第十一話 焦燥
最近忙しくて短文続いて申し訳ないです。
あと最近面白くないのは自覚してます。
本当に申し訳ありません。
「それじゃ、これから宜しく頼むな。」
「宜しくお願いします!!」
ウルが頭を下げるのに合わせて、後ろに控える約三十人のエルフ達が声を上げた。
狩人達の瞳には、もはや侮辱や嫌悪の色はない。
元々エルフは戦闘民族であり、他種族を嫌う理由も『人間の戦闘水準がエルフを下回っている』という考えが根底にあった。
そして、その考えが正しい一面もあったのだ。
魔術はもちろん、森で暮らしているエルフは身体能力においても人間の平均より高みにいる。
エルフの元が人間である事を加味して、プライドの高いエルフは、その事実に基づいて他種族を嫌悪していたのだ。
だから、今回の一件で実力を見せつけた俺達の事を、エルフ達も認めない訳にはいかなかったのだ。
「こちらこそ宜しく頼む。」
「宜しくお願いしますね。」
「宜しくな。」
「宜しくっす!」
まぁ、とりあえず狩人達に認められて良かった。
この調子なら、他のエルフ達と打ち解けるのも時間の問題かもしれない。
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ーーー俺達がエルフの里へ来て、一週間が経った。
明日、俺達はユル爺と共に霊樹へ行く事となっている。
この数日間、俺達はエルフの狩人達を指導しながら、その他のエルフ達と交流を図っていた。
狩人の指導はセレスとサリスが主導で当たった。
魔術をセレスが、武術をサリスが指導したのだ。
残念ながらエルフが得意とする弓の扱いに関しては俺達は教える事はできなかったが、戦闘での立ち回りや体魔物を想定した戦闘法などを教えた。
また、それ以外にも狩人達の家族や親しいエルフ達と接し、その文化や生活に理解を深める事ができた。
そのお陰で俺達は一週間前とは比べ物にならないほど、エルフ達に受け入れられ始めていた。
それでも一部のエルフ達は、未だ俺達に嫌悪の目を向けてきていた。
その一人………というより筆頭とさえ言えるのは、エルの幼馴染みであるノールだった。
狩人の中で彼だけは俺達の指導を拒み、この数日間も顔を合わせては難癖をつけてきていた。
その度にサリスが地に植え付けたりしているのだが、彼が諦める様子はない。
それほどまでに里を出ていってもらいたいのだろうか。
この数日間でエル一家と更に仲良くなったのは事実だ。
それがノールを刺激しているのかもしれないが、神眼によるとノールは何らかの焦りを抱いているのだ。
その焦りが単なる嫉妬からくるものであるのなら良いのだが、何だか違うような気がしてならない。
それを不思議に思いつつも彼の真意はわからず、今日も日が落ちて明日を迎える。
そして、俺達は霊樹に向けて出発するのだった。