食べてみてよ。」

笹の葉で包んだおにぎりをバーンに渡した。


バーンは笹の葉を剥いておにぎりにかじりついた。


「!!

お〜!こりゃぁいいな!

笹の葉の香りがふんわり香って、

それでいて海苔の香りの邪魔になってない。

多少の日持ちもして、容器じゃないから

持ち帰る必要性が無くかさ張らない。

これなら弁当に良いな。」


「でしょ!これがギルドで買えるのは意味の有る事だと思うんだよね。

後、おにぎりを3つほど入れられる竹皮もありますよ。」


「竹皮ってなんだい?」


「竹が脱皮した時の皮です。

これもお弁当を長持ちさせてくれるんですよ。」


「おにぎりのセット販売か。

これも売れそうだな。」


「この竹皮を作る人も募集したいですね。」


「分かった。竹林を持ってるとこに俺から話してみるわ。」


「お願いします。バーンさん顔が広くて助かります。」


道筋を作り、後はお任せの考えが見事にはまった。

内心ニンヤリするエクスであった。



ーーーーーーーーーー



学園の方は相変わらずである。

叙爵されてからは話しかけて来るのもちらほらいたが、

爵位を持った子供などいる訳も無く、

逆に位の高くなったエクスに近寄り難く遠巻きに見ている感じであった。


しかもブルーフォレス家やフォルパディ家の名門伯爵家子息が隣にいる為

よけいに近づかない、近づけないのであった。

スカイやルードはそれが気になっていたようだが、

言い寄られなくて助かるとエクスが言うと、

安心したかのように友達付き合いを続けてくれたのであった。


それでも心無い言葉を発する者もいる。

『雑草』と言っていた輩である。

彼はフロックホース子爵家の嫡男

ゲイランデル・フロックホース

通称ゲイルである。


エクスは叙爵されてからも緑の制服を着続けていた。

貴族として見られたく無かったのもあるが、

ただ緑か好きだったと言うのが本音である。

しかも森に入れば迷彩服のように身を隠せるのだ。

放課後にシロガネと狩りに行く事もある為、都合がいいのであった。


「爵位をもらっても白服に変えないのは自分が雑草だと認めているからだ。」


「伯爵の子息に媚び売って爵位をもらった卑怯者の卑しい平民」


など、取り巻き達と言いたい放題である。


通常スカイやルードが睨みを利かして黙らせるのだが、

ゲイルについてだけは放置しているのであった。

何故放置してるかはそのゲイルの双子の姉の存在が有るからである。

彼女の名はミリーファス・フロックホース。

通称ミリーだ。


ミリーは学年で1、2を争う学力と美貌の持ち主で、

色々な所から婚約話が来ているなど、噂が絶えない子であった。

ゲイルの行動は全てそのミリーによって

事案発生から数分で粛清される事になるのであった。


「エクス君いつも弟がごめんね。」


ミリーは事あるごとにエクスに話しかけ謝るのだ。


「おい!雑草!ミリーに近づいてるんじゃねぇ!」


「、、、。」

実はエクスは困っていた。

ミリーは少し目が悪いのか、人との距離が近いのである。

何も無い時も謝りに近づくので、ゲイルがやきもちを焼き、

その暴言にまた謝りに近づいて来る。

エンドレスだ。


元はゲイルの雑草発言から始まったように思われてるが、

エクスが一般からAクラスに入った事にミリーが興味を示して、

「気になる」発言した事からやきもちが始まったらしかった。


とばっちりで火の粉を被り続ける状態なのであった。


ゲイルは元々貴族第一主義であったので、

エクスが何か言っても聞く耳を持たない。

なのでミリーにもう謝らなくて良いからと言ってみたが、


「貴族として身内が迷惑をかけた事を謝罪しない訳にはいかない。」



エクスはため息を付いて、




「この二人に関わっちゃ駄目だ、、。」

と、真剣に考えるのだった。







読んで頂きありがとうございます。

また来てもらえると嬉しいです。

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