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自称悪役聖女は今度こそ生き延びます!  作者: りおん
2章 マルクとシェリアの出会い編(むしろエドガーとの出会い)
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腹黒王子の意外な一面

マルク出てきません

「そこにある花が好きなのか?」



シェリアの様子に気づいているのかいないのか

特に詮索はせずに、エドガーは先ほどシェリアが見ていたところをを興味深そうに見ている




「このピンクの花の話ですの...?まぁ、嫌いではないですけれど」



エドガーが何を言いたいのかわからないので、とりあえず否定も肯定もしないでおく



シェリアの返事を聞いたエドガーは「ほぅ?」と笑うとそのまま口を開いた



「確かその花は、クリスタルローズだったか。小さな花の周りにほぼ透明な花びらが重なっているから実際の色よりも薄くに見え、形は薔薇と似ているらしい」



花についてペラペラと話し出すエドガーに、シェリアは呆気にとられた



(エドガー王子ってお花に詳しかったかしら...?)



そんなはずない、と再び前を向くと

花を見ていたはずエドガーが、シェリアの方を見て性格の悪い笑みを浮かべていた



(ん...?)



嫌な予感に冷や汗を垂らしつつ、次の言葉を待っていると

エドガーはピンクの花がある場所を指して言った





「聖女さまはピンクと言ったが、俺には水色、要は青に見える」





「はっ?」




エドガーの言葉に、シェリアは呆気にとられた。どこからどう見てもピンクだ。いや、話からすると赤なのか。

どちらにしろ、間違っても青に見えるような色ではない


そんなシェリアを見て面白そうに笑いつつエドガーは続ける




「人によって見える色が違うらしくてな。

理由は未だわかっていないんだが、そもそもこの花、ほとんどの人間には透明に見えるらしく、ただの雑草だとしか思っていないようだ」



「雑草...」



もしかして今までは透明に見えていたから気付かなかったのだろうか

だとしたらなぜ今回は赤に...?




「なかなかに興味深いだろう?俺も今まで知らなかったんだが...

聖女様も調べてみるといい」



シェリアの反応に満足したのか、返事を待たずにエドガーは来た道を戻って行った



花の説明だけして帰って行ったことに多少の疑問を抱きはしたが

今日のエドガーがあんまり怖くなかったことへの安堵が大きく、特に気にもせず再びクリスタルローズを見た



(確かに、よく見ると透明な花びらが見える)



言われなければ気づかなかったなと、シェリアはエドガーに感謝した








このクリスタルローズ

のちにシェリアの運命を大きく左右することになるのだが、残念ながらこの時のシェリアは知る由もなかった

マルクとシェリアの出会い編(むしろエドガーとの出会い)の本編はこれで終わって

次回からはマルクsideとエドガーside書きます

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