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異世界転生した鼠小僧は義賊になる  作者: とんし
幼年・少年期編
8/38

#8 逃走用ソーサリーファクト

これからの更新は金曜日、土曜日、日曜日の23時に行っていこうと思います。

次郎吉は早速逃走用のソーサリーファクト作製を開始した。形は靴で足に作用するソーサリーファクトを作ったのだが、問題が発生する。


まず単純なスピードアップを狙うなら風属性のソーサリーファクトが一番安全かつ簡単であることが判明したのだが、これを作っても意味がない。何せソリスの人たちも同じソーサリーファクトを使ってくるので、逃げ切れる保証がないのだ。


足の速さと身軽さには自信がある次郎吉だが、こっちが足の速さを反映させても相手が同じ土俵で戦ってくれるのかわからない時点で風属性の逃走用ソーサリーファクトは作製しても意味がないという結論に至った。


となると残されたのが単純に風より速い光属性と雷属性。後は地面を凍らせて滑る速度を出す氷属性だ。


光属性はただ速度を出すなら最速の属性である。ただ問題があった。次郎吉が試してスイッチを押して靴を投げてみると靴は光速で移動し、岩に激突して靴は真上に打ちあがると落下してきた。


「……履いたまま実験したら俺っちは死んでいたか全身骨折ぐらいはしていそうだな」


残念ながら江戸時代には自転車や車が無い。在っても人力車なのだが、それでも次郎吉はスピードがあるほうが物に激突したときに痛いことぐらいは経験で知っている。


このように光属性は制御が難しい。何せ光は基本的に直線にしか進まない性質がある。何も障害物がないなら最速なのだが、ちょっと障害物があるだけで御覧の通り予想だにしない方向に曲がってしまう。


光が反射する方向などを計算できるなら制御は可能なのだが生憎次郎吉は学者ではないので、光属性は諦めるしかない。


次に氷だが、風よりスピードが出なかったので却下。地面を凍らせるので相手が地面を走って追ってきてくれるならアリではあったのだが、ソリスが使っているソーサリーファクトを見た感じ滑空しているように見えたので、地面を走ってくれることに期待できないと次郎吉は判断した。


となると残されたのが雷属性だ。速度は光の次に速く、光よりは制御ができる。その方法が電磁力を利用する方法だ。簡単にいうと磁石のプラスとマイナスが引き合う原理を利用する。


次郎吉にとっては馴染みがない理論ではあったが実際に経験できるなら理解はできる。理解が出来るなら応用も可能だ。次郎吉が考えた理論を説明しよう。


まず逃走用のソーサリーファクトをプラスにして、逃げ先の設置したソーサリーファクトをマイナスにする。そして逃走用のソーサリーファクトが近づくと逃げ先に設置したソーサリーファクトが起動するように設定する。


結果としてプラスとマイナスが引き合うことで強引に移動先を変えることが可能だ。ただずっと発動していると引きつけ合い続けるので、時間指定で逃げ先に設置したソーサリーファクトは切れるようにしなければならない。


ここで次郎吉は自分が逃げる姿を想像する。


「いけると思うがこのままだと着地の時に俺っちが死ぬな……命を守るためのソーサリーファクトも作らないとやばそうだ」


理想的には町中に逃げ先のソーサリーファクトを設置するのがいいのだろうが生憎お金も時間もない。最小限で逃げるためには何も障害物がない空を使うのが一番いい。しかし空に一度逃げると地面に着地したときに死ぬ。


水に落ちることも考えて、町の外にかなり深さがある大きめの溜池を見つけた。しかし次郎吉は高いところから水に落ちても死ぬときは死ぬと知っているので急遽本で紹介されていた衝撃を緩和する風属性のソーサリーファクトを作ることになった。


更に次郎吉が考えていたプラスとマイナスの理論も本で紹介されてはいたが自作するのは難しく、この理論が使われている部品を買うしかない。


こうして次郎吉がこの町で最後の泥棒に挑むために用意したソーサリーファクトは全部で四つ。まず一つ目は逃走用のソーサリーファクト。次は二つ用意した逃げ先を決めるソーサリーファクト。これは空に逃げる用と空から溜池に向かうために二つ用意する必要があった。最後は安全装置のソーサリーファクトである


結果、お金が吹き飛んでしまったが泥棒を成功させるなら問題はない。


次郎吉は朝のうちに逃走ルートを決めて、夜中のうちにビルの屋上の先に逃げ先を決めるソーサリーファクトの一つ目を設置した。そして二つ目は町はずれにある溜池に浮かべる。これで最悪の場合を想定した逃走ルートは確保できた。問題があるとするなら実験する余裕がないこと。


「ま、捕まっても死ぬわけだし、ぶっつけ本番上等だな」


こうして勝負の夜を迎える。次郎吉は本拠地にしていた教会の屋根裏でほっかむりを装備すると宣言する。


「さぁ、俺っちを捨てたくそばばあ。お仕置きの時間だ。鼠小僧がやって来るぞ!」


次郎吉はそう宣言すると自分が生まれた家に向かうのだった。

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