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自称悪役聖女は今度こそ生き延びます!  作者: りおん
2章 マルクとシェリアの出会い編(むしろエドガーとの出会い)
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喧嘩なら買って差し上げますわ

シェリア目線に戻ります

エドガー王子が一度部屋に来て以降、1週間ぐらいは問題もなかった

あまりしつこいと不信感を抱かれると思ってるのか、今までもエドガー王子の接触はしばらく間があいていたし

聖女としての教育環境はすぐに整うものではない。



しかも相当な好待遇だ。聖女に対しての対応が国王に次ぐものだというのは、私の態度がどうであれ変わらないらしい



そのせいなのか、少し気が緩むと侍女に笑顔でお礼を言ってしまったり、騎士を労ってしまったりと『悪役聖女』が板についていなかった

まぁ、今日は機嫌がいいのだろうとほとんどの人間がスルーしていたのだが。



残念ながら全員ではなかったのが事実だ




そしてスルーしなかった1人、騎士団団長のマルク・リーディン。

お察しの通り、警戒対象の1人でもある




(そろそろ、マルクが接触してくる頃)



今までの記憶によると、チヤホヤされている『聖女』に反感を持ったマルクが

騎士団を連れて『聖女』の元を訪れる


マルクの対応で1番困るのは、時期はある程度決まっていても場所が全く決まっていないことだ



(どっちにしても、喧嘩を売ってくるなら買えばいいだけよ)



今までは穏便に過ごそうと、あまり相手にしないようにしていたのだが今回はそうも言っていられない。チヤホヤされてはいないが、記憶にあるマルクはそんなこと関係なく関わってくるはずだ。


どう頑張っても物理的な力では勝てないが、最悪『聖女の力』を使おうと決意した







決意して数日後、シェリアは庭で花を愛でていた


シェリアは昔から花が好きで、時々庭にきて様子を見ている

綺麗に手入れされている庭は、庭師の技量をよく表していた



「あっ、この花増えてる!」



ピンクの小さい花を見て、シェリアは嬉しそうに微笑む




すると、後ろから鼻で笑ったような声が聞こえた




「性格の悪い聖女様もそんな顔をするのだな?」





その声を聞いたシェリアはビクッと肩を揺らすとため息を吐きつつ顔を上げる




そこには予想通り、マルク・リーディンが騎士団を連れて立っていた




(何もこんなところに来なくてもいいのに)




この庭はあまり立ち入る人間が少ないのが好きだったのに、と再びため息を吐く





「何だ?俺がきたことがそんなに嫌か?」




いわゆるドヤ顔をするマルク。シェリアの嫌そうな顔を見て嬉しそうにしている

嫌がらせにきたことを隠そうともしていない





----



マルク・リーディン

リーディン家公爵の次男で、国王直属の騎士団団長。

高慢な態度に多少反感を持つ者はいるものの、それに見合った実力を示しているため文句を言うものはいない




(この人は別に、変な秘密とかはないのだけど)



強いて言うならこんな性格になってしまった原因とも呼べる、リーディン家長男のライドのことだろうか



ライドは素晴らしい才能と比例するように体が病弱だった


しかし長男でかつ才能に溢れたライドは周りの期待を一身に受けており、そのストレスで更に体が弱っていっていた



その様子を見ていたマルクは、自分がライドに代わるべく必死に努力し、自分の存在を示すように行動するようになったのだ


まぁ、やり過ぎて嫌がらせのようなことが増えたので同情の余地もないが。




(全部ライドに聞いたんだけどね)




実は、ライドとシェリアは前の人生で何度か接触がある。

普通に生きていたら関わりはないが、あれだけ人生を繰り返せば関わらない方が難しい



ライドの体は今なお弱っており、何もしなければ1年と待たずに死ぬ

今の医療では治すことができないのだが、実は聖女の力で治すことが可能だ



(今回は、治せないかもしれないわ...)



悪役聖女を演じきると決めた手前、ライドに接触する言い訳など思い浮かばない

ライドに恨みはないし、むしろ助けてあげたいのだが諦めるしかないだろう


聖女であるシェリアにとって苦渋の決断ではあるが、自分の命には代えられない




(どっちにしても、今は目の前のことが先ね)




勝ち誇ったような顔をしたマルクを見て、シェリアは3度目のため息をついた

マルク登場回です

ライドは、警戒対象ではないですが、今後も出てきます

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