ep18 魔獣の金額
ギルドに魔獣を売りに行ったエクス。
いくらになる?
「それではこちらに出して頂けますか?」
大きいモノを買い取れる場所があり、その台に両手を差し出し受付の女性が促す。
「じゃぁこれをお願いします。」
何食わぬ顔で3メートル級のレッドベアーとウルフ3体をインベントリから取り出した。
「ひっっ!」
女性は小さな悲鳴を上げる。
そこには倒されたばかりの血の滴るレッドベアーと3匹のウルフが山盛りにされたからだ。
「お客様これはいつごろ倒された魔獣ですか?
なぜ上位種のレッドベアーを含めてお持ちになっているのですか?
誰が倒されたのですか?」
少し混乱したように繰り返し質問を繰り返してくる。
「えっと、、答えないと買い取ってもらえないんですか?」
「い、、いえ、そのような事は無いのですが、、」
女性は言葉を詰まらせながら
「ㇾ、、レッドベアーが出現しているとなると、調査隊を出して詳しく調べないといけませんので。」
「一週間ほど前に隣の国で倒したヤツなんで大丈夫ですよ」
「どう見ても倒したばかりじゃないですか。」
「えっ、あっ、新しい魔道具の試作品で、収納した時の状態を維持できるんですよ。」
「初耳です。何処が作っているんですか?」
「えっ、、無名の人で、、個人で作ってて、、まだ試作なんで黙っててくださいね。」
「はぁ、、分かりました。・・・ではどなたが倒したのかは、、?」
「ま、魔道具。魔道具です。これも試作品なんで詳しい事はちょっと、、、。」
「まぁいいでしょう・・・。これだけ新鮮だといい値がつくとおもいます。
しばらくお待ち下さい。」
そう言って小屋の中に入っていった。
「あぶないあぶない。何も考えていなかった。今後はどうするか考えておかないと。」
積まれた魔獣を見ながら途方に暮れるエクス。
しばらくして紙を手に持ち戻って来た。
「見積もって此の位の金額になります。
お入り用な部位が有りましたら言って頂ければ、解体費と部位の金額を引いて計算して参りますが。」
「いえ。その金額で良いです。お願いします。」
「分かりました。それではお金を用意しますので少々お待ち下さい。」
女性はまた小屋に入っていった。
すると男達が出てきて
「本当だ!こりゃ新鮮だわ! まだ温かいぞ?!」
と言いながら目の前で解体を始めた。
それを見ながら「解体の勉強して魔法で出来るようにしたいなぁ」と思うエクスだった。
基本魔獣を狩ってくる冒険者は
血抜きをしてなかったり、一週間前に倒した腐りかけだったり、解体が下手で一番いい部分を駄目にしたり、
とにかく品質がかなり悪いのが常識なのだ。
上位種を倒して血抜きして解体して冷やしてアイテムバッグに入れて街までダッシュなんてマメな冒険者は本当に数少ない。
今回のように死んだ直後の状態で持って来れれば血抜きや解体の手間賃が多少かかるとはいえ、全てを無駄無く解体出来るので、高額買い取りになりやすいのだ。
レッドベアーの解体が大方終わる頃、お金の確認の為に小屋へ呼ばれる
積まれたお金は金貨210枚と銀貨9枚だ。
日本円換算すると金貨1枚10万円銀貨1枚1万円なので2109万円となった。
レッドベアーは全部の部位が有り、魔石も有るので2100万
ウルフは魔石を取った個体を出した為、頭部無しで1体3万円との事だ。
確認を済まし、アイテムバッグに入れるフリをしてインベントリにしまう。
用心するに越したことはないのだ。
帰り際ウルフの解体もしていたのでそれを見学させてもらうのだった。
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エクスはようやく東門にたどり着く。
解体の見学に時間を使いすぎたようだ。もう昼に近かった。
もう少し早ければ隣街に行く馬車を捕まえられたかも知れなかったのだが、
この時間からだと馬車でも夕暮れ時までに着けるかどうか微妙なのである。
暗くなると魔獣が視認し難くなり、闇に溶け込んだ夜行性の魔獣も行動し始める。
その為、通常は午前中に出発するのが当たり前なのだ。
歩きでも明日まで乗り合い馬車を待つのも隣街に着く時間はさほど変わらないので、明日まで待とうかと思っていた矢先、一台の馬車がやって来た。
聞けば急ぎで隣街に行く所だと言う。
隣街到着が夜になるので危険ではあるが、それでも良ければ乗せてくれると言うので、お言葉に甘える事にした。
「ぼうずは何歳だ?何で隣街まで一人で行くんだ?」
エクスは道すがらこれ迄の事を話した。
「何だよ!かも知れないで5歳の子供を追放したって事かよ!ヒデェ話しだなぁ!」
「いえいえ。死罪も有り得たんで、追放で済んで良かったですよ。」
「そうかぁ?でもよくここまで来れたな、
普通なら死んだっておかしくねぇぞ?」
「両親が魔道具を持たしてくれて。そのおかげなんですよ。」
「おお!そうか!父ちゃん母ちゃんに感謝しねぇとな」
「はい!もちろんですよ。」
「そんなにスゲェ魔道具持ってるなら魔獣が出た時はよろしく頼むぜ。」
「はい!まかせて下さいね。」
会話が弾む二人を乗せた馬車は軽快に進んで行く。
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