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香乂さん

あれから一週間が、経った。


香乂さんが、帰ってこなくて、私達は警察に言えずにいた。


barは、大乂君が、開けていた。


カランカラン


「いらっしゃいませ」


「お兄さんは?」


「まだ、何も」


悲しそうに目を伏せていた。


暫くして、並木さんと舘野さんもやってきた。


リリリリーン、けたたましい音が鳴り響いた。


大乂君は、スピーカーにした。


「もしもし」


「お前の兄貴、うぜーぐらいに強情だな」


「兄ちゃんを返せ」


「返してやるよ。」


プー、プー


ドガ、ゴンッ


店の前で、凄い音が聞こえた。


「キャーー」


叫び声がして、外に出た。


外に出ると、香乂さんが倒れていた。


「救急車、救急車」


舘野さんが、かける。


私は、コートを脱いでかけてあげる。


「大乂…」


「兄ちゃん」


「ご……め……」


「兄ちゃん、死なないでよ」


「あ……り……」


ピーポー、ピーポー


救急車が、やってきた。


「大乂君、乗って」


「これ、店の鍵です」


私達三人は、鍵をかけて警察に行った。


最初は、頭おかしいやつ扱いされていたけれど、通行人の一人がやってきて、男性が放り投げられたと話してくれた。


10年前の事件の犯人で、あることも話したが理解してもらえず…。


とりあえず、香乂さんの事件の捜査はしてくれると言う話しで、私達三人は、家に来てもらった。


指紋をとったり、靴のサイズをメモしたり、写真も提供したり、歯ブラシも、渡したりと協力出来る事は全てした。


「捕まるのも、時間の問題だよね」


「ホントに」


私達は、香乂さんが運ばれた病院に来ていた。


「すみません」


「大丈夫でした?」


「はい、暴行されたり、車から放り投げられたりしましたが大丈夫でした。」


「よかった」


「警察に話していただきありがとうございました。さっきまで、話を聞かれてました。」


「もう、香乂さんが狙われて欲しくないから」


「ありがとうございます」


私は、大乂君に鍵を返した。


.

.

.

.

.


それから、二週間が経った。


三人は、逮捕された。


事件の全貌が、明らかにされた。


それは、あの日話した内容とは全く違った。


「香乂さん、大丈夫ですか?」


私達三人は、お見舞いに来ていた。


「ニュースや週刊紙を見た?」


「はい」


「自分達のせいだと思ってる?」


「はい」


私達、三人の顔を香乂さんは見つめてる。


「そうじゃないと思うよ」


そう言って、笑ってくれた。


「一週間、酷いことされたんですよね?」


「まあね。口に出して言えない事をされたよ。まあ、週刊紙に少し載ってるよね」


香乂さんは、笑っていった。


「助けてあげられなくて、すみませんでした。」


私達、三人は頭を下げた。


「何で、謝るの?花井さんと並川さんと舘野さん、それに大乂に怪我がなくて、私は、本当によかったと思ってるよ」


香乂さんは、ニコッと微笑んだ。


「まだ、されるかな?って思ったけど…。向こうが、空しくなったみたいで捨ててくれてラッキーだったよ」


「力でねじ伏せられなかったって供述していましてね」


「ああ、私は、言うことを聞かなかったから…。さすがに、聞くのは違う気がしてね。自分の中の信念を曲げたくはなかった。それに、あの三人を、お店のお客さんに私は選ばなかった。その気持ちは、譲れなかった。」


「香乂さんの考えは、正しかったと思いますよ。」


「どうだろうね。そうだといいんだけどね。もしかしたら、もっと話を聞いていたら違ってたかも知れないし」


「そんな事ないですよ。」


「ありがとう。私もあの時の私の考えを否定したくなかったよ」


香乂さんは、そう言って涙を流していた。


「あの日、きちんとタクシーに乗せるべきだった。」


「あの日の三人を覚えていますか?」


「覚えてるよ。凄く楽しそうに三人で飲んでいたから。」


「そうだったんですね」


「キラキラした笑顔で笑っていたよ」


香乂さんは、そう言いながら窓の外を眺めていた。



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