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魂Xの理  作者: to-er
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ep39 入園式

入園式に挑むエクス。そこには壮絶な戦いが待っていた。





4月、ラグンハーツ学園の入園式となった。



何処の世界でも変わる事のない長い学園長の言葉を聞いていた。


うつらうつらとするエクスの顔を膝に乗ったシロガネが押さえる。


『寝るニャ!寝たら駄目ニャ!』


必死に押さえるシロガネの肉球がエクスの睡魔を召喚する。


抗うエクスの瞳は半分白目になり、現実世界を映し出してはいなかった。


その攻防を周りの少年少女は固唾を飲んで見守るのであった。


その瞬間、拍手の音で現実世界に戻されるエクス。

学園長の魔法(えんぜつ)が終った合図であった。


「ん?終わったのか?」

シロガネに支えられながら下がり始めていた頭を起こした。


「プッ!」


「クスクス。」


周りからかすかに笑い声が聞こえる。


「何が楽しい事でもあったの?」

エクスはシロガネに問いかけた。


すると隣に座っていた女のコが笑いながら、エクスに話しかけてきた。


「あの、ほっぺに猫ちゃんの足跡が付いてますよ。」


シロガネの肉球はひんやりして気持ちが良い。

入園式で多くの人が入った建物の中は蒸し暑く

エクスのほっぺは赤みを帯びていた為に

肉球との温度差で跡が付いてしまったのだった。

必死に支えるシロガネを皆んなが注目していた為に頬の跡を見て笑ってしまったらしい。


エクスは頬を押さえ足跡と赤くなった顔を隠すのであった。




振り分けられた教室に入る。

案の定貴族は誰一人として居なかった。

それもその筈で、貴族はもっと小さな頃から教育を受けている。

一般人とは学力が違いすぎる為にそうせざるをえないのだ。

将来学業が生かされる貴族と、

ある程度読み書きや計算ができれば良い一般人では求めるものが違うのだ。


エクスの住む寮も貴族部屋と個室、10人部屋で別れていた。

一般人の個室は一部屋4畳ほどの広さに対して

貴族の部屋は12畳はある。しかも風呂、トイレ付きだ。

その分貴族は入寮金が高く、地方貴族はここに入る事が多い。

エクスのような一般人は、

ある程度のお金を払えば一般用の個室に入れる事となる。

貧しい家庭は少ない金額の食費だけ出せば無料で入寮出来るが

10人部屋行きになっている。

一般人用は、共同の大浴場やトイレになっていて、宿のそれと同じになっている。


その事が分かったのは入寮初日にスカイの入る寮棟へ遊びに行った為だ。

貴族寮となっていて入るなり気品溢れる内装に圧倒されたのだった。


「クラスも寮も違うんじゃそうそう遊びに来れないや。」

と言うエクスに


「じゃぁ僕がエクスの部屋に遊びに行くよ。」

とスカイは答えたのだった。


ロイとマリーから生活費は送られてくるし、特許のお金も有るエクスは一般個室に入っているので、

スカイが遊びに来ても問題はなかった。


「でも貴族の友達もちゃんと作りなよ。」


「分かっているけど爵位の違いもあるから、

なかなか素で話せる友達を作るのは難しいんだよね。

エクスは気兼ねなく話せる唯一の友達だからしょうがないよ。」

満面の笑みをうかべるスカイであった。




教室に大人が入って来た。


どうやらこのクラスは借りのクラスのようで、

この後学力テストを行い、成績に応じてクラスが決まるようだ。


文字の理解度や計算能力、知識。

魔力循環が出来るか等の簡単なものだ。

全てを難なくこなし、

その日のうちに正式なクラスが紙で掲示された。

朝より人数が少なかったが、文字の読み書きが出来ない子供は

先に別の場所に集められたらしい。


自分の名前を見に行くエクス。

(なになに?・・・・エクス、エクス。

?何処にも無いんだけど・・・。

え?義務教育なのに落ちたとか?!)


焦ったエクスは、もう一度端から確認するがエクスの名前は何処にも無かった。


呆然と立ち尽くすエクス。


すると後ろから肩を叩かれる。

振り向けばスカイがそこに立っていた。


「どうしたのエクス、顔色が悪いよ。」


何と言えばいいか分からずにエクスは黙りこんだ。


「せっかく同じクラスになったのに、これじゃあ心配で喜べないや。」


「・・・・・え?」


「いや、心配で喜べないって。」


「その前!同じクラス?貴族のクラス?」


「そうだよ。一般でも成績で貴族と同じクラスになるのは稀に有る事だから。

でも一番上のクラスに来れたのはエクスが初めてじゃないかな?」


「そうなの?一般に名前が無かったからてっきり落ちたのかと思ってた!」


「義務教育なんだから落ちるはずないよ。エクスってたまに抜けてる時があるんだよね。」


「良かった〜!これからどうしようって思ってたよ!」


二人は貴族クラスの掲示板を見に行く。


「本当だ!有った〜!良かった〜〜。」


エクスはホッと胸を撫で下ろした。


「1-Aクラスか。クラスの名前ってどうなってるのかな?」


「1は1年生の1。貴族のクラスは2つ有ってAとB

一般クラスは1から20ぐらいが毎年有るみたい。

人数によってクラス数は変わるんだって。」


「王都にしては少ない気もするね。」


「文字自体が分からないとか、喋る事もぎこちないとかが結構いてね、

最低限生きていくのに必要な共通語や簡単な計算だけを教える所が

学園の下部組織として王都内に散らばっているんだ。

この学園自体は初等科の6年、高等科4年で長ければ10年間在籍出来るけど、

そうゆう下部組織は最短で3年、最長でも6年間の初等科のみになってるんだ。」


「11歳位になれば働き手として手元に戻したいって親が多いのか。」


「そうゆう事だね。

エクスの生まれのエルマー王国だと7歳から学園なんだっけ?」


「うん。初等科4年の高等科4年だったはず。」


「どっちが良いんだろうね?」


「5歳からなら言語や計算を教えるのに良いと思うし、

7歳からなら国の負担が軽くなる。

寮に入られると、もらえる食費は微々たるものだし

光熱費だってかかるからね。国の負担は大きいと思うよ」


「どっちが良いかはその人次第って事か。」


「だと思うよ。」


「取り敢えず明日から同じクラスだからよろしくね。」


「うん。宜しくね。」





貴族クラスに一般人。少し嫌な予感のするエクスだったが。

名前が有った事の安堵感に予感は揉み消されるのであった。







読んで頂きありがとうございます。

また来てもらえると嬉しいです。

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