2.時間
あの後、すぐに面会時間が終わり、病室から追い出されてしまった。病室から出る寸前、命が
「また来てね。待ってるよ。」
と命は言った。
それから真也は事あるごとに命のもとへ行った。命と話すのは楽しかったし、あの夢についても話したかったからだ。
そうして会を重ねるごとに、命と真也はとても仲良くなった。そして、真也は命の病気についても知った。
命の病気は生まれつきで治らないらしく、ここまで生きてこれただけでも奇跡だと言われていた。だが、最近は発作がひどく、命の命は残りわずかだそうだ。
その事を知ったとき、真也は命に言った。
「命は…残りの人生を、色んな所に行って楽しみたいと思わないのか?生まれたときから病室なんて、……俺は耐えられない。」
その真也の問いかけに、命はこう答えた。
「うん。もう慣れてるから、いいんだ。」
その命の瞳に光は無く、命が生きてきた時間よりも、数倍もの時間を見ているかのようだった。
そんなある時、真也の夢に変化が起きた。
目の前には人影ではなく、命が居た。そして泣きながら真也に告げた。
「レイ……思い出してよ……。もう僕たちを狙う人達はいないよ……。これ以上、僕に辛い思いをさせないで……。」
目を覚ました真也は、急いで命のもとへと向かった。
サブタイトルの意味は、この2話が全体的に時間と関わってたからです。
・真也と命の仲良くなるまでの時間
・命の余命
・真也の知らない命の長い時間
レイとは一体……