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死霊の異世界カーニヴァル  作者: 豚骨ラーメン太郎
第四章  【悪霊の墓】深層
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第八話  剣鬼と狂戦士

二人の剣士が切り結ぶ。


その熾烈な戦いは己が主の誇りを守る従者の使命。


片方は少女。


二本の細剣を手に、舞うように動き回る。


その動きは蝶のように捉え処がなく、その刺突は蜂のように鋭い。


立ち向かうは鎧を着た偉丈夫。


しかし首から上は存在しない。


左の小脇の自らの首を抱え、右手には無骨な長剣を携えている。


その剣筋は、右手一本で扱っているとは思えないほど鋭く重い。


男の長剣が振り下ろされ、少女が横に避けつつ刺突を繰り出す。


男は振り下ろしていた長剣を無理矢理止め、横に薙ぎ払う。


少女はしゃがんで避けたが、そこを狙って男が蹴りを放つ。


少女は素早く後退して間合いを取った。


暫し睨み合う両者。


しかし、男の方が剣を下ろして口を開いた。


「驚いたな、これほどの剣の使い手がいたか。」


「貴様こそ、生前でも貴様程の剣士は見た事がなかった。一体何者だ?」


「ふむ、貴殿のような剣士と戦うのであれば、名乗らぬは礼を失する事になるか……。良かろう、我輩の名はエスパーダ。古の騎士である。」


「エスパーダ?…………どこかで聞いた覚えがあるな。」


「恐らく良い噂ではあるまいよ。当時、我輩は『裏切りの英雄』などと呼ばれておったからな。」


「裏切りの英雄………っ!?まさか、剣鬼エスパーダか!?」


「それもまた懐かしい呼び名だな。その通りだ。」


「……古代王国において伝説と呼ばれた騎士団長。有史以来、初めて剣聖の天職を戴いた者。魔物の軍勢から国を守り続け、救国の英雄と呼ばれていたにも拘わらず、ある時を境に騎士団を退団、一転して人斬りとなって無数の民を斬り殺した………剣鬼エスパーダ。まさか貴様がそうだったとは。」


「随分と詳しいな。我輩の信者か?」


「………剣の道を志す者ならば、貴様の名を知らぬ者はいないだろう。…………貴様にいったい何があった?」


「大した理由などないさ。元々騎士団に入ったのも、国の為だとかいう高尚な理由ではなかった。………我輩はただ、戦が好きだっただけだ。生き物をこの手で切り刻み、その返り血を浴びるのが我輩の生き甲斐であった。」


「ならば何故騎士団を抜けたんだ?」


「なに、簡単な話よ。獲物となる魔物が、王国から手を引いたのだ。我輩が愛して止まない闘争が、他ならぬ我輩の手で遠ざかってしまった。…………だが気付いたのだ。それならば他に、もっと身近な所にいるじゃないか、と。」


「それで人斬りになったのか?……………狂人か。」


「うむ、我輩は確かに狂人であった。勇敢に立ち向かう戦士も、逃げ惑う農民も、ただひたすらに斬り殺した。我輩は、それだけ戦に飢えておったのだ。」


「……ふん、下らんな。剣鬼と呼ばれた伝説の人斬りも、蓋を開ければ己の欲望一つ抑制できない子ども(ガキ)だった訳か。」


「子どもか………ふっ、間違ってはいないな。……………それで、貴殿の名は何と言う?」


「僕の名はサリス。敬愛するご主人様に頂いた名だ。そして、貴様に引導を渡す者の名でもある。」


「我輩を相手に随分な自信だな。………剣士サリスよ………いざ参る!」


「貴様を越えて、僕は真の剣聖となる。剣鬼エスパーダよ………覚悟しろ!」


両者が一斉に動き出した。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「おらおらどうしたっ!?それでも最上級の魔物なのかぁ!?」


