06
「キャーッ!何なの、何なの、こいつら!?」
「見てのとおり、ゾンビだよ」
俺は土ブロックをインベントリーから取り出し右手に持つと、地面に置いてその上にヒョイと飛び乗った。
「何ッ!?何しているのヨ!?」
「多勢に無勢。逃げるのさ」
俺は土ブロックの上で軽くジャンプし、すかさず次の土ブロックを足元に積み重ねた。
真央はポカーンと口を開けて、俺を見ている。
土ブロックを積んではその上に飛び乗りを繰り返し、20ブロック積み上げると12メートルぐらいの高さの土の塔ができた。
これで一安心。
俺はその頂上に立って足元を見下ろした。
「あ、あんた!か弱い女の子を見捨てる気じゃないでしょうね!」
真央が哀れっぽい声を出して、土の塔にすがり寄ってきた。
ゾンビが呻き声をあげながら、四方八方から真央目掛けて近寄ってきた。
「あ、安藤クン!助けてよう!」
「俺のこと、ぶち殺すんだろ?そんな奴、助けてやる義理はねぇよ」
「お願いします!許して下さい!どうかお助け下さい!」
「―――しょうがないにゃあ………」
俺はインベントリーから持っていた砂ブロックを取り出すと、真央に向かって放り投げた。
砂ブロックはアイテム化し、真央の目の前でプッカリと浮かんでいる。
「えっ!?これをどうするのですか、安藤クン?」
「それを右手に持つんだ」
「は、はい!」
「持ったら地面の上に1個置いて、すぐにその上に飛び乗れ!飛び乗ったら、俺がやったみたいにタイミングよく、ジャンプしながら砂を積み重ねるんだ」
「わ、わかりました!」
真央は俺に言われたとおりに砂ブロックを積み上げ、その上にヒョイヒョイと飛び乗って行った。
俺のいる土の塔のすぐ横に真央の砂の塔が積み上がり、遂に俺と同じ高さになった。
真央が手を差し出して言った。
「砂がもうなくなったわ。もっと頂戴!」
「砂も土もそれしか持っていないんだ。第一、これだけ、高ければ大丈夫だよ」
「あっ、そう!」
さっきまで必死に哀願していた真央だが、安全地帯に避難できてすっかり落ち着いていた。
真央はリンゴを右手に持つと、シャキシャキと音を立てて食い始めた。
「リンゴ1個だけ?こんな食べ物しかないの?もっと頂戴よ!」
「図々しい女だなあ。一晩中、この上で待機しないといけないんだぞ。非常食は大事に残しておくんだ」
「今食べたいのよ、ケチッ!死んじまえ!カエル男!!」
いきなり、真央が俺を蹴り飛ばした。
「なん………だと………!?」
すっかり油断していた俺は、土の塔から落とされ、地面にしこたま尻を打ち付けた。
なんと落下のショックで、俺の体力は一気に半分になった。
頭上から真央のせせら笑いが聞こえてきた。
「バーカ!バーカ!死んじまえ!お前が消えたら、お前の持ってた物、みんな横取りしてやるわ!」
「くそったれ!恩知らず!!」




