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魂Xの理  作者: to-er
21/67

ep20 存在アピール

魔獣がする索敵の範囲は?!

その秘密が明かされる。





道すがらエクスは考えていた。


森の奥に居る筈のオークが何故森の外れ近くまで来てたのか。

冬場で食料が少なかったとしても、何でも食べるオークには問題は無かったはずである。

可能性としては、森の奥に食べる物が無くなったか、

オークが増えすぎて生活範囲が広がったか、

脅威となる存在が住み着いて追われて来たか。


1つ目はまずあり得ないが、森の奥で魔素が無くなり

動植物に魔素が蓄えられてない為と考えられる。

2つ目はジェネラルクラスが居た事から、キングが発生し、

巨大な集落を作っていると思われる。

3つ目はオーガやドラゴン等が住み着いた場合だ。


どれも今後、道中でのオークと遭遇する確率が増加に繋がる。

はぐれたオークの可能性も無い訳ではないが、

ジェネラルが率いていた事からまずあり得ないだろう。


そう言えばロンサーキの宿で

この時期に珍しく熊が狩れたと御馳走がでたが、

オーク達がうろつくようになり、

危険を察知した冬眠中の熊が出て来たと考えて良いだろう。



これからこの国で暮らす訳だが、そんな状態を放置して大丈夫だろうか?

もしオークの国ができてしまうとロンサーキは壊滅するだろうし、

家族のいるエルマー王国に行く手段が無くなってしまうかもしれない。

あのオークを数人でかからないと倒せない冒険者達の調査と討伐。

先が見えている。



「はぁ~、、、僕だって怖いんだからね。」



エクスはそう言いつつ森の中に入っていった。




森と言うのは入口と奥で顔が違う。

入口は草や背の低い木と普通以上になれる木の戦の場なのだ。

奥になるほど低い草木は充分な光合成を行えず育たない。

低木(ていぼく)や草が無いと比較的歩きやすくなるのだ。


何が言いたいのかと言うと、歩きづらい。

低木(ていぼく)が多く、張り出した枝が左右から伸びて通せんぼしてるようだ。

冬場だからまだ見通しが良いが、夏場では緑が増えて先が見えなくなりそうなほどだ。


高木(こうぼく)が多いのに良く低木(ていぼく)が育つなぁ」


ふと、周りの木を見回すとある事に気がついた。



高木(こうぼく)樹皮(じゅひ)がない?!」



初めはそうゆう見目の高木(こうぼく)なのかな?と思っていたが、

どうやら綺麗サッパリ樹皮が()かれているようだ。

こうなった高木(こうぼく)は数年で枯れてしまうはずである。

低木(ていぼく)から見ても5年以上は前から樹皮が()かれ始めたのだろう。


木々の葉が光合成をした時に魔素も吸収するなら一番多くの魔素は樹皮の付近になる。

根から吸収された養分は枝葉に行き、樹皮付近を通り根に行くからだ。

もしオークの数が多くなれば、魔力補充の為に樹皮を食べた可能性が高くなる。

そしてそこまでオークが増えたとすると、2つ目の可能性。キングクラスが集落を作っている可能性が濃厚だろう。


エクスは精度を落とし、広範囲をサーチしてみる。


すると2キロほど先に魔獣の集団を確認出来た。


「嫌な予感はなんで何で当たるんだよ」



数にしておよそ200体

散らばってる個体も多い。

流石に突っ込むのは自殺行為だろう。


問題はこっちのサーチ範囲をどうやって把握していたか。

ウルフの時もそうだったが、こちらのサーチ範囲外から襲って来ていた。


今の段階で気付かれていないようなので、魔獣の索敵範囲外なのか、

こちらの今まで使ってたサーチが気付かれやすいのか・・・。


はぐれの個体が元のサーチ範囲の少し先、

1キロ辺りにいても気付いていない。

魔獣の索敵範囲はもっと狭かったようだ。


つまり・・・


エクスが存在をアピールしながらサーチしていた可能性が大きい!?!。



「・・・だから魔獣との遭遇率が低かったのか・・・。」


敵から見れば、相手は子供だとしても広範囲に強い魔力を広げ

1人歩く得体の知れない者を気味悪がっていたのだろう。


「僕エクス!サーチしながら歩いてるよ!」と

腕を振って歩いてた。とゆうわけだ。


今は広範囲を探ろうと

魔力を薄く広げるイメージと精度を落とすイメージで

元の4分の1以下の魔力しか使っていないのだ。


「ちょっと恥ずかしいんですけど。」


少し耳を赤くしてエクスは苦笑いを浮かべた。



はぐれオークとの距離を近づける。

こちらが風下なので、匂いや音で気付かれる事はまず無いと思われる。

その距離約300m。

やはりエクスがしたサーチのせいで、バレたり避けられたりしてたようだ。

つまり魔法を使うと集落のオーク達にバレるとも考えられる。


「刀を買っておいて良かった・・・」


低木(ていぼく)のおかげではぐれオークに近づくのは容易(たやす)かった。

しかもオーク達は低木(ていぼく)を避けながら歩くので、獣道が出来ている。

自分達の行動範囲を教えてくれるなんて上位種がいなければ呑気(のんき)な奴等だ。


とゆうか、一度も索敵されてない。

もしかしたら索敵の行為自体が存在しない?

獣だから匂いや気配とかだけなのか?

もしかしたら一周まわって、

ある意味いちばん呑気(のんき)なのは(エクス)なのかも知れない。



その後、はぐれオークに近づき、石や枝を遠くに投げ、

反対側に注視させて後ろから切る。インベントリに収納。


これを十数回ほど繰り返し、風上の集落に対して攻撃した時に

後ろに回り込まれる危険を(はら)んだ個体を排除した。



集落の中心はどうやら崖になってるようで、

サーチ内容では半円型に敵が分布している。

崖によく有る(くぼ)みや洞窟をねぐらにしているのだろう。




取り敢えず、できるだけ危なく無いように攻撃をしたく、

崖の上に行けないか探ってみる事にした。




読んで頂きありがとうございます。

また来てもらえると嬉しいです。

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