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姫の初登校(3)

 闇に暗躍し、ターゲットの命を奪い取る裏稼業・殺し屋。

 これは、その中でも最強と謳われた1人の殺し屋と仲間達の新たな物語。

 そんなほぼ初めての学生生活を、苦々しい思いをしながらも満喫していたこの日の昼休み。龍と新婚夫婦のようにべったりくっついたところを雲雀にみつかり、またバトルとなったことでゆったりと食事を楽しめなかった澪は、


「まったく。あの人はことあるごとにつっかかりすぎです」

 と、ぶつくさ文句を言いながら、校舎内を歩いていた。


 とはいえ、家に帰ればこっちのもの。そう思った澪が築年数の古い西校舎を散策していると、他のクラスの生徒達が挟み込み、一気に取り囲んだ。

 同じクラスの連中が周りにチクったことで校内に広まり、いい餌をみつけたと思った悪ガキ共が徒党を組んで、彼女をいじめようと、跡をつけていたのである。


 いじめっ子らは、澪を囲んで逃げられなくすると早速、彼女の容姿や太陽神教のことをネタに嫌がらせをしてきた。

 最初、澪は抵抗していたが、痛いところを突かれたり、逃げられないと知ると、弱腰になり助けを呼んだが、昼休みに特別教室のある西校舎に行く生徒などほとんどおらず、誰も来る気配はない。

 生徒らはそれをいいことに澪に詰め寄り、乱暴を働こうと彼女の手首や肩を掴んだ。


 こんなことなら学校なんて来なければよかった。澪がそう思い始めたその時、彼が助けに来た。


「澪さん。大丈夫? 怪我してない?」


「龍、さん……」


 そう、その人物とはもちろん龍だった。龍は澪を掴んでいた生徒の手を背中に回して関節をきめながら、彼女の無事を確認すると手を離し、心をケアするように澪の頭を優しく撫でた。

 が、やはり、いじめてた側としては、龍の登場は面白くないらしく、


「おい、龍! お前、邪魔なんだよ! そんな奴どうなろうが、お前の知ったこっちゃねぇだろうが!」


「そうだ! わかったら、さっさとどけ! でねぇと、お前もそいつと一緒にボコボコにすんぞ!」

 と、口々に怒りや不満をぶつけた。

 彼らから飛び出す汚い言葉の数々にも一切動じない龍は、澪の頬を撫でて、


「安心して。すぐ終わらせるから」

 と、微笑みながら囁いた。


 その直後、


「いいかげんにしてくれないかな?」

 龍はそう言って睨みつけ、彼らの陳腐な怒気や虐待衝動を、殺し屋仕込みの殺気で吹っ飛ばした。

 いつもののほほんとしている彼とは違う目つきと様子に、いじめっ子らは全員たじろぎ、恐怖で鳥肌が立った。あと一言でも彼や澪に対する暴言を吐いたら、間違いなく殺される。彼らは本能的にそう思ったことだろう。


「澪さんが、どんな想いでここにいるのかわかってないくせに、よくそれだけのことが言えるね。それがどれだけ愚かなことか、僕がわからせてあげようか? 今すぐに」

 龍にそう脅迫された生徒らは、彼の威圧感と殺気に圧されて腰を抜かし、中には失禁する者もいた。


 このままだと生徒らが一斉土下座するか、龍が制裁を加えるかしかねない状況に、澪は怯えや戸惑いを覚えていたが、間一髪のところで騒ぎを聞いた教師らが駆けつけことで、事態は収束。職員室でいじめっ子と龍が互いに謝るという形で手打ちとなった。

 龍の殺気は常人が放つそれとは比べものにならないほど強く、対象者に殺されるイメージを脳に直接叩き込むことができます。

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