#65 最奥の収容所までの道
こうして侵入した次郎吉はファリース侯爵の執事が用意してくれた看守の服のお陰で誰にも気付かれることなく、刑務所に入ると刑務所の中にあるトイレに入り、最初に説明した方法で怪盗キャリコの位置を知る。
そして次郎吉はいよいよ最高難易度の収容所に入る。入るのは襲撃したことで看守の出入りが頻繁に行われたことで入る看守に混じって入るだけでなんとかなかった。だが問題はここからだ。
(聞いていた通り、凄い量のセンサーと映像機だな。しかも全部俺っちが知る限りでは最新式だ。ここの刑務所だけでいくら使っているのか想像したくないな)
ここから防犯のソーサリーファクトのオンパレードだ。センサーが張り巡らされており、登録されていない人がセンサーに触れると警報が鳴る。しかも最新版のセンサーは地面や壁にセンサーの光が反射しても効果が発動されるようになっている。
これは光が直線だと次郎吉の従来のソーサリーファクトのように攻略されやすいことから光の反射させることでより複雑なセンサー網を実現された。
しかもセンサーのソーサリーファクトは今まで固定式だったが最新版では左右上下に動くようになっている。これでセンサーの光も動くようになり、より攻略されにくくしている。
これに加えて監視カメラと同じ性能を持つ防犯のソーサリーファクトまで登場した。センサーと目視による監視を次郎吉はここからすり抜けないといけない。
そんな状況に対して次郎吉は不敵に笑むとまずピアスのソーサリーファクトを起動される。すると次郎吉の目にセンサーの光が目視で確認できるようになる。これは対センサー用に次郎吉が開発した新しいソーサリーファクトだ。
最新のセンサーだとまずセンサーの光を目視で視認できないと勝負にならないことから開発された。防犯のソーサリーファクトの位置から光の反射などを計算できる人間ならこの手のソーサリーファクトは必要ではない。
しかし次郎吉は泥棒の天才であって計算の天才ではない。なので目視でセンサーを見えるようにしないと勝負が出来ないのだ。
そして次郎吉はベルトのソーサリーファクトを発動されるとセンサーの光が次郎吉に触れる。すると防犯のソーサリーファクトの警報が鳴らない。そのまま次郎吉が歩いていき、次々センサーの光に触れるが結果は同じだった。
これは正確にはセンサーの光に次郎吉は触れていないから防犯のソーサリーファクトが発動していない。次郎吉が使ったベルトのソーサリーファクトは使い手が指定した使用者の近くの空間に光を遮断する効果がある闇属性の極小の障壁を展開するという代物だ。
次郎吉がセンサーを目視で確認できるようにしたのはセンサーの光の動きに合わせてこの障壁を自分の周囲に展開させるためである。
しかし闇の障壁を展開していたら周囲の看守や監視カメラに気付かれそうなものだが次郎吉は怪しまれていない。その理由がこの障壁の大きさだ。障壁の大きさがセンサーの光の太さと同じ大きさとなっている。凄腕の魔導師ならわずかな障壁の発動に気付き、なぜこの人はこんなことをしているんだろうかと疑問に感じることは出来るだろう。
だが、そんな凄腕の魔導師を看守にする余裕など国にはありはしない。そんな魔導師なら王都のソリスや国所属の騎士団に入るべきだ。故に次郎吉は気づかれることなく収容所を進んで行く。
監視カメラのソーサリーファクトで次郎吉の動きは補足されているが気付かれない。これは無理もない。センサーの光に対して正面から障壁で受けているせいでセンサーの光が逆に監視カメラの邪魔をして次郎吉が触れているようにしか見えないのだ。
これがもっといろんな方向から監視出てきていたら次郎吉がセンサーの光を受けていない違和感に気付くことが出来たかもしれない。しかしまだ技術が誕生して間が無い代物な上に次郎吉はそのソーサリーファクトの存在を知っていたのが致命傷となる。
数が少ない監視カメラなんて位置が分かれば対処は簡単だ。しかもその映像範囲までバレていたらいくらでも対処できる。それを有言実行しているのが次郎吉だ。
次郎吉が収容所を進んで行くと扉に辿り着く。この扉を開けるためには金庫のようにダイヤル式のパスワードを入力し、結界のソーサリーファクトと同様に登録された人物でなければならない。
次郎吉が扉に辿り着く前に手を差し出すと手袋から魔力ラインが伸びて扉に触れるとハッキングを開始する。そして次郎吉が扉に触れると警報が鳴らない。腕の動きは扉のノブを掴もうとしているように見えず、魔力ラインは通常の目視では見えないほどの代物だ。
その結果違和感がほぼないほどの鮮やかなハッキングとなる。そして次郎吉がハッキングで得た扉のパスワードを有力して扉を開けると新たな収容所に辿り着いた。そして次郎吉は歩いていき、また扉を一つ突破して三つ目の収容所に辿り着く。
ここがゴンドーラ刑務所の一番奥にある収容所でこの国で死刑や無期懲役などの判決を受けた極悪人が捕まっている収容所だ。ここの収容所の五階にある牢屋に怪盗キャリコが捕まっている。後は彼女の牢屋のところまでいき、ソーサリーファクトで鍵をかけられている牢屋をハッキングで突破して彼女につけられている手錠や足枷を外せばとりあえず最初の任務は完了となる。
しかし物事は簡単にはいかないものだ。
「そこのお前、止まれ」
次郎吉が歩き出すと次郎吉が開けた扉から一人の看守ではなく武器を構えたソリスに声を掛けられた。その彼の正体は怪盗キャリコを追っていたソリスであるエッティスチーフだった。




