1話 魔女の血
格式高い家柄の娘メリッサ。彼女は意識を失いベットに横たわっていた・・・心配そうに見守るサーシャ・・父と執事が深刻な顔で話している・・・
父「・・恐れていた事が起きてしまったな・・・」
執事「はい・・最悪の事態は防げましたが・・・」
父「次は、もう押さえ切れないと言う事か・・」
執事「・・それは何とも・・・上手く治まってくれれば良いのですが・・見守る事しか・・」
父「・・うむ・」
父が心配そうにメリッサを見詰めると、メリッサがパチッリ目を覚ました。
メリッサ「あら!私、なぜ寝てたのかしら・・・」
ケロっと起き上がるメリッサ。
執事「お嬢様は、気を失い倒れられたのですよ・・」
メリッサ「そうなの!でも、どうして・・」
執事「マリア嬢の結婚相手をあれこれ考えている内に妄想が暴走し、血が騒ぎ出したのでしょう・・」
メリッサ「血?・・・」
父「お前の母親・・魔女の血だよ・・」
メリッサ「魔女の血って・・・じゃあ、もしかして私・・魔法が使えるの!」
期待と喜びにメリッサの目が輝く!
父「・・メリッサ・・」
喜んでいる様に見えたメリッサに父が不安を感じていると執事が
執事「魔女になれば魔力を使える様になりますが、そうなれば、お嬢様は人間の姿で居られなくなるでしょう・・」
メリッサ「そうなの・・・」
父「妄想する事で血を呼び覚ますきっかけになる様だ・・気を付けるんだメリッサ・・・」
メリッサ「・・・そう・・」
父親が忠告したが、メリッサには自分に流れる母親の血を目覚めさせる事が、悪い事とは思えなかった・・・
メリッサ「私はもう大丈夫よ!サーシャもありがとう・・・」
そう言って1人になったメリッサは、ベットの中でいろいろと妄想しまくった。が、体に何の変化も感じない・・
メリッサ「何なの!どういう事よ!ガッカリだわ・・」
メリッサがつまならそうな顔をした時、突然大きな音と地響きが屋敷全体に鳴り響いた!
メリッサが飛び起きて部屋を出るとサーシャと父親、メイド達も右往左往していて、更に爆音と地響きが鳴り響く!そこに執事が飛び込んで来た。
執事「ミサイル攻撃です!早く地下へ避難を!」
突然のミサイル攻撃に慌てて地下へと逃げ込む
執事「ここなら安全でしょう。私は王宮へ行って何が起こっているのか聞いて参ります。」
そう言って、執事は王宮へ向かった・・・
暫くして攻撃がピタリと止んで静かになるとメイドが
メイド「私、紅茶を入れて参ります。」
メリッサ「気を付けて!」
メイド「はい、お嬢様。」
上の台所へ行き、紅茶の入ったポットとカップを幾つか持って来たが、困った様子のメイド・・・
メイド「・・あの・旦那様、お客様がお見栄になられてます・・・」
父「なっ!こんな時に客人とは・・一体誰だね・・・」
メイド「ガルバダン国王のルンバ2世様です・・」
メリッサ「ルンバ2世ですって!あの国王がまた来てるの!早く追い返して頂戴!」
メイド「・・それが・・もう、ここまで来てまして・・」
ズカズカと国王が入って来た・・・