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異世界転生した鼠小僧は義賊になる  作者: とんし
青年期編
54/65

#54 ファリース侯爵の執事からの依頼

王都シルファードが大荒れしている中、王都シルファードにあるビオラのお店ではビオラたちが状況を見守っていた。


「怪盗キャリコの自首で一旦今回の一件は収まりそうね」


「そうですけど、今まで悪い政治家や貴族を相手にしてきた怪盗が自首なんてするんでしょうか? 確かに今回の騒動の原因だとは思いますがどうしてもジロキチと同じようなことをしてきた人があんな行動するように思えないんですけど」


コーネがビオラに質問するとビオラが答える。


「その意見には同意するわ。そもそも放火で家が燃やされて新聞会社も潰されてた。更に新聞会社の社長と記事を聞いた記者は死亡。これで自分が怪盗である証拠が無くなったと言えるわ。もちろんソリスが潰れた会社から証拠を手に入れたなら自首するのも納得がいくけど、会社が燃えて証拠が残るとは思わないのが普通だと思うのよね」


ソリスが証拠を押さえたなら王都シルファードから逃げ出すしかないがここから脱出するのは至難の業と言える。下手に門番などの国所属の騎士に手を出したら、国家反逆罪まで適応されたら国外に逃げるしかない。流石に国所属の騎士や魔導師たちに追われて逃がすほど国は甘くはない。


そのことを考えると素直に自首を選択するのは犯罪者としては当然の判断の一つと言える。しかし今回の自首は自分が犯罪者であるという証拠がない状態での自首だ。ここにどうしても『アルバ』のメンバーは疑問を感じずにはいられない。


「うーん……じゃあ、証拠があるから自首したってことになりますよね?」


「そうだけど、あたしの情報網によるとソリスがそんな情報を手に入れたっていう情報はないのよね。寧ろ今でも瓦礫の中から証拠を探している様子がうかがえるくらいだし」


「あ、それならあたしも見ましたよ。 ファリース侯爵の家にもソリスがたくさんいました」


「ファリース侯爵のほうは放火暗殺事件だからしょうがないし、新聞会社への魔術の使用は犯罪だから怪盗キャリコの一件とは別として捜査しているかも知れないけど、自首するタイミングも微妙に日数が経過しているところが不気味なのよね」


ビオラのこの言葉を聞いたコーネはビオラが何を言いたいのか理解する。自分は過去にそれをされたことがあるし、最近ゲオリオがソーサリーファクトで他人に操られるという事件が起きたばかりだ。つまり怪盗キャリコが何者かに脅されているか何かされた可能性をビオラたちは疑っている。


しかしこれは事件発生から自首するまでの期間が何故か数日空いているという状況的な疑問から来る憶測でしかない。


「この話はここまでにしておきましょう。あたしたちには関係がない話だわ」


「そうですね! それでビオラさん! あたしに次のお仕事ください!」


コーネがそういうとお店の店員さんがコーネに料理が乗ったトレイを渡す。


「コーネさんはお店の手伝いをしてください」


「……はーい」


コーネは渋々お店のお手伝いをする。それから数日経過するとビオラのお店に老人のお客様がやって来る。その人物と最初に接触したのはコーネだった。


「いらっしゃいませー! お一人様ですか?」


「一人ではありますが料理を食べに来たわけではありません。ここの店主であるビオラ殿と面会させていただきたい」


「えーっと……ご用件を伺ってもよろしいでしょうか?」


「……仕事の依頼です。これで私が何を依頼したいか分かっていただけますかな?」


コーネは『アルバ』への仕事の依頼だと理解したが『アルバ』の正体は普通の人には知られていないので、コーネや他の店員からしたらかなり怪しい人物に見える。


「あの大変失礼ですが、お名前を伺ってもよろしいでしょうか?」


「私のことならビオラさんがよくご存じだと思いますよ」


「……わかりました。ちょっと店長に話してきますので、二階の奥の部屋でお待ちください」


「わかりました」


「コーネさん。お水を出してあげてください」


こうしてコーネと老人が部屋でビオラを待っているとビオラがやって来る。


「お待たせしました」


「私のことはご存じですかな?」


そういうと老人はローブのフードを取る。そこから現れたのはファリース侯爵の執事をしていた老人だった。そして国と精通しているビオラが彼を知っていないはずがない。貴族のパーティーには執事が同行することが多いので、直接知る機会がなくとも知る機会はかなりあった。


「あなたは……仕事の依頼でしたね? どうぞ私の後に付いてきてくださいませ」


「感謝します」


老人は自分の正体を秘匿してくれたことと話を聞いてくれることに対して感謝を述べて、ビオラの社長室に入るとカーテンで外の光を遮断すると本題に入る。


「ファリース侯爵の執事の方でよろしかったでしょうか?」


「正解です。あなたに知られていて良かったですよ。今ほど貴族のパーティーに参加しておいて良かったと思ったことはありませぬ」


「そうですね。それでお仕事の依頼という話でしたけど、今王都シルファードで起きている事件の件でしょうか?」


「はい。仕事の内容は『キャティス・ファリースを刑務所から脱獄させて欲しい』というものです。現在の私は命を狙われている立場なので、この仕事に関してまずは国に問い合わせして見てください。明日改めてここに来ます」


そういうとファリース侯爵の執事はお店を後にするのだった。

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