ep04 教会の鐘
今回から少年編となります。
ん〜何歳まで少年なんでしょうか。
王国歴76年7月
今日は朝から家の中がセワしない。
「ロイ、寄進は持った?」
「ああポケットにちゃんと入ってるよ。ほら」
ポケットから取り出しマリーに見せる。
「うん。大丈夫ね。アルフの着替えが終わったら行きましょ」
「おっアルフカッコいいじゃないか」
いつもより小綺麗にしたアルフがソワソワしている。
「ねえねえ早く行こうよ〜」
「はいはい。ちょっと待ってね」
「エクス〜そろそろ行きますよ〜」
「僕はいつでもいいよ。主役は兄さんだし」
今月はアルフ兄さんの誕生月
日本と違い誕生日は無い。
月単位で祝うのが普通で誰も日にちまで覚えて無いのだ。
女子が3歳と7歳、
男子が5歳になると教会で祝福を受ける決まりがあるのだ。
日本の七五三と一緒で魔物の居るこの世界での
子供の死亡率が高かったのと、魔道具が広まる前は
病気や怪我での死亡も多かった為、
生き残れた事への感謝の参拝となるのだ。
ただ一つ、日本と違うのは、
誕生月の子供が教会前広場で感謝の祈りを捧げ
教会の鐘が鳴ると、祝福を受ける子供が出るらしい。
女子は2回有るので、男子よりも祝福を受ける恩恵は大きい。
その話を聞いた時 父さんに
「女子だけ2回なんてズルい」
と言った事があるが、
「父さんもそう思って子供の頃友達と3歳7歳と教会に行ったが
やっぱり駄目だった。 教会の神父さんにも聞いたが、
『何故か解らないが、必ずその年齢で1度きり』と言われたよ。」
との事だった。
なんだそれは? 他にも色々父さんに聞いたが
結局 男が5歳の1度きり は確定らしい。
因みに祝福の内容はステータスの基本数値が少し上がる程度。
自分のステータスが判る簡易魔道具
ステータス鏡が有るので判明したらしいが
なんとなく力が強くなった程度で、もし地球で祝福されても
誰も解らないだろう
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
誕生月のアルフ兄さんと同月生まれの子供達は
教会の広場に集まった。
神父の合図があると、少し騒々しかった広場は
ピタリと静かになり、凛とした空気に変わる。
子供達は頭を垂れ、胸の前で手を組む。
神父は5分ほど感謝の祈りを捧げ両手を天へと伸ばしながら
締めの言葉を発した。
「我が主ミズタキリキ様に感謝を
そしてこの子等に明日を生き抜く祝福を」
一瞬の間の後 澄んだ鐘の音が街中に響き渡る
その瞬間脳内に電気が流れるのを感じる
「いや、僕はまだ3歳だし授かるはず無いよなあ・・・」
それよりアルフ兄さんは・・・
これで終わり?みたいなキョトンとした顔をしている
父さん母さんと僕はアルフ兄さんのもとに向かった。
「何も感じなかった」
アルフ兄さんは少し寂しそうに肩を落とす。
「解らないぐらいの変化だと言っただろう」
「家に帰ったらステータス鏡で見てみましょうね」
父さんも母さんもアルフ兄さんを必死にフォローしていた
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
家に帰ると早速ステータス鏡を覗き込むアレフ
【ステータス鏡とは鏡に映る人の
HP(生命力)MP(魔素保有量)腕力 脚力
の4つを数字化し、表示する簡易魔道具で
誰でも簡単にステータスを知ることができる。
他人を映しても表示されない。
鏡を握る手から読み取るため、本当は鏡でなくても良い
魔石をセットしてボタンを押すだけで使用可能】
途端に顔が明るくなる
「朝の時よりHPが20も上がってる!」
基本 年齢1歳ごとに1上がり、
40歳から1下がっていくHPで5歳で25は凄い
父さんも母さんも大喜び
その日の晩飯はとても豪華で、
あまり食べられない甘味まで食べられ、お兄さまさまだ
ただあの鐘の音を聞いた瞬間のビリっとした感覚が気になり
その夜みんなが寝静まった頃ステータスを見に行った
が、何処を見ても今朝こっそり見た時と変わらない。
ありふれた3歳のステータスがそこにあった。
読んで頂きありがとうございます。
また見ていただけると幸いです。