風を切りながら迫る大きな斧。


その速さはレイの刺突にも劣らない。


これだけデカイ斧を軽々しく振り回す膂力、そして荒々しいだけではない鋭い斬線。


この男ならば屍竜とだって良い戦いができるのではないか。


そう思う程、ディアボロスは強かった。


もし俺がアンデッドロードでなければ、彼と同じドラウグルであれば、間違いなく勝てない。


誰よりも永く生き長らえてきたこの男は、スキルとは別の力を持っている。


勝敗は身体能力とスキルだけで決まるものではない。


そんな事を教えてくれている気がする。


もちろんこいつは教えている気なんてないだろうがな。


そう思いながらも止まぬ猛攻を避けていく。


反撃の機会が無い訳ではない。


だが、焦って攻撃しては思わぬ失敗を招く事になる。


そんな確信があった。


特にディアボロスは生前も死後も戦い続けてきた百戦錬磨の男だ。


駆け引きなんかで優位に立つのは難しいかもしれない。


だから今はとにかく避ける。


こいつの攻撃を身体で覚える為に。


来るべき深層の主との戦いに備えて、ここで俺自身の強化育成を図ろうと考えているのだ。


勿論そう簡単な相手ではないのだが、この程度で苦労していては、深層の主に勝つ事はできない。


そう思ったのだ。


「ディアボロス、そんな攻撃ではいつまで経っても当たりはしないぞ!」


「避けてばかりの腰抜けが偉そうに言うんじゃねぇ!!」


そうだ、もっと来い。


もっと俺を成長させてくれ!!


更に激しさを増した攻撃を避けていく。


たまに手足にかするだけでも吹き飛びそうになる。


当たらないように、しかしギリギリを見切って、避けていく。


やがてーーー


「あぁクソッ!!いい加減に死にやがれ!!」


大振りの振り下ろし。


この時を待っていた。


俺はその攻撃を横ではなく斜め前に跳んで避ける。


さらに無防備な身体に廻し蹴りを叩き込もうとした瞬間ーーー


ディアボロスがニヤリと笑った。


振り下ろしていたはずの斧を、身体の回転によって軌道を変えたのだ。


まるで最初から決めていたかのような自然な軌道変更。


大振りの攻撃は俺を斬りやすい位置に近付けさせる為の(ブラフ)だった。


大きな斧が、俺の首を斬り飛ばそうと迫る。


だが、それが当たる事はなかった。


俺の蹴りが、迫る斧を弾き飛ばした(・・・・・・・・・・)からだ。


俺は最初からこれを狙っていた。


あの大振りが罠である事を見越して、斧が迫るであろう軌道に向かって蹴りを放っていた。


魔力によって右脚を部分強化した上で。


そしてディアボロスは思わぬ反動に身体を反らす。


斧を手放さなかったのは流石の一言に尽きる。


だが、今度こそ本当の隙を晒した。


俺は廻し蹴りの勢いを殺さずに更に回転、地に右足を着けた反動で浮き上がり、全力で部分強化した左足で、奴の顔面に『飛び後ろ廻し蹴り』を叩き込んだ。


身体が後ろに反った完全無防備の状態で顔面を強打されたディアボロスは、吹き飛んでゴロゴロと地を転がる。


「立てよ。そんなので死ぬほど柔じゃないだろ?」


クリーンヒットした感触はあったが、それで参るような奴だとは思えなかった。


案の定、ディアボロスはゆっくりと立ち上がる。


鼻は曲がり、顔面の下半分はグシャグシャになっている。


「やってくれたなぁおい………ぶっ殺してやる。」


そう言うと、再び奴の身体を禍々しいオーラが包み込む。


先程よりも濃く、赤黒いオーラが全身に纏わりついて鎧のようになる。


あれがディアボロスのスキルか。


出会った瞬間に魔眼は発動させていたが、再び俺は魔眼で奴のステータスを確認する。




【ステータス】

『名前』

 ディアボロス

『種族』

 ドラウグル

『スキル』

 狂化Lvー

 体術Lv4

 斧術Lv5

 再生Lv3

 魔力感知Lv3

 魔力操作Lv3

 無属性魔術Lv3

『称号』

 元狂戦士

 元人間魔王

 名持ち魔物




ーーー狂戦士。


本で読んだ事がある。


忍者と並んで希少な天職の一つで、戦闘に特化した天職だ。


狂戦士の持つ固有のスキル『狂化』というのが、ディアボロスが現在使っているものだろう。


精神の昂りに応じて、身体能力を強化するものだ。


おそらくこの男は、持ち前の狂暴性とこのスキルが噛み合う事で、過去その猛威を振るったに違いない。


いずれにせよ、こうなってからがこの男の本領発揮といったところか。


「もう遊びは終わりだ………ネクロっつったか………てめぇは必ず殺してやる。」


「ディアボロス………お前はここで、俺の糧となって貰う。」


この局面で自らの成長を考える俺も、狂っていると言えば狂っているのかもな。


なんて思った。


両者が同時に踏み出した。


王と王による、狂気の戦いが幕を開けた。

剣の戦いってどう描写すれば良いんだ………。


自分が武道経験者なんで主人公の戦いは想像できるけど………剣はわからぬ…………。


描写がわかりにくかったらごめんなさい。

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