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自称悪役聖女は今度こそ生き延びます!  作者: りおん
1章 エドガーとシェリアの出会い編(出会ってないけど)
6/37

前言撤回、なかなかに興味深い

エドガーがシェリアの部屋に訪れた時の、エドガーsideです

『聖女』が部屋に向かった後、エドガーはすぐさま後を追った



(とりあえず『聖女』は無害だろう

護衛を連れて行こうかと思ったが、無害ならば必要ない。俺の権力をどの程度把握しているかは知らんが、まぁ王子だと名乗れば大丈夫か)



博愛主義などという胡散臭い存在であったならエドガーも警戒していただろうが

シェリアのあの態度は良くも悪くもエドガーの警戒対象から外れたらしい




俺が聖女の部屋に辿り着くと、部屋の中から「うーん」と間の抜けた声が聞こえた



(さっきの強気な態度はどこへ?)



『聖女』のアホっぽい声に拍子抜けしたが、気を取り直してドアをノックした



少しして「はい」と声が聞こえる




(...緊張しているな。まぁ、当たり前か。

とりあえずは敵意がないことを示そう)




「エドガー・アルゴットだ。召喚されて間もない聖女様は知らないと思うが、この国の第一王子だ」




第一王子は1番模範的な王子としての性格をしている

優しすぎずキツすぎない。警戒心を解くには1番だろう



しばらくして、扉の奥から『聖女』の声が聞こえる



「王子だからって何ですの?私には関係ないことだわ。

そもそも私は休むと言ってこの部屋に来たのに、それを邪魔するのは失礼じゃなくて?」



言っていることは、予想通り。

先ほどの国王への態度を考えればこういう返しは想像がついた


だが声が震えている。国王の前でさえ声までは震えていなかったのに、だ。



(部屋だから自制しきれなかっただけか?いや、緊張や恐怖なら普通逆だろう。むしろ対面すらしていないのだから。とすると...)



この『聖女』は知っているのだ

国王よりも俺の方が権力があることを。

もしかしたら、反逆者を消していることまで知っているかもしれない




(いくら聖女でもそこまでわかるものなのだろうか...)



とりあえず、無難な返事をしておく



「あぁ、すまない。だが聖女様は初めてこの世界にきたのだし、何か困っていることでもあるのではないかと思ってだな」



そもそも『聖女』に接触する建前はこれだったのだ。おかしな点もない



「何もないわ」



一見怒っているように聞こえる短い返事だが、むしろ...



(この『聖女』は嘘が下手なのか?)



極力話さないようにしているようにも聞こえる。確証を得るべく、質問をしてみる



「ふむ...失礼かもしれないが、聖女様はなぜこの部屋のことを?」



もし聖女の力によるものだとしたら、こっちが勝手に召喚しておいて聖女の力について知らないというのは失礼だろう。違ったとしても教える気などないはずだ。

つまり、怒っているならば反抗してくるはずである



「聖女の力よ」



まるで何を聞かれるかわかっていたかのように『聖女』は即答した



(反抗しない...返事の早さも違和感がある。やはり何かを隠しているのか?

そもそもこれが聖女の力というのも信じ難いが、他に説明もできないな)




無理矢理部屋に入ってもいいが、警戒心を煽るだけだろう

適当に相槌を打ってそのまま引き返すことにした




(疑問は尽きないが久々の娯楽だ。早々に無くなってしまってはつまらないというもの)



知らぬうちに口角が上がっていたが

幸いにも護衛はいなかったので誰かに気づかれることはなかった

エドガーsideは一旦終わり、次回から他の人が出てきます

今後もこういう感じで進んで行く予定です

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