4.昔話~1~
最後、残酷な描写入ります。
まだ世界で戦争が始まる前。
のどかな田舎の村の更に奥。
村人さえ近づかない深い森の奥深く、そこには色とりどりの花が咲き乱れる草原が広がっていた。
その草原の端には大きな木に守られるようにして建つ小ぢんまりとした家があった。
その家には、魔女の最後の生き残りの老婆と、その老婆に拾われて魔法を習う10歳の双子の兄弟が住んでいた。
その老婆の名をローゼ、双子の兄をレイ、弟をラル、といった。
これはある日の休憩時間での出来事。
「ラル、何してんだ?」
「お花植えてるの。ローゼ様からいただいたから。」
ラルはスコップで地面を掘りながら幸せそうに言った。
「ラル花好きだもんな。良かったな!」
「うん‼️…早くお花見たいなぁ。」
「ん?じゃあ成長の魔法を使えばいいじゃん。簡単だろ?」
レイはさも当たり前のように言い、ラルが魔法を使わないことに心底驚いていた。
「ダメだよ‼️ローゼ様も言ってたよ。むやみやたらに魔法を使ってはいけないって。それに、お花も植物も、自分で時間をかけて育てるのが良いんだよ?」
「あっ‼️……そうだった。ラル、おれも一緒に育てていいか?」
「うん、いいよ。」
午前中は家事をして、午後は魔法の授業。これが双子の日常だった。
そんなある日、ローゼが病で倒れた。双子は15歳になり、魔法は教えるものがなくなっていた。
双子はローゼを一生懸命看病したが、病は良くならず、とうとうローゼの最後の時だった。
「ラル、レイ、今までありがとう。大切な私の息子、家族。……どうか、忘れないで。」
そういってローゼは動かなくなった。そして双子は気付いた。自分に記憶がなくならない魔法がかけられていることに。そして、
転生の魔法がかけられていることに。
「レイ、これって……」
「……多分、転生の魔法はかけるつもりはなかったんだと思う。無意識のうちにずっと生きて欲しいって願いを叶えたんだ。」
「……ということは、僕たちは死んだら記憶がある状態で転生するってこと?」
「そうだな。」
そのすぐ後、ローゼが死んだため隠す魔法が消え、双子は魔女を恐れた村人たちに火炙りにされ殺された。属にいう魔女狩りだった。