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死獣神~肉の書~  作者: 天馬光
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白虎の武闘家(5)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の新たな物語。

 勝負は決した。そう思われたが、彼のもとにはまだ1人、社員が残っていた。それもかなり屈強で、これまでの下っ端とは比べ物にならないくらい強い大男が。


 男の名は剛田勇(ごうだいさむ)

 去年まで有名な総合格闘技の選手だったが、対戦相手と相手のセコンドと審判を殴り殺したことで、永久追放となり、現在は安藤金融の取り立てになっている。


 そんな情報を朱雀から聞いた青龍が鳥肌を立てていると、白虎と勇は誰に言われるわけでもなく、死闘を始めた。


 開始早々、白虎のかかと落としがモロにくらったかに見えたが、勇はなんと耐えきり、怒りに任せて白虎を殴り飛ばして壁に追い詰めると、そこから怒涛のラッシュで彼をボコボコにした。

 白虎のピンチに安藤はガッツポーズし、青龍と朱雀はマズいと思い救援に行く準備をするなど、両陣営の感情を背に受けながら勇は、手を休めずに拳を振るい続けた。

 やがて拳に手応えが無くなったと感じた勇は、肉片しか残らなくなったと思い、攻撃をやめて呼吸を整えた。まだ上にいる敵に備えるためである。


 そう考え、冷静になったところで勇は、足元を見て初めて気付いた。

 がむしゃらに殴ってる間に、白虎が制服だけ残してその場から消えていたことに。


「あのガキ! どこ行きやがった!?」

 トリックとしか思えない現象にパニックになった勇が辺りを見回すと、彼の背後にカンフーの使い手が着るような黒い服を身に纏ったほぼ無傷の白虎が立っていた。

 敵が無事だということに怒る勇に対し、白虎は対戦相手として賞賛の拍手をした。


「あんたやるねぇ。さすがだよ。なら、俺も少しは本気を出さねぇとな」

 そう言うと白虎は咆哮し、自身の秘めたる闘気を解放して、髪の毛を黒から白金色に変化させた。


 その変貌に、同じく見た目が変わる青龍は舌を巻いたが、その一方で朱雀は、彼から解放された闘気にあてられて、何やら様子がおかしくなっていた。


「あれが……白虎の真の姿……やねんな……?」


「みたい。本当にすごいよ。って、あれ? 朱雀、もしかして……また疼いてる?」

 青龍にそう聞かれて、朱雀は素直に頷くと彼にキスを頼み、2人は戦いそっちのけで熱い口づけを交わした。

 某有名戦闘民族の変身みたいですが、こちらは髪の毛は逆立ちませんし、怒りを原動力にもしません。

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