6話 沸き上がる力
魔王は、立ち上がり両手を広げ、魔力を込めた塊を作り出していた。対する執事が、指を『パチッ』っと鳴らすと空間が歪んだ様に波打つ・・・
魔王「邪魔する奴は、消えろ!」
魔力を込めた塊は、どんどん大きくなり執事に投げ付けた!
執事が、その塊を素早く避けると塊は壁の中へと消えて行く・・更に魔力を込めた玉を連打する魔王だったが、執事に避けられ魔王の攻撃は全て壁の中へ消えて行った・・・
魔王「どういう事だ?なぜ壁をすり抜ける・・・」
執事「空間を少しズラしました。城を壊されたくないもので・・」
魔王「空間をズラしただとぉ!」
執事「見えてる世界は変わりませんが、我々2人だけ違う空間に居るのです。」
魔王は苛立ったのか、床を磨いている国王を蹴り上げたが、魔王の足は国王の体をすり抜ける。
魔王「クソッ・・小賢しい事を・・」
呟きながら執事を睨み付けた時、執事は一瞬で魔王の懐に入り込み、強力なパンチやキックを何発も浴びせ掛ける。
魔王「ングッ・・ンガッ・・」
たまらず膝を付く魔王・・・
執事「封印を解き、魔王の力を手に入れた事を咎めるつもりはありませんが、貴方を魔王だと認める事は出来ませんよ」
下から執事を睨み付ける魔王・・
執事「魔王の座は、選ばれし者がその座に付くのです。貴方は魔王の力を手にしただけ、力を手に入れただけです。」
そう言って、膝を付く魔王を蹴り上げた!
魔王「ングッアッ!・・・」
強烈な蹴りに魔王の体が宙に舞い、床に叩き付けられる!
執事「魔王の力を返すのです!今なら貴方を赦しますよ・・・」
床に這いつくばった魔王は、執事との力の差に・・この男には勝てないのか・・魔王の力なんて、こんなモノなのか・・・と感じていた・・・その様子を目にしたメリッサ
メリッサ「・・お母様、ゴードンって本当に強いのね!魔王を倒すなんて・・」
女王「・・それなら良いのですが・・・」
暫く床に踞っていた魔王だったが、急に笑い出した・・・
魔王「クックックッ・・素晴らしい・・なんて力だ・・・この力を手放すものか!お前も知っているだろ!この沸き上がって来る感覚!込み上がる力を!」
魔王は、力強く立ち上がった!
魔王「オレを倒せるなら倒してみろ!」
執事を睨み付け、不適な笑みを見せる・・・
メリッサ「・・なんだか・・さっきより元気になったみたい・・・」
不安になるメリッサ・・・
女王「・・・ゴードンがどれだけ強くても魔王には勝てないの・・・」
メリッサ「えっ?・・どうして・・」
女王「魔王の力は、全ての魔物の命と繋がってるのよ・・魔物を全て倒さない限り力を失わない・・魔物が魔王を倒す事は不可能なの・・・不死身よ・・・」
メリッサ「じゃあ、ゴードンが負けるって事?・・・」
女王は静かに頷き・・・
女王「それはゴードンが一番分かってる事よ・・・」
メリッサ「そんな・・」
魔王の体は、沸き上がる力が溢れだし、魔力が黒い闘気となって体を包み込み、風が巻き上がっていた・・・