ep22 オーク肉
戦闘の仕方がエグいとエクスは反省中です。
反省している。
オーク約150体のミンチ肉である。
まるで舞踏会の会場のような
長方形の石畳が敷き詰められた
まるで武闘会の会場のような
長方形の石畳が敷き詰められた下に
オークのミンチ肉が敷き詰められている。
その周りには穴だらけのオーク
地面には石の棘が無数に突き刺さる。
いくら身の安全を最優先にしたと言っても
このカオスな光景は放ってはおけない。
やり過ぎ感や他の方法が無かったのか自責の念に苛まれるのであった。
目に見えるオークは全て収納した。
次は長方形の岩である。
「この下は見たくないなぁ。」
顔をしかめるエクスだが、意を決して岩を収納する。
「うわぁ、、、」
地面が全く見えない肉塊の海がそこには広がっていた。
むせ返るほどの血と肉の匂いにめまいをおこす。
「この血だけでも何とかならないかな?」
オークの血だけを対象に収納してみる。
すると血だけが収納されたのである。
「もしかして血抜きや解体魔法が創れるかも!」
残った肉塊と魔石をイメージを変えながら収納してみる。
「いけるいける!」
内蔵や骨など細かく分類して収納出来たのだ。
インベントリの管理画面には部位毎にキロ数で表示され、破損の無い部位は個数で表示されている。
先程までの気持ち悪さは無くなり、エクスのその瞳は輝いていた。
「個体はどうなんだろう?」
収納してた個体を取り出し、内蔵を収納してみると、
オークの死体の腹がペコリと凹む。
最終的にオークの死体はその毛皮だけとなった。
次なる実験はインベントリ内での解体だ。
インベントリは0次元と3次元を直接リンクしている。
分かりやすく言うと
3次元に光を当てると2次元の影ができる。つまり2次元には3次元の情報が全て入っているのだ。
物質世界には無いが2次元の物質が有ったとして、そこに光を当てると1次元『線』になり、更に光を当てると0次元『点』になる。
つまり0次元は全てが有るが何もない世界とも言えるのだ。
更に噛み砕くと全てがデータと考えても良いだろう。
そこにしまったオークの個体情報から各部位のデータを別に分けるイメージだ。
管理画面を見てみるとキチンと分けられていた。
「やった!出来た!」
インベントリ内での解体が成功したのだ。
そして一発で解体出来るようにイメージし魔法とする事でMP消費1で解体出来るようにもなった。
まさかの肉塊の海から解体魔法を創り出したのである。
「後はストーンバレットの後処理だけか!」
辺りを見回しため息をついた。
「アイスバレットにしておけば溶けて無くなったのに。
でもアイスバレットじゃあ倒しきれなかったかも知れないし。しょうがないか。
それにこの寒さじゃぁすぐに溶けないから
調べに来る冒険者さんが怪我しちゃうかも知れないし、、、。」
質量の違いで殺傷能力は変わるのである。
予想通りアイスバレットでは倒しきれなかっただろう。
インベントリを使い範囲づつ回収していくエクス。
気が付けば日が落ち始めていた。
「キングが今まで居たから魔獣は近くに居なさそうだし、、、。
ここで一晩明かすか。」
オークキングの居た洞穴で、エクスは休む事にした。
オークキングが使っていたと思われる椅子がそこには有った。
草が敷き詰められていて、かなりの幅がある。
5歳児には寝る事も出来る広さが有り、今日はここで寝る事にした。
インベントリから草木を出して火をつける。
「やっぱり寒いな、、、。」
洞穴の前に先程の岩を積む。
酸欠防止に密封はしていない。
「この岩使えるなぁ。これがあれば魔獣も入って来れないぞ。」
チョットした発見である。
が、安心して眠れるのは重要な事で、大きな発見でもある。
「さて。何を食べようかなぁ。」
インベントリを物色する。
目を引くのは大量のオークミンチ肉だった。
調味料は買って有ったので、ハンバーグっぽい物を作る事にする。
残念な事に調理器具を買ってなかったエクスは、
石を浄化してファイアで赤くなるまで熱した。
そこにミンチ肉を置くと
『ジュワ~』っと良い音と良い香りが洞穴に充満する。
『ゴクリ!』
美味しそうな焼色に心躍るエクス。
焼き上がりに塩胡椒をパラパラかけてかじりついた。
「う!うんまーい!」
オークの見た目から豚肉を想像していたが、どちらかと言うと牛豚合い挽きのそれだったのだ。
「大量のハンバーグ材料ゲットー!」
歓喜で腕を上下に振るエクス。
箸が止まらず500グラム近くペロリと食べたのであった。
「もう、駄目、、入らない、、、。」
満腹になったエクスは、深い眠りに落ちていくのだった。
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