村の秘密(6)
闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。
これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の新たな物語。
神楽が龍にした話と全く同じことを黄泉から聞かされた大牙だったが、龍とは違い、すぐには受け入れられなかった。
「これでわかったであろう? あの臆病者の大罪人のために妾を殺すなど、愚かだと思わぬか?」
そう言われた大牙は動揺こそしたが、彼とてプロの殺し屋。それとこれとは話は別だということはわかっている。
「仮にそうだったとしても、俺が受けた依頼はてめぇを殺すことだ。んな裏事情知るか。わかったら、説得なんざやめて、念仏でも唱えてろ!」
大牙はそう言って黄泉に殴りかかったが、やはり黄泉の方が一枚上手だった。拳が当たるより早く、黄泉は念力で大牙の脳を掴んだ。
「ぐあー!」
「いくら念を消費しているとはいえのう、お前程度の者を殺すことなど、赤子の手を捻るより容易い。それにしても……」
そう言いながら、黄泉は大牙に近寄り、まるで吟味するように彼の全身を観察したり、撫で回したりした。
「見れば見るほど、いい男だな。ここまで妾好みだと、本気でホレてしまいそうだ。気に入った。お前を骸にしよう」
「けっ。ふざけんな。誰がてめぇなんかに殺されっか」
苦しむ大牙が強がってそう言うと、黄泉は大牙の額に手を当てて、
「何を勘違いしておる? 殺しはせん。お前は生きたまま骸にする。さぁ、お前の内に眠る負念を解き放て」
と、言って、念で作った2本の鬼の角を彼の額に埋め込んだ。
すると、大牙の顔に虎のような紋様が浮き出て、眼球が徐々に黒く染まっていった。
それから数十分後の夕刻。神楽の念の解放作業の手伝いを終えた龍は、彼女と共に禁断の祠から出てきていた。
神楽はお礼として、自身の念をこめたことで、持ってるだけで黄泉の脳を攻撃する技・強念滅壊を防げるようになったお守りを龍に渡した。
その直後、神楽は村の危機を感じ取った。村人達が次々と惨殺されていっているのである。
「村人達がって……まさか黄泉さんが!?」
そう聞かれた神楽は否定し、誰がやっているのか遠くにいる犯人の気配を探った。
「この感じ……殺しているのは、大牙さんです」
まさかの犯人に、龍は驚きを隠すことができなかった。
信じられないといった様子の彼に神楽は大牙の気と心を探り、そうなった原因と今の状態を伝えた。
「僕のせいで、大牙君が骸に……」
「はい」
「これは、お互い大事な戦いになりそうですね」
激戦が予想される状況に、龍は青龍の姿になって気を引き締めると、神楽と共に彼らの元へと向かった。
いよいよ次回英理村編決戦です。
白虎の悪堕ちはレアなだけに見ものだと思います。




