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魂Xの理  作者: to-er
37/67

ep36 機微

スカイ、サーバスと一緒に馬車の中で談笑する3人。

しかしエクスには考えていることが・・・。





「エクス、こっちこっち!」


「ちょ!スカイ!引っ張らないでよ〜。」




スカイに引っ張られ、エクスは貴族の馬車へと乗り込んだ。

エクスの乗ってきた馬車には、先のゴブリン戦で負傷した護衛の人を乗せている。


「エクス様、学園寮に行く前に

王都にあるブルーフォレス家の別邸に寄ってもよろしいでしょうか?」


「うん。別に構わないけど。」


「この度の助けて頂いた件で御礼をさせて頂きたく思います。」


「いやいや。スカイとはもう友達だし、

友達を助けるのは当たり前なんだから御礼はいらないよ。」


「エクス様ならそう言うかとは思っておりましたが、

貴族が助けられた礼をしないのは恥となります。

体面がありますので是非とも受け取っていただきたいのです。」


「あ〜、、。

分かりましたお受け致します。

スカイと友達になれただけでも僕は充分なんだけどね。」


「ハハハハ。旦那様にはそう伝えておきますよ。」


「サーバスがそんなに笑うの初めて見たかも!」


「何と言いましょうか・・・

エクス様はその歳以上の何か親しみを感じでしまい、

気持ちが緩んでしまったのかも知れません。」


「何かエクスってすごいね!

サーバスがここまで誰かと楽しそうに話すのはなかなか無いよ!」


「ん?何が凄いのか良く分かんない。

サーバスさんも人間なんだから楽しければ笑うでしょう?」


「でもサーバスはいつもへの字の口で立ってるんだ。」


「それって仕事中だからじゃない?

スカイといる時は仕事中だろうし。」


「エクス様は人の機微(きび)を分かっていらっしゃるようですね。

相手の気持ちを()み、無意識に話し方を変えているのでしょう。」


機微(きび)ってなぁに?」


「相手のちょっとした心の変化かな?

自分が言われたらどう思うかとか、

言われた相手がどう思うかとか、

お互いの立場や立ち位置も考えながら知ろうとすれば分かると思うよ。

目尻や口角が固くなって一瞬止まる意味を感じれば良いんだ。」


「すごいね、エクス。難しい言葉を知ってるんだね。」


「たとえばサーバスさんは今の会話から

スカイにも人の心が分かる立派な大人になって欲しいって気持ちが

入ってるんじゃないかな?」


「サーバス!そうなの?」


「いやはやこれはまいりましたな。

エクス様に言われて初めてそう思ってる自分に気づきました。

普通の大人でもそこまでは察しないのですが・・・。

エクス様の言う通りで御座います。」


「だからスカイはサーバスさんの笑顔を見るためにも

立派な大人にならないとね。」


「サーバスの笑顔か。いつかそうなりたいな。」


「スカイならできるよ。もともとスカイは優しいから。」


「期待してお待ちしておりますよ。」



和やかに話が弾む。

その時サーチにレッドボアの集団を感知した。

「シロガネ、ボアの上位種のレッドボアが12体。一人で行けそう?」


『レッドボアぐらいなら楽勝ニャ。任せるニャ。』


「エクス様、今レッドボアと言いましたか?」


「ええ。この先に集団がぃます。

シロガネだけで大丈夫ですから心配しないで下さい。」


エクスは走る馬車の扉を開けた。


「気をつけてね。」


「ニャーーーー〜〜〜〜、、、。」

走り去るシロガネ。


「レ、レッドボアですぞ!大人のパーティーでも全滅するかもしれないのに

猫一匹では到底・・・」


「あ、大丈夫です。直ぐに終わりますよ。

・・・・。

今5匹、今3匹、2匹、あと2匹。

、、終わったみたいだ。」


「え?終ったのですか?」


「殲滅です。」


「そんな、、、。猫一匹で?」


「ウチのシロガネは強いんです。」


「・・・・申し訳ありませんが倒したレッドボアを

見せてはいただけないでしょうか。」


「・・良いですよ。シロガネも戻って来たので一旦馬車を停めて貰えますか?」


「おい!馬車を停めろ!」


馬車はゆっくりとスピードをおとし、停止した。

草むらから顔を出すシロガネ。


「シロガネ、悪いんだけど今のレッドボアを全部出してもらえるかな?」


『分かったニャ。』


鋭利な何かで切り裂かれたレッドボアの死体が山積みにされる。


ザワッ!


護衛達がどよめく。


「これはどうやって倒したのですか?」


「シロガネは魔法が使えるからね。」


「魔法ですと!猫が魔法を?!

こんなに沢山の敵を相手にして魔力は切れないのですか?」


「実はサーバスさんにお願いがあって、

伯爵様に僕と王様が話を出来るようにとりもって貰いたいと伝えてほしいんです。」


「それは今回の事を含めて?」


「ええ。魔法に関する重要な事です。」


「詳しく、、は、ここでは出来ないと言う事ですか?」


「はい。世界の魔法の概念、理が変わる事ですので。」


「分かりました。伝えておきましょう。

しかし王様にあう事は難しいかも知れませんよ。」


「承知してますよ。僕は平民。しかも追放者ですからね。

会えなければまた今度、何処かで何とかします。」


「何処かで、ですか。」


「あ〜ごめんなさい。裏の意味は無いよ!急いでる訳じゃぁ無いと言う意味です。」


「魔法の概念か変わる内容を他の国に話す訳では無いのですね。」


「やっぱりそうなるよね。

急いでないから。いつか王様と話せたらその時でいいやって事で。」




「そう言う事にしておきますか。」



「ん、もう!サーバスさんの意地悪〜!」




読んで頂きありがとうございます。

また来てもらえると嬉しいです。

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