ep27 去就
叔父の家にたどり着いたエクス
衝撃的な話を聞かされる
居間に入り腰をかける。
その広さに呆然とするエクス。
やはり田舎の方が税金が低いのだろうか?
そんな事が頭をよぎっていた。
30分程だろうか、シロガネを撫でながら待っていると、
ピクッとシロガネが反応する。
ドタドタと騒がしい足音と共にバリスが居間に入って来た。
「エクス君お待たせ!姉さんに連絡してきたよ。
エクス君が無事だと分かって皆んな大騒ぎみたいだよ。」
「そんなに早く連絡を取る事が出来るんですか?」
一瞬驚いた顔をしたバリス。
笑顔に戻り、納得の顔をみせる。
「エクス君は5歳になったばかりだから知らなかったか。
大きな街同士には必ず1つ、文字を伝達する魔道具が領主邸に有るんだよ。
魔獣暴走発生時とか街どうしで連携しないといけないからね。」
「なるほど!だから追放になって直ぐに叔父さんと連絡が取れたんですね?!」
「そうだよ。本当は平民には使わせてくれないんだけど、姉さんや僕は領主さんに顔が利くからね。安否確認だけでもと了承してもらったんだよ。」
「そうだったんですね。色々ありがとうございます。
・・・・・・。
あ、すみません。自己紹介をしてなくて。
僕はエクスです。この子はシロガネです。これからよろしくお願いします。」
一瞬バリスの表情が曇る。
「ああ、うん。それなんだけど、、、。
僕は独身でウッカリしていたんだが、、。」
「どうかしたんですか?」
少し間を置いてバリスは話しだした。
「エルマー王国と違ってジーポング王国では5歳から義務教育を受けないといけないんだ。
11歳からは高等科で15歳迄となっていて王都に行かなくちゃならない。
姉さんとも話したんだが、エクス君の未来を考えると高等科まで行ったほうが良いって事になってね、
友達を作るにも学力の差を無くすにも5歳から王都に行ったらどうかって話になってるんだ。」
突然の展開に呆然とするエクス。
「エクス君が10歳迄はこっちが良いなら、僕はそれでも良いと思ってる。
時間は無いけどエクス君がしたいようにしようと思うから、考えてもらえるかな?」
「・・・分かりました。考えてみます。」
「着いて早々にゴメンね。気付いた時にはエクス君が出発した後だったんだ。」
「いえ・・。バタバタしてたし、仕方ないと思います。」
「取り敢えずソコの部屋を使ってくれ、
夕飯の時間になったら呼ぶから、ゆっくり休んでね。」
「あっ、はい。ありがとうございます。」
エクスは部屋に入りベットに寝ころんだ。
「どうしようかなぁ、、。」
伏し目がちに悩むエクス。
そんなエクスを慰めるようにシロガネはエクスの頬を舐める。
『シロガネはどっちでも良いニャ
エクスと一緒なら良いニャ
目的地が変わっただけニャ
何も変わらないニャ』
エクスはシロガネを抱きしめた。
「そう、、だよね。
何も変わらないよね。
僕もシロガネがいれば大丈夫だ。
何処に行ってもそれだけで大丈夫なんだ。」
エクスは天井を見つめる目を開き、その未来を見つめるのだった。
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「エクス君、食事の用意が出来たよ」
バリスの声が聞こえてきた。
「は〜い。今行きます。」
吹っ切れた顔で居間に行くエクス。
その表情を見てホッとするバリス。
「さぁそこに座って。
エクス君が来たお祝いだ。いっぱい食べてね。」
「はい!いただきま〜す。」
モリモリ食べるエクス。
シロガネにも御馳走が盛りつけてある。
「あの、バリス叔父さんに聞きたいんですけど。」
「なんだい?」
「王都に行ったらシロガネはどうなります?一緒にいられますか?」
「もし王都に行ったら寮に入るんだけど、ペット登録だと駄目だったはずだよ。」
シロガネは目を丸くして、止まった口からポロポロこぼしながらバリスを見る。
「従魔登録なら大丈夫だったはずだ。」
「ペット登録と何が違うんですか?」
「テイム魔法って知ってるかな?
それをすれば従魔登録できるよ。」
「テイム魔法を使うと何が違うんですか?」
「主人の言う事に逆らえなくなるんだよ。
つまり従魔の行動は全て主人の責任になるんだ。」
『大丈夫ニャ。エクス。初めからそれで良いって言ってるニャ。』
シロガネは安心したのかウニャウニャと食べはじめた。
「・・・テイムはどうすれば出来ますか?」
「テイマーは自分でやるけど、それ以外はギルドでお願いすればやってもらえるよ。
ただ絆が大事だから余程信頼関係が無ければ失敗するだろうけどね。
まあエクス君達なら仲良さそうだし大丈夫だと思う。」
「あ、あと、獣以外でも大丈夫なんですか?魔獣とか、聖獣とか。」
「ああ。テイムできれば問題無いよ。
エクス君は他にテイムしたい魔獣でもいるのかい?
ホーンラビットとかはカワイイからテイムしてる人もいるよ。
まあ魔獣は人に懐かないから、出来ても弱い魔獣ぐらいかな。」
「じつは・・・。」
シロガネを見るエクス。
尻尾を戻し2本の尻尾を揺らすシロガネ。
「シロガネって聖獣なんです。・・・白虎の。」
ガチャ!!
手に持ったフォークを落とすバリス。
「え、え?聖獣?白虎?でも、、猫、、えっ?」
混乱するバリス。
「凄く良い子なんですよ。魔法も使えるし、僕とだけなんですけど、話も出来るんです。」
慌ててフォローするエクス。
「魔法?!話も出来るの?!
、、、コレは一緒にギルド行かないと大騒ぎになるな、、。」
「なんか、すいません。」
何度も頭を下げるエクス。
「あ、ああ。
で、話しの流れからするとシロガネ君と王都に行きたいって事で良いのかな?」
「はい。」
バリスは一度天を見上げ、目頭を押さえた。
「分かったよ。手配をしよう。」
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